大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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最終章 今こそ復讐の時

第二十四話 これにて復讐は終わり!幸助とメアリーは平和に暮らしたとさ!

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 コウスケさんが飛んで行った灰色の雲がかかった空を見上げ続けて早数分。突如として中心をから爆発するように消えていった灰色の雲の先からオレンジ色の太陽に照らされた空が露わになった。

 雲一つなくなってしまったオレンジ色の空に黒い点が2つ見えた。横にいたアメリアちゃんに頼まれて視力強化を施し目を凝らす。すると──────

「コウスケさん・・・コウスケさんだ・・・!」

 黒い2つの点の正体は勿論如くコウスケさんだった。もう一方は女神アモーラ。コウスケさんとは身体中ボロボロで負けた事がはっきりと分かる。コウスケさんの勝利。それが分かった瞬間、私とアメリアちゃんは飛び跳ねて喜んだ。

 地上にゆっくりと降りてくる2人。次第に他の人の目でも見えるようになってくると、冒険者、兵士、騎士の方たちは肩を抱き合いながら雄叫びを上げて喜んだ。

「すげぇ!!神様に勝っちまった!すげぇ!」「おいおい、これ歴史の書に乗る大出来事じゃねぇの?」「異世界人マジパネェ!!」

 歓喜の声を上げる中、コウスケさんはワイバーンさんと共に地上へと降り立つ。ワイバーンさんにお礼を述べると、私達の方へと向かってくる。私の目の前に立ったコウスケさんは笑みを浮かべて喋った。

「・・・ただいま!」

 たった一言だけの簡潔的な挨拶。死ぬか死なないか心配していた人に対しての挨拶ではないと私でも分かります。ですが、その挨拶が何よりも嬉しかったです。今まで美味しい物を食べてきたり、お祭りに参加したり、仲間と一緒に戦ったりと楽しい事でいっぱいでしたが、それらの上回る幸福感が私を包みました。


 コウスケさんが帰って来た。もう二度といなくならないで欲しい。ずっと私の隣にいて欲しい。そんなわがままな感情が頭を中を飛び回る。すると、コウスケさんは私のわがままを受け入れるかのようにダイナミックハグをした私を抱き返してくれた。彼の手の平の温かさがじんわりと伝わってくる。

「嘘でも言って欲しかった・・・嘘でも約束してほしかったです。絶対帰ってくるって・・・」

「約束しようと思ったんだけど、約束したら本当に死んじゃいそうで言いたくなかったんだよね」

「死亡フラグというやつだね。とにかくおかえりコウスケ。君が無事に帰ってきてくれたお陰でジースト王族の血統は無事続く事が確定したよ」

「ハハハハ・・・どうかお手柔らかに」

 コウスケさんとアメリアちゃんが話をしているので、私は抱き着きながらアモーラの方を見る。アモーラもラヴさんと、私とコウスケさんのように互いに抱き寄せあっており、アモーラはラヴさんに謝罪の言葉を述べていた。

「ごめんなさい、ラヴ・・・私は貴女に許されざる事をしてきました。許して欲しいとは言いません。どうか謝罪をさせて下さい」

「ええ、ええ。どうぞして下さいませアモーラ様。そして私の事はどうか気にしないで下さい。私は貴女が元に戻っただけでとても嬉しいのですから」

 私達以上に酷い目に合っていたはずのラヴさんはあっさりとアモーラを許していました。何て心の広い人なのだろうかと感心してしまいます。私だったら到底許す事が出来ません。ピピンに両親を殺される遠因になったアモーラが許せないのだからきっと・・・。

 じっと見つめていると、私の視線に気が付いたのでしょうか。アモーラが此方を見ながらい指を指してきています。一体何をしているのでしょうか。

「止めなさい!!」

 止めろって、ハグの事を言っているのでしょうか。いや、そもそもアモーラに私とコウスケさんのハグを止めさせる権利何て無いし、ハグを止めろなんて言ってくるとは思えない。では、何に対して止めろと言っているのだろう。

「メアリー、すまん」

「えっ?ちょ──────」

 軽く一言謝罪を述べると、180度回転し両手を離して私を両手から手放した。何故?その理由は私のお尻が地面についた時に分かりました。

 グシャッ!肉が斬られる音と共に私の顔に大量の血がかかりました。ごとりと重量感のある音を立てて地面に落ちる盾を握った左腕。苦悶の表情を浮かべながら激しい出血を起こす左肩を抑えるコウスケさん。そして、その後ろには右目のない騎士風の男。

「おい!邪魔すんじゃねぇよ!このクソ異世界人が!!お陰で一撃で仕留められなかったじゃねぇかよ!!」

 蹲るコウスケさんを蹴る男。攻撃的で荒々しい口調。以前会った時と比べると随分と品が無くなっているが、声色は変わっておらず、金色の穴空き鎧も何処からか奪ってきたのか着用している。

 男は私の方を見ると、限界まで口角を上げて気持ち悪い笑みを浮かべた。

「おい!久しぶりだな!メアリー・メイウェザー!!俺だよ!俺!勿論覚えているよなぁ!俺の名前!俺の名前を言え!メアリー・メイウェザー!!」

 男は己の名前を呼ぶことを要求してくる。私は唇を震わせながら答えた。

「ピピン・アルベール・・・」

 運命はどうして私の愛する人を奪おうとするのだろうか・・・。
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