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5章 紛い物の神
223話 開廷
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「ヘリナ・フリック氏、前へ」
「はい」
ヘリナ先輩が証言台に立つ。
「弁護人」
「はい、私はヘリナ・フリック氏の無罪を主張します」
「検察側」
「業務上過失致死罪に該当する事を主張します」
殺人罪ではなく、あくまで業務上過失致死罪を検察側は主張。この世界には司法の公平がしっかりと存在しているみたいだ。
「貴女は、1ヶ月前までA級ギルドガーディアンズに所属。町を防衛する職務に就いていた。これで間違いないでしょうか?」
「はい、間違いありません」
「その過程でアレクサンダー軍の諜報員4名を殺害。それで間違いないでしょうか?」
「はい・・・」
「ふむ・・・では、何か弁護側からはありますか?」
「はい。彼女は確かに我が国の諜報員4名を殺害しました。紛れもない事実です。しかし、彼女は殺害時、人を操り人形のようにする魔法『マリオネットダンス』がエンチャントされた剣を使用しており、彼女の意思はありませんでした。今日は、その剣を持ってきていますので、どうぞお確かめください」
白い布に包まれた台座が証言台よりも前に出される。白い布を剥がすと、禍々しい色の使い物にならない黒い剣が現れた。マリオネットダンスの剣だ。回収しておいて本当に良かった。
「こちらに魔法鑑定士の鑑定結果もございます。柄からはヘリナ・フリック氏の指紋も検出されています」
「ふむ、偽造ではないみたいですね」
この時代にまさか指紋の概念が存在するとは思わなかった。しかし、俺の知る指紋とはちょっと違うのだろう。
「検察側からは何かございますか?」
「はい。確かに彼女は操られていた。彼女の相棒であるファルコ・ブレイヴ氏からも、ドゥーク・ドラゴム軍曹からも証言は頂いているので間違いはないでしょう。しかし、操られていたのはその剣を握っていた時のみのはずです。違いませんか?」
「はい、その通りです」
「では、その黒い剣の力は知っていましたか?」
「・・・知ってました」
素直に答えるヘリナ先輩。嘘をつく事も可能だが、裁判長は読心魔法を使用している為、口から出まかせの嘘は反省の色なしと捉えられてしまう可能性があるらしい。
その事を事前に聞いていたのであろうヘリナ先輩は嘘偽りなく答えたんだろう。
「弁護側は恐らく、制御能力の欠如による心神喪失から無罪を主張しているのでしょうが、彼女は黒い剣の性質を知っていた。にも拘わらず、剣を手に取った。これは、自ら制御能力を放棄したと見て取れるのですが・・・そこの所はどうなんでしょうか?」
検察側も本気らしい。
「はい」
ヘリナ先輩が証言台に立つ。
「弁護人」
「はい、私はヘリナ・フリック氏の無罪を主張します」
「検察側」
「業務上過失致死罪に該当する事を主張します」
殺人罪ではなく、あくまで業務上過失致死罪を検察側は主張。この世界には司法の公平がしっかりと存在しているみたいだ。
「貴女は、1ヶ月前までA級ギルドガーディアンズに所属。町を防衛する職務に就いていた。これで間違いないでしょうか?」
「はい、間違いありません」
「その過程でアレクサンダー軍の諜報員4名を殺害。それで間違いないでしょうか?」
「はい・・・」
「ふむ・・・では、何か弁護側からはありますか?」
「はい。彼女は確かに我が国の諜報員4名を殺害しました。紛れもない事実です。しかし、彼女は殺害時、人を操り人形のようにする魔法『マリオネットダンス』がエンチャントされた剣を使用しており、彼女の意思はありませんでした。今日は、その剣を持ってきていますので、どうぞお確かめください」
白い布に包まれた台座が証言台よりも前に出される。白い布を剥がすと、禍々しい色の使い物にならない黒い剣が現れた。マリオネットダンスの剣だ。回収しておいて本当に良かった。
「こちらに魔法鑑定士の鑑定結果もございます。柄からはヘリナ・フリック氏の指紋も検出されています」
「ふむ、偽造ではないみたいですね」
この時代にまさか指紋の概念が存在するとは思わなかった。しかし、俺の知る指紋とはちょっと違うのだろう。
「検察側からは何かございますか?」
「はい。確かに彼女は操られていた。彼女の相棒であるファルコ・ブレイヴ氏からも、ドゥーク・ドラゴム軍曹からも証言は頂いているので間違いはないでしょう。しかし、操られていたのはその剣を握っていた時のみのはずです。違いませんか?」
「はい、その通りです」
「では、その黒い剣の力は知っていましたか?」
「・・・知ってました」
素直に答えるヘリナ先輩。嘘をつく事も可能だが、裁判長は読心魔法を使用している為、口から出まかせの嘘は反省の色なしと捉えられてしまう可能性があるらしい。
その事を事前に聞いていたのであろうヘリナ先輩は嘘偽りなく答えたんだろう。
「弁護側は恐らく、制御能力の欠如による心神喪失から無罪を主張しているのでしょうが、彼女は黒い剣の性質を知っていた。にも拘わらず、剣を手に取った。これは、自ら制御能力を放棄したと見て取れるのですが・・・そこの所はどうなんでしょうか?」
検察側も本気らしい。
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