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5章 紛い物の神
250話 神へと続く扉
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「あそこ、見えるかしら?あの真上にある雲の上に神様はいらっしゃるわ」
連れてこられたのは、だだっ広い天界の中央。誰もいないので、何かあるのだろうとは思っていたが、ここにではなく、真上にあるとは思わなかった。
しかし、上に行く為の肝心のハシゴや階段がない。ジャンプしても到底届きそうにない高さだ。
と疑問に思っていたが、ついつい人間スケールで物事を考えてしまっていた。天界は本来人間はおらず、天使が暮らす世界だ。そして、その天使の背中には白い鳩の翼よりも美しい翼が生えているのだから。
「えぇ・・・また抱きしめられなきゃいけないわけ・・・」
「今回は別に危険な場所を飛ぶわけじゃ無いから腕を掴むだけでも良いぞ」
「それはそれで嫌だ。ファルコ」
「はいはーい」
ヘリナ先輩を抱きしめて、ルイスに抱きしめられる。全員ホールドされると、ルイスは今度はゆっくりと上空へと上がり始めた。
「天使達はどのくらいの頻度で神様に会うの?」
「不定期なので、頻度などは分からない。ちなみに私が最後に会ったのは生まれ落ちた時だ。つまりは2300年前に当たる」
「自分の主なのにそんなに会わないんですか?」
「ええ、あのお方はとても忙しいの。だから、本当に緊急事態以外は話しかけちゃダメ。そう決めているの」
神の仕事・・・どういう仕事なのかは分からないが、俺達人間が考えられるハードワークの域を軽々と超えているんだろう。
「着いたぞ」
上空の雲に到着、こちらも他の雲と同様にしっかりと足場の役割を果たしている。
しかし、肝心の神がいない。見渡すが、それらしき影もない。キョロキョロと周りを見渡していると、ルイスは何も無い場所を純白の羽でそっと撫でてみせた。
すると、天界への門の時のように壁画のような紋様が浮かび上がる。今度は祈りを捧げる人間だった。
紋様はまるで人間のように動き始め、手に持っていた玉のような物を宙に貼り付け、再び祈りのポーズを取る。
ルイスが付けられた玉を捻ると、紋様は扉となり、開いた。玉の正体はドアノブだったらしい。
「良し・・・行くぞ。失礼します」
何でだろう。この世で最も偉大で崇めるべき存在が目の前の扉の先にいるというのに、話がとんとん拍子で進んでしまってまるで実感がない。
もっと、厳しいセキュリティが貼られているのかと思った。
しかし、俺とヘリナ先輩以外は緊張しているようで、特にドゥークの緊張度合いがヤバい。まるでエンゼルマウンテンを登っている時のように歯をガチガチと慣らしながらまだかまだかと待っている。
扉の先は光に包まれていて全貌がよく見えない。目を瞑りながら、中へと進んでいくと、そこには俺達と何ら背丈の変わらない見た目は普通の男が胡座をかいていた。
状況的に、目の前にいる普通の男こそが神、なのだろう。しかし、俄かには信じがたい。神というのは完璧な存在ではなかったのか?完璧な存在のはずなのに何故、体のあちこちがひび割れているんだ・・・?
連れてこられたのは、だだっ広い天界の中央。誰もいないので、何かあるのだろうとは思っていたが、ここにではなく、真上にあるとは思わなかった。
しかし、上に行く為の肝心のハシゴや階段がない。ジャンプしても到底届きそうにない高さだ。
と疑問に思っていたが、ついつい人間スケールで物事を考えてしまっていた。天界は本来人間はおらず、天使が暮らす世界だ。そして、その天使の背中には白い鳩の翼よりも美しい翼が生えているのだから。
「えぇ・・・また抱きしめられなきゃいけないわけ・・・」
「今回は別に危険な場所を飛ぶわけじゃ無いから腕を掴むだけでも良いぞ」
「それはそれで嫌だ。ファルコ」
「はいはーい」
ヘリナ先輩を抱きしめて、ルイスに抱きしめられる。全員ホールドされると、ルイスは今度はゆっくりと上空へと上がり始めた。
「天使達はどのくらいの頻度で神様に会うの?」
「不定期なので、頻度などは分からない。ちなみに私が最後に会ったのは生まれ落ちた時だ。つまりは2300年前に当たる」
「自分の主なのにそんなに会わないんですか?」
「ええ、あのお方はとても忙しいの。だから、本当に緊急事態以外は話しかけちゃダメ。そう決めているの」
神の仕事・・・どういう仕事なのかは分からないが、俺達人間が考えられるハードワークの域を軽々と超えているんだろう。
「着いたぞ」
上空の雲に到着、こちらも他の雲と同様にしっかりと足場の役割を果たしている。
しかし、肝心の神がいない。見渡すが、それらしき影もない。キョロキョロと周りを見渡していると、ルイスは何も無い場所を純白の羽でそっと撫でてみせた。
すると、天界への門の時のように壁画のような紋様が浮かび上がる。今度は祈りを捧げる人間だった。
紋様はまるで人間のように動き始め、手に持っていた玉のような物を宙に貼り付け、再び祈りのポーズを取る。
ルイスが付けられた玉を捻ると、紋様は扉となり、開いた。玉の正体はドアノブだったらしい。
「良し・・・行くぞ。失礼します」
何でだろう。この世で最も偉大で崇めるべき存在が目の前の扉の先にいるというのに、話がとんとん拍子で進んでしまってまるで実感がない。
もっと、厳しいセキュリティが貼られているのかと思った。
しかし、俺とヘリナ先輩以外は緊張しているようで、特にドゥークの緊張度合いがヤバい。まるでエンゼルマウンテンを登っている時のように歯をガチガチと慣らしながらまだかまだかと待っている。
扉の先は光に包まれていて全貌がよく見えない。目を瞑りながら、中へと進んでいくと、そこには俺達と何ら背丈の変わらない見た目は普通の男が胡座をかいていた。
状況的に、目の前にいる普通の男こそが神、なのだろう。しかし、俄かには信じがたい。神というのは完璧な存在ではなかったのか?完璧な存在のはずなのに何故、体のあちこちがひび割れているんだ・・・?
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