42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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3章 平和主義者達

100話 バイバイは言わない

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 1ヶ月後。

 待ちに待った移籍の日がやってきた。目の前には2年間お世話になったスノーテイルズの皆、後ろにはゲリットの住民が俺の見送りに来てくれている。

 そして、ヘリナ先輩は──────。

「やだやだやだやだ!!離れたくない!!ずっと一緒にいたい~!!」

 やはり駄々を捏ねていた1ヶ月かかっても踏ん切りがつかなかったらしい。

「ファルコ、俺の分まで頑張れよ」

「ヘリナちゃん、その大剣でバッサバッサ切ってきてね!」

「はいっ!!」

「はぁい・・・」

 長い期間いたせいか、去るのがとても名残惜しい。できるなら、ずっといたい。

 ヘリナ先輩ともいたい・・・。

「ヘリナ先輩・・・」

「なに?・・・へ?」

 足に抱きつくヘリナ先輩を持ち上げ、まるでぬいぐるみにハグするように彼女を抱きしめた。ヘリナ先輩から抱きつかれる事は何度かあったが、俺からハグしたのは初めての事だった。

「ひゅー・・・やるじゃん」

「アナタ、揶揄わないのっ!」

「仲良しそうで何よりだ・・・さて、2人とも、そろそろお別れの時間だ」

 町の外には、馬車が2台待っている。1つはガーディアンズのある中央都市行き。そしてもう1つはレボルスのあるトルネヒロという町行きの馬車だ。

「それじゃあ、2人とも、良い報告を待っているよ」

「「ありがとうございました・・・」」

 差し出してきたトレッドオーナーの手をガシリと握り返す。トレッドオーナーは嬉しそうにする反面、どこか申し訳なさを感じているような表情を浮かべていた。

「・・・気にしないで下さい」

「いずれアタシ達はまた一緒になるんだから」

 皆に手を振り別れを告げ、各々の向かう先の馬車に乗る。

「ファルコ・・・アンタに会えて本当に良かった。ファーマーズに来てくれてありがとう。スノーテイルズについてきてくれてありがとう。アタシを認めてくれて、ありがとう。またね」

「また、会いましょう」

 バイバイは言わない。また会うんだから。近いうちに必ず。

 馬車に乗ると、先客が先に入っていた。俺と同じ、レボルスに移籍する冒険者だろうか?顔を隠しているので年齢はわからないけど、ガタイ的に男だろう。

 俺と同じぐらいのガタイの良さをしている。ローブから露出しているブーツは使い古されており、年季を感じる。

「相棒とのお別れは済んだか?ファルコ」

 先客の喉から聞き覚えのある声が聞こえてきた。俺の心を落ち着かせてくれる懐かしい声。

 この声を聞いたのは3年以上前だ。しかし、脳がしっかりとその声を覚えていた。

「父さん・・・?」

「立派になったな、ファルコ」

 イーグル・ブレイヴ。俺の父さんだった。
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