大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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二章 濡れ衣の男を救え!!

第二十話 激戦!幸助VS王国騎士!

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「王国騎士?つまり・・・敵って事か!?コウスケ?」

「そういう事。ただ、様子がおかしい。城下町をうろついているという事は俺の捕獲が目的のはず・・・それなのに全く追ってくる様子はないぞ・・・」

「へっ!ビビってんだよ、王国騎士を皆殺しにしたアタシ達をさぁ!」

 ビビっているとはまた違う雰囲気だ。歩き方に自信がある。負けるビジョンが浮かんでいない自信家の歩き方だ。

「コウスケ、逃げるとか言わずにやっちゃおうぜ?いや、やるわ。殺すわ」

「おい、やめとけ。相手に攻撃の意思はない。大人しくここから離れるべきだ」

 相手から迫ってきたら正当防衛として戦うが、俺らから言ったら公務執行妨害として捕まる可能性がある。だから──────

「でも、アイツ剣抜いたぞ。すんげえ真っ白な剣」

「・・・・・・」

 メアリーのいう通り、王国騎士は剣を抜いていた。他の王国騎士の剣とは違う白銀製の直剣だ。実用剣の側面より、宝剣の側面の方が強そうな美しい剣。後ろに俺ら以外の王国騎士の敵になる存在がいる事を希望して後ろを振り向いたが、誰もいない。やはり俺に用があるようだ。

 そして、メアリーは既に我慢の限界のようだ。仕方ない・・・。

「半殺しで済ませてあげなさい」

「ひゃほぉぉぉぉぉ!!」

 拳に真っ赤に燃える炎を宿して飛び込んでいった。彼女の現在のレベルは15。毎日働きもしなければ鍛錬もしない王国騎士1人なら一捻りだろう。

「死ねぇぇぇぇぇ!!」

 メアリーの拳が騎士の兜を定め、飛んでいく。しかし、炎の拳は兜にはめり込まず、逆にメアリーが近くの屋敷の壁にめり込む勢いで激突した。

「がぁ・・・!!」

「な・・・!!」

 信じられないが、俺は確かにこの目で見てしまった。一瞬だが、メアリーの腹に騎士の素早い拳の突きが入っているのを。証拠にメアリーは腹を抑えて苦しそうにしている。

 偶然か?いや、偶然であんな突きの速度を出せるはずがない。あのカウンターは完全にあの騎士の身体能力から出された一撃。王国騎士は温室育ちのボンボンの集まりだと思っていたが、例外もいるようだ。

「おい、お前。一体何者だ?」

「・・・・・・」

 銀の直剣を構える。言葉ではなく、剣と剣で語りたいようだ。

「できれば話し合いでの解決が良いんだけどね。仕方ない、やるか」

 ブロードソードを抜き、構える。万が一に備えてフル装備で来て良かった。それでも相手は鉄製で俺の鎧と盾は革製なので、防具に圧倒的な差があるが。

 腰を低くして、盾を前に構える。こちらが戦いの準備ができたと分かった瞬間、騎士は襲いかかって来た。

「ぐぅ・・・!」

 重い一撃が盾を伝って左腕を剣の一撃が痺れさせる。腕力だけじゃなく、鎧と自分の体重を上手く乗せた重い一撃だ。すかさず、剣を逆手に持ち、股関節部分に刺すが、肉を斬った感覚が伝わってこない。幼い頃、鉄の網を木の棒で叩いた時と全く同じだ。

「鎖帷子か・・・徹底しているな・・・!」

 鎧の下にインナーとして鎖帷子を身に着けているようだ。しかも、細剣でやっと通る位には網目が小さい。

 盾に乗っかっている剣を力いっぱい押しのけ、距離を取り、体勢を立て直す。

(マズイな・・・思った以上に不利だぞ・・・)

 これは尻尾を巻いて逃げた方が良いかもしれない・・・いや、そもそも逃げられるのか?間合いを詰めるのも一瞬で少しでも反応が遅れていたら斬られていたぐらい速かった。逃げようとしても後ろに回り込まれる未来が見える。

 これはもしかしなくても負け戦なのではないか?俺は病み上がりであまり回転の良くない頭で考える。まず、相手の騎士の特徴を上げよう。目にもとまらぬ素早い攻撃、鉄製の鎧と鎖帷子。まるで生きた要塞だ。俺はどうすればこの要塞王国騎士を突破できるのだろう。

(ん・・・?待てよ、鉄?)

 元の世界に居た時の記憶が流れ込んでくる。小学生の理科の授業の時の記憶だ。理科の教師はとある授業の時に俺達生徒に向けてこう言った。『鉄は電気をよく通しますので、くれぐれも雷が鳴っている時はご注意を』と。

 誰もが知っているような常識だ。鉄は電気をよく通す。そんな当たり前の常識が俺に勝利への道を教えてくれた。

「メアリー!」

 身体を沿って、騎士の剣を避けながらメアリーの下へと走る。彼女は既に身体を起き上がらせていた。

「イテテ・・・んだよ!コウスケ!」

「イラついてるとこ悪いんだが、雷のエンチャントは出来るか?」

「雷ぃ?できる事には出来るぜ、炎よりも火力は下がるし、ビリビリしてて髪の毛が変になるしで好きじゃねぇんだわ!」

「それでも良いから俺の剣と盾の表面にそれかけてくれ。そしたらここを打破できるはずだ」

「おう、打破できるなら頼むわ。アタシ、あいつ嫌いだから触りたくない────『サンダーエンチャント』!!」

 刃周辺と盾の表面に黄色のスパークがほとばしる。雷のエンチャントは無事付与されたようだ。

「・・・・・・」

「うおぅ!?」

 エンチャントをかけている間に距離を詰めてきていた騎士の斬撃が俺を襲う。振り被る瞬間に後ろを振り向けていた俺は滑り込ませるように盾で刃を防いで見せた。すると──────

「ガガガガガガガガガガガガガ!!」

 剣を伝って感電し、王国騎士は奇声を上げながら痙攣し始めた。

「良し!効いた!更に駄目押しだ!!」

 更に雷を纏った剣を胸のプレートに押し当てる。奇声がドンドン大きくなっていく。エンチャントが切れる数分間、押し当て続けると、騎士は仰向けに倒れてピクリとも動かなくなった。

「おお~~!すげぇぇぇ!!考えたな!コウスケ!!」

「褒めるのは後で良いから早くここから離れるぞ!!」

 壁に打ち付けられた影響で歩き方が覚束ないメアリーを抱えて、俺は騎士から離れた。騎士は死んだのか、気絶したのか分からないが、追いかけてはこなかった。

 追いかけられていないと分かっていても、騎士の強さは脳にしっかりと焼き付いており、勝てない事も分かっていた。だから、俺は騎士から距離を取ろうと何も考えずに走っていると、見覚えのある屋敷の前に着いた。

「あれ?着いちゃった・・・リゼットさんの屋敷・・・」

「嘘でしょ!?」

 色々とあったが、無事につけたので良しとしよう。
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