大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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二章 濡れ衣の男を救え!!

第二十一話 準備は万端、後は待つのみ

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「おおっ!無事でしたか!おかえりなさい!コウスケさん・・・と貴女は?」

「どうも初めまして。コウスケさんと冒険者パーティを組ませてもらっています。メアリーと申します」

 俺らを出迎えてくれたのはマートルさんだった。中々帰ってこない俺を心配していたようだ。

「4時間も帰ってこないので何処かで襲われているのでは?と不安になりましたよ」

「いえ、襲われていました。なので帰ってくるのが遅れました」

「え!?お、王国騎士に?」

「はい。王国騎士にです」

 簡潔的に俺の身に何か起きたかを話していると、後ろからポンと手を置かれる。振り向き、手を置いた人物を確認する。自警団のリーダーさんだった。

「よお、コウスケ。濡れ衣の証明がこんなにも大事になるなんて思ってもいなかったぞ」

「やっぱり王国騎士が富裕層エリアにいなかったのは、自警団が来ていたからなんですね。助かります」

「住民を守るのが俺らの役目だし、ヒロさんには生前世話になったしな。ところで、道の途中で王国騎士が血流して死んでいたが、アンタの仕業か?」

「王国騎士達を倒したのはランマルさんです。信じてくれないと思いますが、コウスケさんを攫おうとしたから仕方なく殺したんです!決してランマルさんは殺したくて殺したわけじゃ──────」

「大丈夫、大丈夫。リゼット家を襲撃してきたマイケルってヤツから色々と話は聞いてるから信じれるよ」

「ああ、良かった。これでランマルさんが捕まらないで済む・・・」

 自警団が完全にこちらの味方だという事を確認できた所で本題に入るとしよう。

「リゼットさんに会う事は出来ますか?あの人から貰いたい物があるのですが・・・」

「取り調べなら既に終わっている。自由に話してこい」

「はい!ありがとうございます!」

「しっかし、お前結構な頻度で大事件に巻き込まれてるな。狂信者の次は貴族の闇か。まあ、この町が平和になるなら良いんだけどさ」

 リーダーさんの言う通りだ。まあ、最も大体は俺が原因なのだが。

「この事件の手柄は俺が貰って良いんだよな?」

「はい。勿論です!」

「ヘヘへ・・・もしかしたら王国騎士の汚職発覚で俺が王国騎士団長になるかもな?」

「そうなればこの町はもっと平和になるでしょうね」

 自分の利益の為に国が雇っている騎士達を利用する騎士団長なんかいらない。利用されている騎士達もだ。元々働いていないような奴らだ。自警団のメンバーと入れ替わっても、何も問題はないだろう。

「おかえりなさいませ、コウスケ様。リゼット様が4時間前からお待ちです。ついて来て下さい」

「はーーい」

 メイドさんに案内されてやって来たのは接客室ではなく、リゼットさんの寝室だった。身体の怪我は無かったが、精神的疲労で横になっているらしい。休んでいる最中に入って良いのだろうか?

「リゼット様。コウスケ様が帰ってきました」

『・・・どうぞ、入って下さい』

 声色からして少し疲れていそうだが、元気そうだ。扉を開くと、一緒に仕事をした事がある自警団の男性が目の前に現れた。武装している事から考えるに、リゼットさんの護衛をしているのだろう。

 右を向くと、一般人だと絶対に手は出せないような高そうなベッドが置かれている。リゼットさんはベッドの上に座りながら俺に微笑んでいた。

「待っていましたよ、コウスケさん。良く戻ってきてくれました」

「すみません。ちょっと厄介な奴ら王国騎士団に襲われちゃいまして・・・」

「そうだろうと思いました。アルベール家の息がかかった王国騎士は多かったでしょう?無事に生きていて良かったです」

 リゼットさんは立ち上がると、俺の方へとやってきて一冊の薄い本を渡してくる。表紙には商売の神のロゴが描かれており、素材はこの国では珍しい木材が素材の紙で、中には延々と文字と数字が書かれている。

「『豚肉50㎏・5万4000アモ。岩トカゲ15匹・15万アモ。サンダーバード10羽・12万アモ』これってもしかして・・・」

「夫が商いを始めてから亡くなる直前までずっと書き続けていた出納帳すいとうちょうです。年月日も詳しく記されているので、ジェイクさんに依頼した記録はすぐに見つけられるはずです。まあ、

 リゼットさんの口角がにやりと厭らしく上がる。これがあれば後はギルドに戻って依頼内容と依頼した人を調べるだけだ。

「ありがとうございます!これを活用して絶対に・・・絶対にヒロ氏を殺した人を見つけ出します!」

 満面の笑みで宣言すると、幸助はリゼット寝室から出ていき、そんな幸助に対してリゼットは笑顔で優しく手を振った。 

 そして、彼がいなくなった部屋でぼそりと呟く。

「アナタが生きていたら、きっと、彼と仲良くなっていたでしょうね。だって、彼はアナタとそっくりですもの。自信と勇気に満ち溢れた笑顔がね・・・」

 幸助がいなくなった寝室で独り言を呟くと、リゼットは壁に飾られた貴族ヒロの人物画を眺めながら優しく微笑んだ。
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