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最終章 今こそ復讐の時
第二十三話 目的は殺す事じゃない。お前に一泡吹かせる事だ
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「止めた・・・?どうして?」
荒れ狂う灰色の雲の中、私は問いました。何故、攻撃を止めたのかと。何故、剣を下げたのか?と。泉幸助は頭を左手でかきながら嫌そうな顔で答えた。
「だって、アンタ・・・死のうとしたじゃん。俺の攻撃を受けて」
「はい・・・死を受け入れようとしました」
「多分だけど、死のうとしたのは今までの行いを反省したから・・・で合ってるよね?」
「はい。今更何を言ってるのかとお思いかもしれませんが、私は貴方に大変失礼な事をしました。神だから許されるだろうという軽い気持ちで貴方を殺し、自分の野望を完遂させようとしました」
「そうだねぇ・・・」
宝石のような目からポロポロと涙を流して自分の行ってきた行動を懺悔し始めるアモーラに対し、心底どうでも良さそうに耳を傾ける幸助。アモーラは言葉を続けた。
「それだけではありません。貴方を殺す事に執着して愛する子らの心が離れてしまったのに、貴方のせいにして憎悪を深めました」
「途中から刺客の強さが桁違いに上がったのにはそんな理由があったのね」
「だから、貴方の剣をこの身に受け罪を償おうとしました」
「成程ね・・・つまりは俺を使って罪から逃れようとしたわけだ」
「だ、断じて違います!私はこの身をもって罪を──────」
アモーラが行おうとした事とは真逆の言葉を言う幸助にアモーラは思わず声を荒らげる。しかし、幸助は臆する事なく話を続けた。
「だけど、それって同時に俺が神殺しの罪を背負うって事だよね?多分だけど、それ・・・人殺しよりよっぽどマズイんじゃないかな?」
「・・・え?どういう事ですか?貴方は私を殺したいのではないんですか?」
「いいや、違うね。俺がしたかったのはあくまで復讐。アンタを俺が味わった屈辱と同じくらい痛みつける事。殺す事じゃない。アンタに一泡吹かせて、ボコボコにする事さ。それが今、完遂された。つまり俺の復讐はもう終わり。アンタはこれから迷惑かけて人達への償いを精々頑張れ。寿命は俺達よりも遥かに長いんだからきっと出来るはずさ」
「謝罪・・・ですか・・・」
「ああ。例えば・・・アンタの横でいつも支えてくれた天使とかかな?」
「ラヴ・・・ですか・・・ラヴの事を言っているのですか?」
「その通り」
「彼女には・・・とても酷い仕打ちをしてきました。今更謝って許してくれるのでしょうか・・・」
「そこに関しては問題ないさ。彼女はアンタが元の性格に戻る事を望んで俺達に強力してくれたんだからな」
「分かりました。ありがとうございます、泉幸助。貴方のお陰で自分の過ちに気付く事が出来ました・・・このお礼、どうやって払ったら良いのか・・・」
幸助の眼の前には私利私欲の為に何も関係ない人達を利用し、傷つける限りなく邪神に近い女神はいない。目の前にいるのは心の底から自分の行いを恥じ、改めようとする模範的な愛の女神だった。
「いや、良いよ。俺はもう十分やったし」
「ですが、あれだけで貴方が報われるとは思えません!何せ私は貴方を愛する家族から引きはがしてしまったのですから!」
「いきなり真面目だな・・・本当に気にしなくていいよ。確かに家族とは離れ離れになっちゃったけど、こっちの世界でも愛は見つけられたしね。それでも、まだ罰を要求するなら、こっちに来てくれ」
「はい」
疑問符を浮かべながら近づいてくるアモーラ。顔近づいた瞬間、涙で濡れている左頬を助走付けた右手を思い切りはたいた。灰色の雲に乾いた破裂音が響く。音に反応するかのように灰色の雲は四方八方に散っていき、沈みかけた太陽が視界に現れる。空は青からオレンジ色に変色しており、時の経過を感じさせる。
「それじゃあ、戻りましょうか。石を投げられるかもしれませんので、どうぞお気を付けください」
