大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

文字の大きさ
28 / 212
一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第二十六話 結論から言うと、全部僧侶のせい

しおりを挟む
「どう?これ聞いてどっちが悪いと思う?」

「「そこの僧侶」」

「ごめんなさいぃぃぃ!!」

 男戦士は最低な男では決してなかった。寧ろ普通の感性を持ち合わせた人だった。逆に今、蘭丸さんにしがみ付いている僧侶が最低な女へと評価が変わる。

「おい、女。少し離れろ」

「えっ?あ、はい」

 蘭丸さんはしがみ付く僧侶を退けると、蘭丸さんは鞘ごと、刀を地面に置く。そしてゆっくりと地面に足と膝をつけ、正座の体勢を取ると、勢い良く──────

「申し訳なかった」

 土下座をした。それはもう見事な土下座だ。土下座の文化なんてないだろうフラム王国の国民が見ても、謝罪の意がしっかりと伝わるであろう土下座は男戦士の心にしっかりと響いた。

「お、おう・・・アンタのその行動は良くわからんが、もの凄く俺に謝ってる事だけは分かったぜ・・・まあ誤解されるような事やってた俺も悪いしな。ここは両成敗で手を打たないか?」

「お主の懐の広さに感謝する」

 どうやら仲直りできたようで良かった。同じギルドに所属している者同士、なるべく仲良くした方が良いだろう。さて、次は・・・・・・。

「アンタだな」

「ひゃ、ひゃい!!」

 幸助が視線を向けるとまるで捕らえられた小動物のように怯えるクソッたれ僧侶。元気よく悲鳴を上げているが、身体中傷だらけで出血も酷い。

「とりあえず傷を治せ。治癒の魔術使えるんだろ?」

「は、はい。分かりました・・・『ケア』!」

 治癒の魔術の名前を唱えると、彼女の体の周りに緑の光の玉が現れ、僧侶の生傷に触れると、圧倒間に塞いでみせた。これが治癒の魔術!一体どういう原理で傷を塞いでいるんだ!?

「はぁ・・・はぁ・・・お、終わりました」

「良し。じゃあ、アンタはこの男をどうしたい?」

「ど、どういう意味ですか・・・?」

「今アンタには和解と通報の2つの選択肢がある。2つのうち、どっちをえr──────」

「ごごごごめんなさい!!」

 俺の話が終わる前に謝っちゃった。まあ、俺はただの仲介役だし、問題ないのだが・・・。

「元はといえばワタシが命を弄ぶような事をやったのが原因だったんです・・・ですから、ワタシが彼を逮捕させる権利なんて無いんです・・・!!」

 ぽろぽろと目から大粒の涙を流しながら戦士に向かって頭を下げる僧侶。とんでもない性癖を持ってはいるが、根はいい人なのだろう。

「・・・反省してるなら良いよ別に。結果的に命を助けられてるんだから。だけど!もう二度とするんじゃなねぇぞ!もしやりたいんならそういう店に行け!城下町から北にあるカジノ街にあるから」

 いかがわしい店はこの世界にもあったのか。これはいい事を聞いたかもしれない。そして、男の戦士は言葉遣いこそ荒いが、性格の良さが随所にみられる。

「そして、もうお前とはパーティは組まない!分かったな!?」

「はい・・・本当にすみませんでした」

 宣言すると、戦士は僧侶に手を差し伸べてくる。僧侶は意味は分からず首を傾げた。

「ほら、和解の握手だよ」

「えっ?あ、はい!」

 意味を理解した僧侶は戦士の手を握り返す。こちらも平和的に解決できたようだ。

「はぁ・・・はぁ・・・すみませぇん!到着しましたぁ!」

 数分後、体力を使い果たしたメアリーが肩で息をしながらやってきた。ステゴロが好きなのに体力が無いのは少し面白いが、魔術師としては普通なのだろうか?

「遅いぞメアリー。もう終わっちまったぞ」

「えぇ!?もう戦いが終わっちゃったんですか?なんだぁ、がっかり・・・」

「いや、戦いなんて起きてない。この世界では考えられないくらい平和な形で解決したさ」

 そういうと幸助はニコリとほのかに微笑んだ。争いと戦いの絶えない世界だが、平和な解決は可能なのだと知れた幸助にとっては良い日?だったかもしれない。

「それじゃあ、帰るとします・・・か・・・」

 洞窟を出ようと1歩足を出した瞬間、男戦士が顔面から地面へと勢いよく倒れる。良く見たら顔面真っ青で今にも死にそうだ。

「ああああ!そういえば出血してから何も食べさせて無かったぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「バカヤロォォォォォォォ!!」

 その後、男戦士はメアリーが携帯していた干し肉で鉄分を補給し、一命を取り留めたのであった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

前世は不遇な人生でしたが、転生した今世もどうやら不遇のようです。

八神 凪
ファンタジー
久我和人、35歳。  彼は凶悪事件に巻き込まれた家族の復讐のために10年の月日をそれだけに費やし、目標が達成されるが同時に命を失うこととなる。  しかし、その生きざまに興味を持った別の世界の神が和人の魂を拾い上げて告げる。    ――君を僕の世界に送りたい。そしてその生きざまで僕を楽しませてくれないか、と。  その他色々な取引を経て、和人は二度目の生を異世界で受けることになるのだが……

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

処理中です...