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1章 就職!異世界の門日本支部!
4話 ブラック確定
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「我ながら最低だと思うわホント!遅刻した原因は本部とオレにあるから、遅刻した罰は無いし、その分のお給料はもらえるから安心して!!」
「あ、ありがとうございます・・・ところで、貴方は?」
「ん?オレ主任。ここの門のリーダー。よろしく~」
「主任!?失礼しました!!よろしくお願いしますっ!!」
軽い口調に若い容姿で全く気づかなかった。主任というぐらいだから、40代後半のおじさんだと勝手に想像していた。
「ああ、そんなに畏まらなくて良いよ大した人間じゃないからオレ。それよりも、ここに来る時にヘルファイガー見なかった?」
「見ました。俺・・・僕が見た時は門番2人と交戦してましたね」
「だとすると、あと少しで帰ってくるかな・・・ここまでどうやって来たの?警察が道塞いでるはずだけど」
「電柱登って来ました。遅刻しそうだったので!結果的には遅刻してましたが!!」
「もしかして、まだ遅刻の事根に持ってる?ごめんって・・・それにしても電柱伝ってとはやるねぇ!!かなりイカしてる!門番になるヤツはそうでなくっちゃ!!」
門番という仕事柄から厳しい上司を想像していたこともあってか、調子が狂う。ラフに接するべきか、しっかりと上司として敬って接するべきか。
迷っていると、後ろの方から焦げた匂いが漂ってきた。肉を焼いた時のような良い匂いではなく、化学繊維などを焼いた時のような有害な匂い。
ちょっと癖になりそうな匂いを辿り、後ろを振り向くと、住宅街の方角から生き物の死体を荷車に乗せて2人の門番が門の方へと向かって来ていた。
ヘルファイガーの死体だ。通勤の際に見たヘルファイガーと門番2人に間違いない。
主任も気づいたようで、門番2人に向かって手を振る。
「お疲れ様~!!2人とも無事ー?」
安否の確認に反応するように、背の高い男性の門番が満面の笑みで手を振る。小さい女性の門番はコクりと縦に頷いただけで済ませる。
門番2人は死体を主任から数十m離れた先で荷車から下ろすと、急いで主任の前へと立ち、敬礼した。
「門から現れたヘルファイガーの処理、完了しました!」
「ご苦労様。被害は?」
「足場のコンクリートが少し砕けただけで、建物にも一般人にも警察官にも被害はありません」
「最小限に抑えられたみたいだね!お疲れさん!」
事後報告を終えると、2人は俺の方を見てくる。当たり前だが、気になるよな・・・。
「主任!こちらの方が初日からの遅刻魔ですか?」
「・・・たるみすぎでしょ。リオ人の中でも最低の部類ね」
なんとなく予想はしていたが、遅刻したと認識されているようだ。主任に目配せすると、咳払いを一回。自分と本部のミスであり、俺には過失が無いことを説明してくれた。
「成る程!またミスだったんですね!!僕はてっきり不真面目な同僚だとばっかり・・・」
・・・また?
「騙された方も悪いんじゃないの?」
・・・会う前から上司を疑えるわけないでしょうが。
「と!と言うわけで!今日からオレ達と一緒に働く事になりました!森山翡翠君でぇす!!これからしばらくの間この4人で頑張ろう!!」
「よろしくお願いします!!」
初っ端から大変な目に遭ったが、結果よければ全て良し。これから、死と隣り合わせの生活となるが、あの子達の助けになるなら俺はいくらでもこの体削ってみせる。
「ところで、他の人達はどこにいるんです?事前に渡された資料には夜勤含めて51人いると書いてあったんですが・・・」
辺りを見渡すが、俺達以外の門番はおろか、人っ子1人もいない。最低でもあと5人はいるはずなのだが。
「ああ、他のメンバー?いないよ。翡翠含めたオレら4人と、夜勤4人だけ」
「えっ!?それってどういう・・・」
「あんた・・・ニュース見てないの?」
「合格決まってから今日までジムに寝泊まりして鍛えてたから見てないや・・・」
「真面目だね!でも、外部の情報をシャットダウンするのは宜しくないね!」
「ご、ごめん・・・」
「実は、ちょっと前にとんでもなく強い魔物が現れて門番が死んだり大怪我しちゃったんだよね!無事だったのは僕含めた9人。うち4人は夜勤で、残り4人は件の魔物を追ってザナに出張中。だから、しばらくはオレら4人で頑張らなくちゃいけないって事!」
「・・・これって新人の度胸試しか何かですか?」
「いや、リアルでガチな人員不足」
「は、ははは・・・あははは・・・」
皆、俺の身はもしかしたら早めに削れ終えてしまうかもしれない。
「あ、ありがとうございます・・・ところで、貴方は?」
「ん?オレ主任。ここの門のリーダー。よろしく~」
「主任!?失礼しました!!よろしくお願いしますっ!!」
軽い口調に若い容姿で全く気づかなかった。主任というぐらいだから、40代後半のおじさんだと勝手に想像していた。
「ああ、そんなに畏まらなくて良いよ大した人間じゃないからオレ。それよりも、ここに来る時にヘルファイガー見なかった?」
「見ました。俺・・・僕が見た時は門番2人と交戦してましたね」
「だとすると、あと少しで帰ってくるかな・・・ここまでどうやって来たの?警察が道塞いでるはずだけど」
「電柱登って来ました。遅刻しそうだったので!結果的には遅刻してましたが!!」
「もしかして、まだ遅刻の事根に持ってる?ごめんって・・・それにしても電柱伝ってとはやるねぇ!!かなりイカしてる!門番になるヤツはそうでなくっちゃ!!」
門番という仕事柄から厳しい上司を想像していたこともあってか、調子が狂う。ラフに接するべきか、しっかりと上司として敬って接するべきか。
迷っていると、後ろの方から焦げた匂いが漂ってきた。肉を焼いた時のような良い匂いではなく、化学繊維などを焼いた時のような有害な匂い。
ちょっと癖になりそうな匂いを辿り、後ろを振り向くと、住宅街の方角から生き物の死体を荷車に乗せて2人の門番が門の方へと向かって来ていた。
ヘルファイガーの死体だ。通勤の際に見たヘルファイガーと門番2人に間違いない。
主任も気づいたようで、門番2人に向かって手を振る。
「お疲れ様~!!2人とも無事ー?」
安否の確認に反応するように、背の高い男性の門番が満面の笑みで手を振る。小さい女性の門番はコクりと縦に頷いただけで済ませる。
門番2人は死体を主任から数十m離れた先で荷車から下ろすと、急いで主任の前へと立ち、敬礼した。
「門から現れたヘルファイガーの処理、完了しました!」
「ご苦労様。被害は?」
「足場のコンクリートが少し砕けただけで、建物にも一般人にも警察官にも被害はありません」
「最小限に抑えられたみたいだね!お疲れさん!」
事後報告を終えると、2人は俺の方を見てくる。当たり前だが、気になるよな・・・。
「主任!こちらの方が初日からの遅刻魔ですか?」
「・・・たるみすぎでしょ。リオ人の中でも最低の部類ね」
なんとなく予想はしていたが、遅刻したと認識されているようだ。主任に目配せすると、咳払いを一回。自分と本部のミスであり、俺には過失が無いことを説明してくれた。
「成る程!またミスだったんですね!!僕はてっきり不真面目な同僚だとばっかり・・・」
・・・また?
「騙された方も悪いんじゃないの?」
・・・会う前から上司を疑えるわけないでしょうが。
「と!と言うわけで!今日からオレ達と一緒に働く事になりました!森山翡翠君でぇす!!これからしばらくの間この4人で頑張ろう!!」
「よろしくお願いします!!」
初っ端から大変な目に遭ったが、結果よければ全て良し。これから、死と隣り合わせの生活となるが、あの子達の助けになるなら俺はいくらでもこの体削ってみせる。
「ところで、他の人達はどこにいるんです?事前に渡された資料には夜勤含めて51人いると書いてあったんですが・・・」
辺りを見渡すが、俺達以外の門番はおろか、人っ子1人もいない。最低でもあと5人はいるはずなのだが。
「ああ、他のメンバー?いないよ。翡翠含めたオレら4人と、夜勤4人だけ」
「えっ!?それってどういう・・・」
「あんた・・・ニュース見てないの?」
「合格決まってから今日までジムに寝泊まりして鍛えてたから見てないや・・・」
「真面目だね!でも、外部の情報をシャットダウンするのは宜しくないね!」
「ご、ごめん・・・」
「実は、ちょっと前にとんでもなく強い魔物が現れて門番が死んだり大怪我しちゃったんだよね!無事だったのは僕含めた9人。うち4人は夜勤で、残り4人は件の魔物を追ってザナに出張中。だから、しばらくはオレら4人で頑張らなくちゃいけないって事!」
「・・・これって新人の度胸試しか何かですか?」
「いや、リアルでガチな人員不足」
「は、ははは・・・あははは・・・」
皆、俺の身はもしかしたら早めに削れ終えてしまうかもしれない。
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