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1章 就職!異世界の門日本支部!

エピローグ

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 ドッペルゲンガー騒動から1週間が経過した。騒動の被害はマンションの一部屋だった事もあってか、公には発表されなかった。ただでさえ、批判の多い門番の面子を考えてだろう。

 シャープにはしっかりと刑罰が下された。翡翠の予想していた通り、不法入国罪の幇助犯。ただし、反省しているという事で罰金150万円で済まされたとのこと。

 執行猶予が付かなかったのは不幸中の幸いの幸いと言った所だろうか。しかし、彼はもう門番職には復帰できないだろう。

 何せ、門を守り、リオを守る門番が、知らなかったとはいえ、ドッペルゲンガー25体もリオに放ってしまったのだから。

 戻って来れるはずがない・・・はずだったのだが・・・。

「本当に申し訳ございませんでした!シャープ・フリップ!恥を承知で門番職に復帰しました!!またこれからよろしくお願いします!!」

「「待て待て待てマテェ!!」」

 初めてモネさんと同じ感情を抱いたと思う。え?何で?どうやって戻って来れたの?その答えは横で俺達の反応を見ながらニヤニヤと笑みを浮かべていた。

「言ったでしょ?オレ、人脈広いって」

「人脈広いで済む問題じゃないと思うんですけど・・・本部にはどう説得したんですか?」

「彼を解雇するなら、人員増やせって言ったら即OKくれた!」

「本当にそれだけ?」

「ちょこっと脅したかな?・・・武装して」

 それを刑法では脅迫と言う。犯罪行為を行なってもなお、解雇されないのは、主任がいなくてはならない存在だからなのだろう。

「まあ、前と同じ条件とは行かなかったけどね~」

 そう言いながら、シャープの首元を指差す。首には以前には無かった、青いランプが光る黒い首輪が付いていた。何か説明されなくとも、首輪がどんな役割を持っているのかは想像可能だった。

「この首輪はGPSと毒薬が仕込まれてる。シャープがまた門番の皆を裏切った場合すぐに殺せるようにね」

 主任はおもむろにスマホの画面を見せる。スマホには見た事のないアプリが入っており、起動すると、毒薬を発射するか否かを問う画面が表示された。

「シャープの生殺与奪の権利はオレが持ってる。本部側が持ちたいって言ったんだけど、剣を振り回しながら駄々をこねたら何か貰えた」

 それを人は駄々とは言わず、大暴れと言う。

「まあ、シャープならもうやらないだろうし、仮にもし何かやらかしてたとしても、オレが力ずくで止めるけどね」

 つまりはシャープの命は主任の手の平の上という事。まあ、シャープの人間性をあまり知らず、事件だけ知ってる本部の人間の手に回るよりかは遥かにマシだろう。

「あと、当分は給料は半減。戻るまで最低でも1年はかかるから節約するように」

「はい・・・」

 門番の給料なら、半分になったとしても新卒のサラリーマンの初任給と同程度貰えるので、異門町で暮らすなら何の問題はないだろう。

「それじゃあ!今日も楽しく門番やって行こうか!!」

 手を叩き、鳴らした音が辺りに響く。町までは響かないだろうが、荒野一帯には届いただろうか。すると、その音に反応するかのように門から獰猛な獣の鳴き声が聞こえてきた。

「おっ?早速仕事まものがやってきたみたいだねぇ~。鳴き声からして多分、ライノウォーリアーかな?皆、頑張って~」

「はぁ・・・朝から重労働ね・・・シャープ、1週間サボってた分しっかりと働きなさい。ヒスイも!」

「イ、イテテ・・・ドッペルゲンガーに貫かれた右胸が今になって・・・」

「メカって叩いたら治る事があるらしいけど、リオ人も叩いたら治るのかしら?」

「マジですんません。本気でそれだけは勘弁・・・」

「ヒスイ、本当にごめん・・・僕があんな事しなければ・・・」

「ああぁ!冗談!ジョーダンだから!」

 色々あったけど、皆に良いお知らせと仕送りは滞りなく続けられそうだ。
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