42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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5章 紛い物の神

230話 登山準備完了

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 次の日の昼前に、ナックルの叔父に当たる登山家のベルム族の男性に会いに行った。

 さすがはナックルの親戚と言うべきだろうか。とても話がわかる人で、スムーズに交渉が進み、登山のノウハウを教えてくれた。

 練習期間は1ヶ月。体に叩き込む為に少し長めに期間を設けた。

 父さんもヘリナ先輩も、その期間だけは冒険者を休職して俺と一緒に登山の練習もした。ナックルも、ザラ王女を説得して2週目から参加した。

 練習の合間を縫って、登山に必要な道具を買い集める。時代が時代なので、俺が前世で見た登山道具とは質は圧倒的に劣っているが、身を任せるには十分なクオリティの物ばかりだ。

 食料は燻製や、パンの他にビスケットやクッキーなどのお菓子も用意する。少ない量でカロリーを摂る為らしい。

 この時の食材選びは、なるべく水分を含まない物を選んでいる。エンゼルマウンテンの気温はどんな生物すらも生息できないレベルなので、りんごなどの果物を持ち運んだらカチカチに凍ってしまうらしい。

 となると必然的に飲み物も持っていけなくなる。この時代に保温ボトルなんて存在しない。

 なので、水は魔法で現場調達する。雪を食べればいいのでは?と思ったけれども、登山において雪を食べるのは、病気につながるらしいので御法度らしい。

 火で熱して溶かせば危険は低くなるらしいけれども、ゼロにはならないらしいので、安全な水を作れる水の魔法を使う事にする。

 そして、1ヶ月の厳しい登山練習が終わった。1ヶ月前まで登山のとの字もなかった俺だが、今ではすっかり体に染み付いてしまっている。

 できるだけ体力を保つ為に最西端行きの馬車も用意した。今は馬車の前で、一緒に登山をする仲間を待っている。

 まずはヘリナ先輩だが、すでにいる。何なら一緒にきた。

「エンゼルマウンテン・・・スノーテイルズのあった北の地域よりも寒いのかな?」

「生物が生きられないくらいですし、比べ物にならない寒さなんでしょうね・・・あ、父さんとナックルだ」

 手を振ってこちらの方へと歩いてくる。服装も道具も準備は万端らしい。

「悪い悪い。荷物も詰めてたら遅れちまった」

「僕も同じです・・・」

「大丈夫だよ、全然間に合ってるから。それじゃあ、行こうか」

 馬車を幌をくぐり、馬車の中に入る。その中に、なぜか登山フル装備のドゥークがいた。頬を赤ながら、とても恥ずかしそうにしている。

 1ヶ月前はあんな事を言ってはいたけれども、なんだかんだで俺達を放っておけなかったんだろう。

「ドゥーク、お前のそういうところ嫌いじゃないぞ」

「うるさいっ!早く行くぞ!!」

 緊張が滞る空気に、その緊張ほぐすようないい空気が入ったような気がした。
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