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1章 投げる冒険者
41話 冒険者たれ
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「魔物になる技術・・・錬金術師ならあり得そうだな」
錬金術、前世では卑金属を貴金属に人の手によって変える技術の事。当たり前だが、そんな事は不可能である。
この世界にも、錬金術というものは存在する。しかし、前世の世界と違って魔法が存在するからか、同じ名前でも意味が違っている。魔法を理論的に考えて新たな解釈や現象を発見するのがこの世界の錬金術だ。
前世の世界の職業で例えるならば、科学者に限りなく近い。そして、錬金術を学ぶ者を皆錬金術師と呼ぶ。
「人語を喋って、ファルコを認識していた。そして、今までの動向から考察するにライの可能性が出てきたな。失踪してから1ヶ月が経過しているし」
「はい」
「衝撃的な話だが・・・君はそれを知ってどう思った?」
「どう思ったというと?」
「殺したくないと思ったか?助けてあげたいと思ったか?逃してあげたいと思ったか今あげた3つの感情を1ミリでも抱いてしまったか?」
抱いていないと答えれば嘘になる。一瞬だが、助けてあげたいと思ってしまった。何も役に立っていなかったとはいえ、元はこちらの仲間なんだから。
「後天的な理由で人間が魔物になる事例自体はそんなに珍しい事ではない。例えば、ゾンビとかな。俺も冒険者やってる頃は良く仲間だったゾンビを刺し殺してたよ。それはなんでだと思う?」
「仲間を弔う為?」
「それも理由のうちの1つだ。しかし、俺が最初に思い浮かんだ殺す理由はこれだった。『こいつらに人を殺してほしくない』だ。人を救うはずだった人間に人を殺してほしくない。その思いから元仲間を殺した」
ゾンビとなれば、自我を失い、生者を喰らうバケモノと化す。その強さは、生前の強さに依存するという。冒険者がゾンビと化せば、その被害は甚大だろう。
「さあ、この話を聞いてどう思った?それでも、ライらしきグリフォンを殺したくないか?」
「・・・いえ、殺します」
「それはなんでだ?」
「これ以上、被害者を増やさない為にです」
「よく言った。それこそが、冒険者の仕事だ。たった1ヶ月でそこまで成長してくれて嬉しく思うよ」
そう言うマックスオーナーの表情は、まるで雨が降る前の空のように曇っていた。本当は彼も、救いたかったのだろう。我慢したのだろう。無理だと気づいて、仕方のない事だと言い聞かせて。
「ファルコ、グリフォンの動きが止まった。ここから50kmくらい離れてる。動く気配もない」
「良し、では馬を貸そう。死なないでくれよ?」
オーナーと堅い握手を交わすと、魔法の地図を頼りに馬で走り出した。
錬金術、前世では卑金属を貴金属に人の手によって変える技術の事。当たり前だが、そんな事は不可能である。
この世界にも、錬金術というものは存在する。しかし、前世の世界と違って魔法が存在するからか、同じ名前でも意味が違っている。魔法を理論的に考えて新たな解釈や現象を発見するのがこの世界の錬金術だ。
前世の世界の職業で例えるならば、科学者に限りなく近い。そして、錬金術を学ぶ者を皆錬金術師と呼ぶ。
「人語を喋って、ファルコを認識していた。そして、今までの動向から考察するにライの可能性が出てきたな。失踪してから1ヶ月が経過しているし」
「はい」
「衝撃的な話だが・・・君はそれを知ってどう思った?」
「どう思ったというと?」
「殺したくないと思ったか?助けてあげたいと思ったか?逃してあげたいと思ったか今あげた3つの感情を1ミリでも抱いてしまったか?」
抱いていないと答えれば嘘になる。一瞬だが、助けてあげたいと思ってしまった。何も役に立っていなかったとはいえ、元はこちらの仲間なんだから。
「後天的な理由で人間が魔物になる事例自体はそんなに珍しい事ではない。例えば、ゾンビとかな。俺も冒険者やってる頃は良く仲間だったゾンビを刺し殺してたよ。それはなんでだと思う?」
「仲間を弔う為?」
「それも理由のうちの1つだ。しかし、俺が最初に思い浮かんだ殺す理由はこれだった。『こいつらに人を殺してほしくない』だ。人を救うはずだった人間に人を殺してほしくない。その思いから元仲間を殺した」
ゾンビとなれば、自我を失い、生者を喰らうバケモノと化す。その強さは、生前の強さに依存するという。冒険者がゾンビと化せば、その被害は甚大だろう。
「さあ、この話を聞いてどう思った?それでも、ライらしきグリフォンを殺したくないか?」
「・・・いえ、殺します」
「それはなんでだ?」
「これ以上、被害者を増やさない為にです」
「よく言った。それこそが、冒険者の仕事だ。たった1ヶ月でそこまで成長してくれて嬉しく思うよ」
そう言うマックスオーナーの表情は、まるで雨が降る前の空のように曇っていた。本当は彼も、救いたかったのだろう。我慢したのだろう。無理だと気づいて、仕方のない事だと言い聞かせて。
「ファルコ、グリフォンの動きが止まった。ここから50kmくらい離れてる。動く気配もない」
「良し、では馬を貸そう。死なないでくれよ?」
オーナーと堅い握手を交わすと、魔法の地図を頼りに馬で走り出した。
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