156 / 191
最終章 探究者と門番
1話 何故か始まった世界融合
しおりを挟む
突然、主任から伝えられた世界融合開始。驚きすぎて3人はリアクションを取れないでいた。
「いつの間にリリックちゃんか、シュエリーヌ王女が攫われたんだ?って顔してるな?結論から言うと、全然攫われていない。2人の魔力を魔力探知機に登録してるので、どの方角にいるのかを把握できるけど、全く動いてないから安心してほしい」
この、驚きの状態で、一番聞きたかった事が聞けて少しだけ絶望感が和らいだと同時に、頭上に疑問符が浮かび上がってくるほどの疑問に直面した。
世界融合魔術を発動させるには、21人の魔力の高い生贄が必要で、今埋まっているのは20人。残りの1人にリリとシュエリさんが候補として挙げられていた。
まだ、魔術発動条件が揃っていないはずなのにどうして・・・。
「悪いけど、オレにも理解できない・・・クソッ!!!」
主任の拳の一撃が、地面にヒビを入る。物に当たる主任は初めて見たかもしれない。
「こんなに頑張って予防&対策したってのに、結局、防げなかった・・・これじゃあ、死んだ爺ちゃんに顔合わせできねぇ・・・」
主任は、今回の騒動に巻き込まれた人の中で一番仕事していた。全ては世界融合を阻止するためにそれが、全部水の泡になったのだ。不甲斐なさを感じて怒る気持ちも分かる。
「一体何が原因なんだ?どうやって21人集めた?リリックちゃんとシュエリーヌ王女レベルの魔力の持ち主なんてそうそういないぞ・・・」
「その通り。現在、2つの世界を含めても、世界融合の生贄に使える魔力の持ち主は彼女ら2人とわしら賢者ぐらいしかおらん。元から、世界のバグのような存在だからの」
芳醇な桃の香り、妙に落ち着く枯れた声。もしかしなくても彼だ。
「リャオさん!!」
3人の賢者の1人、リャオさんだった。紳士服に身を包んだ彼もまた、ふざけなんて1mmも感じさせない真剣な表情だが、主任とは違い、口ぶりからして状況を完全に理解している模様。
「賢者リャオ、一体どうなってるんだ!オレはしっかりと、2人の王女を守ったし、リオに潜んでいた信者も一掃した!それなのに何故!?」
「落ち着きなさいリード君。君は最善を尽くしたさ。実際、ルミナは困り果てたさ。実験に必要なピースがあと1つ埋まらないからね。ザナの門番に潜んでいた裏切り者が倒された時から彼女は考えに考えた」
最近、末を見る者からの攻撃が無かったのは、トップであるルミナが考えていたからか・・・。
「考えた末に至った考えは、自分自身が生贄になる事だった。そして今、世界融合が始まってしまったというわけだ」
「「「「・・・はぁ!?」」」」
主任と俺を含めた4人が、同時に声を上げた。
「いつの間にリリックちゃんか、シュエリーヌ王女が攫われたんだ?って顔してるな?結論から言うと、全然攫われていない。2人の魔力を魔力探知機に登録してるので、どの方角にいるのかを把握できるけど、全く動いてないから安心してほしい」
この、驚きの状態で、一番聞きたかった事が聞けて少しだけ絶望感が和らいだと同時に、頭上に疑問符が浮かび上がってくるほどの疑問に直面した。
世界融合魔術を発動させるには、21人の魔力の高い生贄が必要で、今埋まっているのは20人。残りの1人にリリとシュエリさんが候補として挙げられていた。
まだ、魔術発動条件が揃っていないはずなのにどうして・・・。
「悪いけど、オレにも理解できない・・・クソッ!!!」
主任の拳の一撃が、地面にヒビを入る。物に当たる主任は初めて見たかもしれない。
「こんなに頑張って予防&対策したってのに、結局、防げなかった・・・これじゃあ、死んだ爺ちゃんに顔合わせできねぇ・・・」
主任は、今回の騒動に巻き込まれた人の中で一番仕事していた。全ては世界融合を阻止するためにそれが、全部水の泡になったのだ。不甲斐なさを感じて怒る気持ちも分かる。
「一体何が原因なんだ?どうやって21人集めた?リリックちゃんとシュエリーヌ王女レベルの魔力の持ち主なんてそうそういないぞ・・・」
「その通り。現在、2つの世界を含めても、世界融合の生贄に使える魔力の持ち主は彼女ら2人とわしら賢者ぐらいしかおらん。元から、世界のバグのような存在だからの」
芳醇な桃の香り、妙に落ち着く枯れた声。もしかしなくても彼だ。
「リャオさん!!」
3人の賢者の1人、リャオさんだった。紳士服に身を包んだ彼もまた、ふざけなんて1mmも感じさせない真剣な表情だが、主任とは違い、口ぶりからして状況を完全に理解している模様。
「賢者リャオ、一体どうなってるんだ!オレはしっかりと、2人の王女を守ったし、リオに潜んでいた信者も一掃した!それなのに何故!?」
「落ち着きなさいリード君。君は最善を尽くしたさ。実際、ルミナは困り果てたさ。実験に必要なピースがあと1つ埋まらないからね。ザナの門番に潜んでいた裏切り者が倒された時から彼女は考えに考えた」
最近、末を見る者からの攻撃が無かったのは、トップであるルミナが考えていたからか・・・。
「考えた末に至った考えは、自分自身が生贄になる事だった。そして今、世界融合が始まってしまったというわけだ」
「「「「・・・はぁ!?」」」」
主任と俺を含めた4人が、同時に声を上げた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる