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1章 就職!異世界の門日本支部!
23話 ドッペルゲンガー
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「ケケッ!!」
シャープの攻撃を予想していたのか、自ら体に穴を開けて、剣の月を避ける。
「うぉおおおおお!!」
諦めずに突いた状態で、剣を持ち上げ、腹部から頭を切り裂くが、霞を切っているようで肉を切った実感がない。
シャープは怒っていたが、同時にある程度の冷静さ持ち合わせていた。そのまま突進するように猛攻はせずに一旦引き、構え直す。
「ケケケッ!!」
腹から頭を切り裂かれていたドッペルゲンガーも、まるで粘土のようにくっついて斬られる前の姿に戻っていた。
「くっ!噂には聞いてた言うけど、物理攻撃が全く効かない」
ドッペルゲンガーは、霞のような影のような掴みどころのない存在。故に、武器を用いた物理攻撃は基本的に意味をなさない。
シャープもその事は重々理解しており、今の攻撃は試し切りの意味合いもあったようだ。
「ケシャアッ!!」
両腕を剣のように鋭くしたドッペルゲンガーは、シャープに対して猛攻を始める。
こちら側がドッペルゲンガーに触れられないのに対し、ドッペルゲンガー側は普通にこちらに触れることができる。なので、ドッペルゲンガーの攻撃はこちら側に通じてしまうのだ。
普通の刃なら、こちらも武器で弾いているが、ドッペルゲンガーは触らない為、避ける以外の方法は無い。いや、あと1つだけ触れることができる方法が残っている。
「『トゥエレ』!!」
シャープの口から防御魔術が唱えられると同時に、ドッペルゲンガーの一方的な猛攻がピタリと止む。否、受け止めたのだ。
「ケェッ!?」
「僕が何も知らないと思ったか?お前らドッペルゲンガーの事なんか、把握してんだよ!!」
ドッペルゲンガーを直接叩く方法、それは魔力である。どういう理屈かは未だに判明していないが、魔力を用いた場合、ドッペルゲンガーにダメージを負わせることができるのだ。
防御魔術を解くと、シャープは自分の剣に薄い魔力の膜に張る。これで彼の剣はドッペルゲンガーと斬り合う事ができるようになったのだ。
「ケケッ!?」
ドッペルゲンガーも自分が無敵でなくなったことに気づき、明らかに動揺し始める。しかしそんな事はシャープには関係ない。
一方的に攻められる立場が逆転し、ドッペルゲンガーにも表情はないが、若干の焦りが感じられる。
「このクソドッペルゲンガー!人間様を舐めないで欲しいな!!」
「グガ・・・ケケケェッ!!」
ドッペルゲンガーの強みは、物理攻撃を効かない事。それが事実上無くなった今、ドッペルゲンガーは、ただ体を変形させることができる。普通の魔物へと成り下がったのだ。
鋭利な腕は切断され、床に向かって仰向けに倒れたところを心臓に一突き。
「ケケ、ケ・・・」
無敵ではなくなったドッペルゲンガーは黒い塵となって、風に乗ってどこかへと消えていった。死体も血液も残っていない。全く以て謎の生き物だ。
「よく倒したねシャープ」
「はぁ・・・はぁ・・・ま、まあね・・・」
難民たちもよくぞ悲鳴をあげなかったものだ。自分たちが命の危機され晒されてたのに悲鳴の1つを上げないのはザナという過酷な環境で生活していたからだろうか。
俺に見つかった時は、あんなにも怯えていたのに・・・ん?なんで俺に怯えてドッペルゲンガーに怯えるどころか、声1つ上げなかったんだ?
