42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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3章 平和主義者達

103話 トルネヒロ

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 町は、表向きが戦争の最前線の休憩場な為か、家自体は泥を固めた物になっているが、規模は大きく、端から端まで走るのに1時間はかかるだろう。

「広いな・・・」

「広いだろ。俺はギルドまでの道を覚えるのに5ヶ月かかった」

 父さんは天性の方向音痴なので頼りにならない。だって、実際に入口からでもギルドは見えるのだから。

「レボルスの前のギルド名はグラディエーターズだっけ?」

「ああ、表向きはな。実際はグラディエーターズの面影も残ってない。今のオーナーが魔族と呼ぶやつを全員移籍させたからな」

 カートライトは魔族排除主義の国。国民の99%が魔族を邪神の眷属だと考えている。一体どのくらい冒険者を移籍させたのだろうか?

 俺と同じ平和解決主義者の探し方は簡単だ。だって、この町にはベルム族がいるのだから。俺みたいに見出されたのだろう。

「イーグルさんおかえり!!その若いのが息子さんかい?」

「おう!!ガタイ良いだろ?カッコいいだろ?」

 楽しそうに話す父さんとベルム族の商人。俺らがみるのは、戦士のベルム族ばかりなので、彼のような非戦闘員のベルム族をみるのは初めてだ。

 当たり前だが、ベルム族も穏やかな表情を浮かべるんだな・・・。

「この町にベルム族は何人いるの?」

「前数えた時は88人。カートライト人は74人だ」

 ほぼ差は無いけど、若干ベルム族の方が多いのか。

「じゃあ、ギルドは?」

「五分五分だな。それと、ファルコを紹介してくれたも最近在籍してるぞ」

「えっ!?ナックルが!?冒険者として登録できたんですか?」

 ベルム族であるナックルがカートライト人の冒険者ギルドに登録しているという事はつまり、偽造していることになるが、そんな事が可能なのか?

「ファルコ、おかしいとは思わなかったのか?国に反逆してる少数派である俺達が陰でこそこそながら活動していることに」

「つまり、お偉いさんの中にも俺達と同じ考えの人がいるってこと?」

「そういう事。因みにレボルスになってから8年も経っている」

 割と歴史があることに驚く。何故、これまで誰も気づかなかったのだろう。こんなにもベルム族が堂々と外にでているのに・・・。

「ここは最前線だぞ?そう滅多に人はこないさ。それに、来たとしても見た目を偽る方法はいくらでもある。何も問題はないのさ」

 魔族はカートライト人も知らない魔法が使える。異空間を切り裂き、物を収納できる魔法もあるのだから、姿を変える魔法だってきっとあるだろう。

「そして、ここがA級ギルド『レボルス』だ!皆良いヤツだし、お前の事は話してあるから安心して入りな」

「分かった・・・よいしょっと!」

 重い扉を開けて、ギルド内に入る。薄暗いギルドの中に入ってきた俺をまず出迎えたのは─────。

「死ねぇぇ!!」

 火球という名の殺意だった。
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