いつの間にかアモーラに対する幸助の言葉遣いは丁寧なものとなっていた。
荒れ狂う灰色の雲の中、私は問いました。何故、攻撃を止めたのかと。何故、剣を下げたのか?と。泉幸助は頭を左手でかきながら嫌そうな顔で答えた。
「だって、アンタ・・・死のうとしたじゃん。俺の攻撃を受けて」
「はい・・・死を受け入れようとしました」
「多分だけど、死のうとしたのは今までの行いを反省したから・・・で合ってるよね?」
「はい。今更何を言ってるのかとお思いかもしれませんが、私は貴方に大変失礼な事をしました。神だから許されるだろうという軽い気持ちで貴方を殺し、自分の野望を完遂させようとしました」
「そうだねぇ・・・」
宝石のような目からポロポロと涙を流して自分の行ってきた行動を懺悔し始めるアモーラに対し、心底どうでも良さそうに耳を傾ける幸助。アモーラは言葉を続けた。
「それだけではありません。貴方を殺す事に執着して愛する子らの心が離れてしまったのに、貴方のせいにして憎悪を深めました」
「途中から刺客の強さが桁違いに上がったのにはそんな理由があったのね」
「だから、貴方の剣をこの身に受け罪を償おうとしました」
「成程ね・・・つまりは俺を使って罪から逃れようとしたわけだ」
「だ、断じて違います!私はこの身をもって罪を──────」
アモーラが行おうとした事とは真逆の言葉を言う幸助にアモーラは思わず声を荒らげる。しかし、幸助は臆する事なく話を続けた。
「だけど、それって同時に俺が神殺しの罪を背負うって事だよね?多分だけど、それ・・・人殺しよりよっぽどマズイんじゃないかな?」
「・・・え?どういう事ですか?貴方は私を殺したいのではないんですか?」
「いいや、違うね。俺がしたかったのはあくまで復讐。アンタを俺が味わった屈辱と同じくらい痛みつける事。殺す事じゃない。アンタに一泡吹かせて、ボコボコにする事さ。それが今、完遂された。つまり俺の復讐はもう終わり。アンタはこれから迷惑かけて人達への償いを精々頑張れ。寿命は俺達よりも遥かに長いんだからきっと出来るはずさ」
「謝罪・・・ですか・・・」
「ああ。例えば・・・アンタの横でいつも支えてくれた天使とかかな?」
「ラヴ・・・ですか・・・ラヴの事を言っているのですか?」
「その通り」
「彼女には・・・とても酷い仕打ちをしてきました。今更謝って許してくれるのでしょうか・・・」
「そこに関しては問題ないさ。彼女はアンタが元の性格に戻る事を望んで俺達に強力してくれたんだからな」
「分かりました。ありがとうございます、泉幸助。貴方のお陰で自分の過ちに気付く事が出来ました・・・このお礼、どうやって払ったら良いのか・・・」
幸助の眼の前には私利私欲の為に何も関係ない人達を利用し、傷つける限りなく邪神に近い女神はいない。目の前にいるのは心の底から自分の行いを恥じ、改めようとする模範的な愛の女神だった。
「いや、良いよ。俺はもう十分やったし」
「ですが、あれだけで貴方が報われるとは思えません!何せ私は貴方を愛する家族から引きはがしてしまったのですから!」
「いきなり真面目だな・・・本当に気にしなくていいよ。確かに家族とは離れ離れになっちゃったけど、こっちの世界でも愛は見つけられたしね。それでも、まだ罰を要求するなら、こっちに来てくれ」
「はい」
疑問符を浮かべながら近づいてくるアモーラ。顔近づいた瞬間、涙で濡れている左頬を助走付けた右手を思い切りはたいた。灰色の雲に乾いた破裂音が響く。音に反応するかのように灰色の雲は四方八方に散っていき、沈みかけた太陽が視界に現れる。空は青からオレンジ色に変色しており、時の経過を感じさせる。
「それじゃあ、戻りましょうか。石を投げられるかもしれませんので、どうぞお気を付けください」
いつの間にかアモーラに対する幸助の言葉遣いは丁寧なものとなっていた。
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