42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

文字の大きさ
234 / 341
5章 紛い物の神

235話 洞穴での休憩

しおりを挟む
「ファルコォォォォォォォォォォォォ・・・あれ?いた」

「あ、すいません。ラッキーで生きてました」

 神様に近づいているからなのだろうか、運が良い。まさか、休めそうな洞穴まで見つけられるとは思わなかった。

 洞穴の中なら、吹雪の影響は受けずに火を起こせる。凍傷寸前の体を温める事ができる。

 すぐに俺は皆んなを呼び、洞穴の存在を教え、みんなで暖を取ることを提案。当たり前だが、皆んな賛同してくれた。

「『フレイム』」

 寒い洞穴に暖かい炎が灯る。異空間に薪木を入れておいて本当によかった。

 体の表面を覆っていた氷が溶けるように、体が温まっていく。朦朧だった意識も明快になっていった。

「それにしても、ラッキーだったな。落ちた先に足場がなきゃ死んでたぞ、ファルコ」

「ごめん父さん。ヘリナ先輩もごめんなさい。だからさ、俺の服に鼻水垂らすのやめてくれない?」

「だっでぇ!!次こそはほんどうにじんじゃっだんだとおもっだんだもん!!」

 涙と鼻水でぐしゃぐしゃのヘリナ先輩の顔を拭う。結果よければ全てよし。今までの自分の行いに感謝しなければ。それと、少なくとも今年の分の運は使ったような気がするので、危険な行為に出るのはやめておこう。

「ここなら、食材だしても問題ないんじゃないのか?」

「そうだな。ファルコ、酒はあるか?」

「あるわけないでしょ。水だって持ってきてないのに」

 異空間からコップを取り出し、皆んなに渡す。

「『ウォーター』」

 水の魔法で、コップの中に水を注ぐ。焚き火の前だと言うのに、入れた瞬間、凍り始めた。こうなるんだったら、温水を出す魔法を覚えておけばよかった。

 空だった腹に携帯食がゆっくりと入っていく。お腹が満たされるとまた、眠たくなってくるが、これは良い意味での睡魔だ。

「とりあえず休めたのは本当に良かった。けど、ここからどうする?この洞穴に入る前に頂上への道を見てみたが、絶壁しかなかったぞ」

「氷の魔法で梯子を作るとかは?」

「良い案だが、誰か梯子を作れるくらい器用な奴はいるか?ちなみに私はできるが、精々が10mだ。魔力と集中力がもたん」

 魔法は便利だが、万能ではない。魔法で実用的な物を作ろうとしたら、それなりに魔力を消費する。威力を上げたり範囲を広げる方が魔力消費は少ないかもしれない。

 なので、ドゥークが言っている事は決して過剰表現ではない。

「じゃあ、絶壁登るしかないのか・・・しんどい」

「あーあ!!何で神様は僕たち人間にこんな過酷な試練を与えたんでしょうねーー!!」

 文句に近いナックルの叫び声は、洞穴の奥まで響き渡った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界修行の旅

甲斐源氏
ファンタジー
何事にも無気力な少年が雷に打たれて死んだ。目の前に現れた神様に奈落へと落とされてしまう。そこでの修行は厳しく、何度も死んでも修行は続いた。そして、修行の第1段階を終えた少年は第2段階として異世界に放り込まれる。そこで様々な人達と出会い、成長していくことになる。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...