126 / 212
三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す
第三十七話 息を合わせて倒せ!倒せ!
しおりを挟む
「めありー。気持ちは分かるが、ここは拙者にやらせてはもらえぬだろうか?」
「嫌だね。あんたにはメチャクチャ世話になってるが、これだけは譲れねえ。アタシだって、タイマンでやりたいんだ。我慢しろ」
「・・・承知」
「それに今は、復讐じゃなくて、あのクズを逮捕する事が優先だ。殺すなよ?」
「・・・・・・承知」
相談が終わり、上を見上げると、鎧で重いはずの身体を持ち上げ、ジャンプ斬りを試みるピピンがいた。
「でりゃあああああ!!」
あまりにも大振りで、不意打ちでなければ当たらなかっただろうが、もし当たっていたら即死していただろう。
「めありー!」
「はいよ!───『ビルドアップ』!」
流石、死の危険を何度も潜り抜けた仲間と言った所だろうか。先程まで(大した事ではないが)揉めていたにも関わらず、素晴らしい連携をピピンに見せつける。
元から鍛えてある蘭丸の筋肉に更に筋肉が付け加えられる。ほんの一瞬だが、筋肉が木のように太くなり、皮膚を軋ませる。腕の皮膚に痛みを感じながらも、重く鋭い一撃をピピンの胸へと叩き入れた。
「悪い!増強しすぎた!大丈夫か!?」
「大丈夫だ。今よりも身体の耐久性が低かったら耐えきれなかっただろうがな。れべるあっぷに感謝だな」
身体に影響を及ぼすエンチャントには限界がある。その限界は人によって異なり、限界値はレベルアップによる身体と身体能力の向上による上がる。
レベルアップがスロータイプなのにレベルが24に達している蘭丸は耐える事ができたが、まだレベルも耐久力も心許ないメアリーだったら、今頃皮膚が裂けていただろう。
そんな痛い思いをして放った攻撃は、鎧によって、ほとんど無かった事にされてしまった。
「む・・・これでも駄目か・・・なら・・・めありー!!」
腰に帯びていたサーベルを抜き、メアリーに向かって叫ぶ。すると、笑顔で魔術を使う準備を始めた。
「おっ!あれか!!良いねぇ~~アタシあれ好きなんだよな!!──────『サンダーエンチャント』!!」
蘭丸の愛刀とサーベルに魔術で作られた雷が宿る。自慢の足の筋肉で跳ねると、宙で横回転し、そのままピピンへと向かっていく。
「雷獨楽!!」
技名の通り、今の蘭丸は大きな殺人コマそのもの。切れ味の良い二本に加え、雷を纏っており、生物に攻撃するにはもってこいの技である・・・ピピンが特殊な鎧を着ていなければ・・・。
「ハハハハ!!無駄無駄!アモーラ様から授かった鎧をそんな弱っちい攻撃と雷で貫通するなんて不可能!!」
「くっ・・・!初めて試す技だったのだが・・・」
「わりぃ、そういえばアイツの鎧、魔術効かない事言うの忘れてた・・・」
「そのような情報は戦う前に言って欲しい・・・だが、そんなに良い鎧を装備しているというのに、何故あやつは攻守に優れた構えを取っているんだ?」
異世界にやってきて様々な剣術を見てきたお陰で目が肥えた蘭丸には分かる。魔術を弾く能力と頑丈性を誇る鎧を着ているにも関わらず、攻守のバランスを考えた剣の構えをしていると。西洋の剣術を日本の剣術で例えるのは些か違和感を感じるが、例えるなら剣道の中段だろうか?特に特出してはいないが、バランスが保てており、一番使いやすい構え。ピピンは中段に似た構えをしていた。
蘭丸は首を傾げた。どうしてそんなに素晴らしい防御力を持っているというのに、攻めの構えを取らないのだろうか?と。防御に不安を抱いているのだろうか?それとも、クセだろうか?考えられるのは前者だろう。ピピンは堕ちたが、その実力は本物。クセで構えを変えないなんてありえない。きっと、構えには理由があるはずだ。その理由を知る為にもまず──────
「その構え、崩させてもらおう!!」
「くぅ・・・!!」
隙が無いなら作れば良い。誰がこんな良い言葉を言ったのだろうか。刀身の強度に不安がある蘭丸はフェイントを使った隙を作る戦法を用いる。胴を攻撃すると見せかけて籠手、頭を斬ると見せかけて胴と言った感じで、ペースを奪い、隙を生みだす。
数十秒後、隙は生み出され、一瞬だが、バランス重視の構えが崩れる。崩れた瞬間に見えた胴に構えの秘密が隠されていた。ぽっかりと金色の鎧に開く穴。穴からは暗くてよく見ることができなかったが、素肌のような明らかに鎖帷子ではないモノがあった。
「そうか・・・お主、その穴を隠す為にわざわざ攻守に堅実な構えを取っていたんだな」
「ぎくぅ・・・!!そ、そんなわけ・・・」
「あぁ~~!忘れてたぜ!!そういえば、アタシのパンチでコイツの鎧に穴を開けたんだっけ!!」
「だからそういう大事な情報は戦う前に教えろ!!」
もっと早く言ってくれていれば戦闘の長引かせずに、先に行った幸助達と合流出来たのに、と後悔のため息を吐く蘭丸だが、メアリーが戦闘時間短縮の為の弱点を作ってくれた事には変わりはない。
勝ち筋は見えた。後は突き進むのみ。
「めありー!息を合わせろ!!」
「おう!!任せとけ!!ランマル!!」
「嫌だね。あんたにはメチャクチャ世話になってるが、これだけは譲れねえ。アタシだって、タイマンでやりたいんだ。我慢しろ」
「・・・承知」
「それに今は、復讐じゃなくて、あのクズを逮捕する事が優先だ。殺すなよ?」
「・・・・・・承知」
相談が終わり、上を見上げると、鎧で重いはずの身体を持ち上げ、ジャンプ斬りを試みるピピンがいた。
「でりゃあああああ!!」
あまりにも大振りで、不意打ちでなければ当たらなかっただろうが、もし当たっていたら即死していただろう。
「めありー!」
「はいよ!───『ビルドアップ』!」
流石、死の危険を何度も潜り抜けた仲間と言った所だろうか。先程まで(大した事ではないが)揉めていたにも関わらず、素晴らしい連携をピピンに見せつける。
元から鍛えてある蘭丸の筋肉に更に筋肉が付け加えられる。ほんの一瞬だが、筋肉が木のように太くなり、皮膚を軋ませる。腕の皮膚に痛みを感じながらも、重く鋭い一撃をピピンの胸へと叩き入れた。
「悪い!増強しすぎた!大丈夫か!?」
「大丈夫だ。今よりも身体の耐久性が低かったら耐えきれなかっただろうがな。れべるあっぷに感謝だな」
身体に影響を及ぼすエンチャントには限界がある。その限界は人によって異なり、限界値はレベルアップによる身体と身体能力の向上による上がる。
レベルアップがスロータイプなのにレベルが24に達している蘭丸は耐える事ができたが、まだレベルも耐久力も心許ないメアリーだったら、今頃皮膚が裂けていただろう。
そんな痛い思いをして放った攻撃は、鎧によって、ほとんど無かった事にされてしまった。
「む・・・これでも駄目か・・・なら・・・めありー!!」
腰に帯びていたサーベルを抜き、メアリーに向かって叫ぶ。すると、笑顔で魔術を使う準備を始めた。
「おっ!あれか!!良いねぇ~~アタシあれ好きなんだよな!!──────『サンダーエンチャント』!!」
蘭丸の愛刀とサーベルに魔術で作られた雷が宿る。自慢の足の筋肉で跳ねると、宙で横回転し、そのままピピンへと向かっていく。
「雷獨楽!!」
技名の通り、今の蘭丸は大きな殺人コマそのもの。切れ味の良い二本に加え、雷を纏っており、生物に攻撃するにはもってこいの技である・・・ピピンが特殊な鎧を着ていなければ・・・。
「ハハハハ!!無駄無駄!アモーラ様から授かった鎧をそんな弱っちい攻撃と雷で貫通するなんて不可能!!」
「くっ・・・!初めて試す技だったのだが・・・」
「わりぃ、そういえばアイツの鎧、魔術効かない事言うの忘れてた・・・」
「そのような情報は戦う前に言って欲しい・・・だが、そんなに良い鎧を装備しているというのに、何故あやつは攻守に優れた構えを取っているんだ?」
異世界にやってきて様々な剣術を見てきたお陰で目が肥えた蘭丸には分かる。魔術を弾く能力と頑丈性を誇る鎧を着ているにも関わらず、攻守のバランスを考えた剣の構えをしていると。西洋の剣術を日本の剣術で例えるのは些か違和感を感じるが、例えるなら剣道の中段だろうか?特に特出してはいないが、バランスが保てており、一番使いやすい構え。ピピンは中段に似た構えをしていた。
蘭丸は首を傾げた。どうしてそんなに素晴らしい防御力を持っているというのに、攻めの構えを取らないのだろうか?と。防御に不安を抱いているのだろうか?それとも、クセだろうか?考えられるのは前者だろう。ピピンは堕ちたが、その実力は本物。クセで構えを変えないなんてありえない。きっと、構えには理由があるはずだ。その理由を知る為にもまず──────
「その構え、崩させてもらおう!!」
「くぅ・・・!!」
隙が無いなら作れば良い。誰がこんな良い言葉を言ったのだろうか。刀身の強度に不安がある蘭丸はフェイントを使った隙を作る戦法を用いる。胴を攻撃すると見せかけて籠手、頭を斬ると見せかけて胴と言った感じで、ペースを奪い、隙を生みだす。
数十秒後、隙は生み出され、一瞬だが、バランス重視の構えが崩れる。崩れた瞬間に見えた胴に構えの秘密が隠されていた。ぽっかりと金色の鎧に開く穴。穴からは暗くてよく見ることができなかったが、素肌のような明らかに鎖帷子ではないモノがあった。
「そうか・・・お主、その穴を隠す為にわざわざ攻守に堅実な構えを取っていたんだな」
「ぎくぅ・・・!!そ、そんなわけ・・・」
「あぁ~~!忘れてたぜ!!そういえば、アタシのパンチでコイツの鎧に穴を開けたんだっけ!!」
「だからそういう大事な情報は戦う前に教えろ!!」
もっと早く言ってくれていれば戦闘の長引かせずに、先に行った幸助達と合流出来たのに、と後悔のため息を吐く蘭丸だが、メアリーが戦闘時間短縮の為の弱点を作ってくれた事には変わりはない。
勝ち筋は見えた。後は突き進むのみ。
「めありー!息を合わせろ!!」
「おう!!任せとけ!!ランマル!!」
21
あなたにおすすめの小説
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。
前世は不遇な人生でしたが、転生した今世もどうやら不遇のようです。
八神 凪
ファンタジー
久我和人、35歳。
彼は凶悪事件に巻き込まれた家族の復讐のために10年の月日をそれだけに費やし、目標が達成されるが同時に命を失うこととなる。
しかし、その生きざまに興味を持った別の世界の神が和人の魂を拾い上げて告げる。
――君を僕の世界に送りたい。そしてその生きざまで僕を楽しませてくれないか、と。
その他色々な取引を経て、和人は二度目の生を異世界で受けることになるのだが……
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる