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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
2話 目に飛び込んでくる幻想
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「やっちまえ!どうせこの世界の人間じゃない!殺したって問題はない!!」
残ったのは3人。一斉に襲い掛かって来るのを見るに戦いには慣れていない。これなら田舎のヤンキーの方がまだマシだ。
一歩引いて、真ん中の男の顔面に飛び蹴りをかます。すると、先制攻撃を仕掛けられたからか他の2人の動きが一気に鈍くなった為、体勢を元に戻した後にすかさず拳を腹にぶち込む。
「おえっ!!」
武器を手放したので、手元に戻さないように蹴り飛ばしてから腹を抱えて蹲る男の1人に話しかける。
「まだやるか?」
「く、くっそおおおぉぉぉぉぉ!お、覚えてろよ!!」
男達の戦意は削がれていたようで、男達は顔やお腹を抑えながら洞窟から出て行った。
「・・・よし、追い払ったぞ」
「ありがとう。できる事なら、殺して欲しかったんだけど・・・文句は言わないよ」
「殺す?おいおい冗談だろ?殺す必要なんてないだろ」
「その答えは、後で分かるさ」
含みのある言い方に少しイラっとするものの、深呼吸して心を整える。そして、落ち着いたのを確認した後に細身の男に話かけた。
「君に教えたい事があるが、まずは互いの事を知ろうじゃないか。僕の名前はフェイ。君は?」
「雷太だ。とりあえず名前だけでいいだろ。それじゃあ早速だが、お前が知っている事を全部話せ。まずは結論から」
「せっかちだね・・・まあ良い。では結論から教えるけど、ここは君が元居た世界ではない。僕が君を召喚したのさ」
「お前さぁ・・・嘘をつくにしてももう少しマシな嘘は付けなかったのか?」
「ふむ、自分の想像だにしない事は信じないタイプか・・・となると説明が面倒・・・でも無いな」
このフェイとかいう男、かなり失礼だな。そういう事は心の中だけにとどめておけよ。
「外に出よう。外の景色を見たら君も納得するはずだから」
「賛成だ。こんな薄暗い所にいたら気分までどんよりしちまう。ほら、手を貸してやる。目ぇ、見えないんだろ」
「ふむふむ、察する能力は高いみたいだね。では、お言葉に甘えさせてもらうよ」
フェイの手を取り、光を頼りに洞窟を出る。外に出た俺の目に入ってきたのは深緑・・・ではなく紫の葉を付けた木々、人の頭程のサイズがある巨大なリスのような動物に、俺の腕よりも長くて太い芋虫だった。
目に入ってきた光景はまるで子供の頃に思い描いた幻想の世界そのものだった。
「君は今、驚いているね。君の居た世界と風景が違ったみたいで良かった。これで僕の言葉が嘘ではない事は信じてくれたかな?」
「ああ、信じるさ。これからお前の口から放たれる言葉全てを信じてやるよ」
残ったのは3人。一斉に襲い掛かって来るのを見るに戦いには慣れていない。これなら田舎のヤンキーの方がまだマシだ。
一歩引いて、真ん中の男の顔面に飛び蹴りをかます。すると、先制攻撃を仕掛けられたからか他の2人の動きが一気に鈍くなった為、体勢を元に戻した後にすかさず拳を腹にぶち込む。
「おえっ!!」
武器を手放したので、手元に戻さないように蹴り飛ばしてから腹を抱えて蹲る男の1人に話しかける。
「まだやるか?」
「く、くっそおおおぉぉぉぉぉ!お、覚えてろよ!!」
男達の戦意は削がれていたようで、男達は顔やお腹を抑えながら洞窟から出て行った。
「・・・よし、追い払ったぞ」
「ありがとう。できる事なら、殺して欲しかったんだけど・・・文句は言わないよ」
「殺す?おいおい冗談だろ?殺す必要なんてないだろ」
「その答えは、後で分かるさ」
含みのある言い方に少しイラっとするものの、深呼吸して心を整える。そして、落ち着いたのを確認した後に細身の男に話かけた。
「君に教えたい事があるが、まずは互いの事を知ろうじゃないか。僕の名前はフェイ。君は?」
「雷太だ。とりあえず名前だけでいいだろ。それじゃあ早速だが、お前が知っている事を全部話せ。まずは結論から」
「せっかちだね・・・まあ良い。では結論から教えるけど、ここは君が元居た世界ではない。僕が君を召喚したのさ」
「お前さぁ・・・嘘をつくにしてももう少しマシな嘘は付けなかったのか?」
「ふむ、自分の想像だにしない事は信じないタイプか・・・となると説明が面倒・・・でも無いな」
このフェイとかいう男、かなり失礼だな。そういう事は心の中だけにとどめておけよ。
「外に出よう。外の景色を見たら君も納得するはずだから」
「賛成だ。こんな薄暗い所にいたら気分までどんよりしちまう。ほら、手を貸してやる。目ぇ、見えないんだろ」
「ふむふむ、察する能力は高いみたいだね。では、お言葉に甘えさせてもらうよ」
フェイの手を取り、光を頼りに洞窟を出る。外に出た俺の目に入ってきたのは深緑・・・ではなく紫の葉を付けた木々、人の頭程のサイズがある巨大なリスのような動物に、俺の腕よりも長くて太い芋虫だった。
目に入ってきた光景はまるで子供の頃に思い描いた幻想の世界そのものだった。
「君は今、驚いているね。君の居た世界と風景が違ったみたいで良かった。これで僕の言葉が嘘ではない事は信じてくれたかな?」
「ああ、信じるさ。これからお前の口から放たれる言葉全てを信じてやるよ」
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