ポケットの中に入れていたスマホがバイブ音を鳴らす。慌てて手に取ると、主任から電話かかってきた。すぐに通話を開始すると、主任は重々しい口調で俺に訪ねてきた。
『翡翠、今どこにいる?』
「シャープの家にいます。主任の言う通り、ドッペルゲンガーが難民になりすましていました。ですが安心してください。既にシャープが倒しています」
『そっか・・・なあ、難民は今何人いる?」
「ええと、24人ですがどうしたんですか?何か問題でも?」
『・・・今さっき、ザナ側から連絡が来た。リオに渡ろうとしていた難民24人と手伝っていた商人達を確保したと』
「「えっ・・・!!」」
『もう一度聞く。翡翠、今目の前に難民は何人いる?」
シャープにも聞こえるようにスピーカーにしていたからか、難民にもこの会話は聞こえていた。残された難民24人は無機質なロボットのように立ち上がり、薄気味悪い笑声を上げながら人の姿から、黒一色の不気味な姿へと変貌を遂げた。
「ヒスイ、ごめん。頼む・・・助けてくれ」
「勿論だとも。俺の友よ」
今まで抜かなかった刀を抜刀。こちらに無邪気な殺意と悪意を向けてくるドッペルゲンガー24体に向かってその刃を振り下ろした。
シャープの攻撃を予想していたのか、自ら体に穴を開けて、剣の月を避ける。
「うぉおおおおお!!」
諦めずに突いた状態で、剣を持ち上げ、腹部から頭を切り裂くが、霞を切っているようで肉を切った実感がない。
シャープは怒っていたが、同時にある程度の冷静さ持ち合わせていた。そのまま突進するように猛攻はせずに一旦引き、構え直す。
「ケケケッ!!」
腹から頭を切り裂かれていたドッペルゲンガーも、まるで粘土のようにくっついて斬られる前の姿に戻っていた。
「くっ!噂には聞いてた言うけど、物理攻撃が全く効かない」
ドッペルゲンガーは、霞のような影のような掴みどころのない存在。故に、武器を用いた物理攻撃は基本的に意味をなさない。
シャープもその事は重々理解しており、今の攻撃は試し切りの意味合いもあったようだ。
「ケシャアッ!!」
両腕を剣のように鋭くしたドッペルゲンガーは、シャープに対して猛攻を始める。
こちら側がドッペルゲンガーに触れられないのに対し、ドッペルゲンガー側は普通にこちらに触れることができる。なので、ドッペルゲンガーの攻撃はこちら側に通じてしまうのだ。
普通の刃なら、こちらも武器で弾いているが、ドッペルゲンガーは触らない為、避ける以外の方法は無い。いや、あと1つだけ触れることができる方法が残っている。
「『トゥエレ』!!」
シャープの口から防御魔術が唱えられると同時に、ドッペルゲンガーの一方的な猛攻がピタリと止む。否、受け止めたのだ。
「ケェッ!?」
「僕が何も知らないと思ったか?お前らドッペルゲンガーの事なんか、把握してんだよ!!」
ドッペルゲンガーを直接叩く方法、それは魔力である。どういう理屈かは未だに判明していないが、魔力を用いた場合、ドッペルゲンガーにダメージを負わせることができるのだ。
防御魔術を解くと、シャープは自分の剣に薄い魔力の膜に張る。これで彼の剣はドッペルゲンガーと斬り合う事ができるようになったのだ。
「ケケッ!?」
ドッペルゲンガーも自分が無敵でなくなったことに気づき、明らかに動揺し始める。しかしそんな事はシャープには関係ない。
一方的に攻められる立場が逆転し、ドッペルゲンガーにも表情はないが、若干の焦りが感じられる。
「このクソドッペルゲンガー!人間様を舐めないで欲しいな!!」
「グガ・・・ケケケェッ!!」
ドッペルゲンガーの強みは、物理攻撃を効かない事。それが事実上無くなった今、ドッペルゲンガーは、ただ体を変形させることができる。普通の魔物へと成り下がったのだ。
鋭利な腕は切断され、床に向かって仰向けに倒れたところを心臓に一突き。
「ケケ、ケ・・・」
無敵ではなくなったドッペルゲンガーは黒い塵となって、風に乗ってどこかへと消えていった。死体も血液も残っていない。全く以て謎の生き物だ。
「よく倒したねシャープ」
「はぁ・・・はぁ・・・ま、まあね・・・」
難民たちもよくぞ悲鳴をあげなかったものだ。自分たちが命の危機され晒されてたのに悲鳴の1つを上げないのはザナという過酷な環境で生活していたからだろうか。
俺に見つかった時は、あんなにも怯えていたのに・・・ん?なんで俺に怯えてドッペルゲンガーに怯えるどころか、声1つ上げなかったんだ?
ポケットの中に入れていたスマホがバイブ音を鳴らす。慌てて手に取ると、主任から電話かかってきた。すぐに通話を開始すると、主任は重々しい口調で俺に訪ねてきた。
『翡翠、今どこにいる?』
「シャープの家にいます。主任の言う通り、ドッペルゲンガーが難民になりすましていました。ですが安心してください。既にシャープが倒しています」
『そっか・・・なあ、難民は今何人いる?」
「ええと、24人ですがどうしたんですか?何か問題でも?」
『・・・今さっき、ザナ側から連絡が来た。リオに渡ろうとしていた難民24人と手伝っていた商人達を確保したと』
「「えっ・・・!!」」
『もう一度聞く。翡翠、今目の前に難民は何人いる?」
シャープにも聞こえるようにスピーカーにしていたからか、難民にもこの会話は聞こえていた。残された難民24人は無機質なロボットのように立ち上がり、薄気味悪い笑声を上げながら人の姿から、黒一色の不気味な姿へと変貌を遂げた。
「ヒスイ、ごめん。頼む・・・助けてくれ」
「勿論だとも。俺の友よ」
今まで抜かなかった刀を抜刀。こちらに無邪気な殺意と悪意を向けてくるドッペルゲンガー24体に向かってその刃を振り下ろした。
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