天才武闘家は異世界に転移しても持ち前の強さとスキル「一撃必殺」で無双を続けるそうです

町島航太

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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに

14話 しつこい奴ら

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「ライタ!?とても焦げ臭いんだけど、僕の雷の魔法で何をしたんだい?」

「口だけ達者な騎士団を少し黙らせただけだよ。それ以上の事はしていない。それよりも急ぐぞ。まだまだ応援が競うだ」

 第四の難関を抜け、下ってきた坂道を今度は2人を抱えて登る。

「ライタ、大変だろう?僕は歩くから心配しないで・・・」

「こっちの方が断然スピードが出るんだよ。俺の事は馬だと思え」

 石を抱えながら坂道を上るトレーニングが役に立った。キツイが無理ではない。

 ただひたすらに坂道を登っていると、地上の光が見えてくる。希望の光だ。同時に背後から甲冑が擦れる音も聞こえてくる。

 雷の魔法で感電させてから既に4分は経過している上、ぱっと見20人以上はいたので効き目にもばらつきがあるので、ほとんど感電しなかった者もいるだろう。

 痩せているとは言え、2人を抱えている以上追いつかれるのは時間の問題だ。追いつかれたしまった場合が一番最悪である。

 フェイとフェイの妹を地面に下ろす。

「フェイ、妹はおんぶできるか?」

「問題ないよ」

「おい、妹。お兄ちゃんの目の代わりをしてやれ。いいな?」

「わ、わかりました・・・」

 フェイにフェイの妹を担がせる。

「すぐに追いつく。逃げるのが無理なら隠れていてくれ」

「わ、分かった。ライタ、死なないでくれよ?」

「死ぬ気は毛頭ないさ・・・さて」

 2人が地上へ向かっていくのをしっかりと確認した後、後ろを振り返る。振り返ると既に騎士が3人俺の元へと迫ってきていた。

「でぇぇぇいっ!」

 弓矢にも勝るとも劣らない一閃が俺の胸目掛けて飛んでくる。左右のどちらに避けても傷を負うのは目に見えて分かったので、後ろに飛ぶように避ける。

「ちぃっ・・・!巫女を投げた時から分かっていたが、貴様相当身軽だな。一体何処の出身だ?」

 先制攻撃を仕掛けてきたのは先程俺の喉に槍を突き付けていた女騎士。

「日本・・・異世界だ」

「異世界か、道理で強いわけだ。同時に理解が出来ないな。お前は勝手にこの世界によびだされたに過ぎない。なのに、どうして勝手に呼んだ男に付き従う?」

「可哀想だったから。異世界の人間にしか頼れないなんて人間みたら、助けたくなっちゃったんだよ」

「ハッ!。お人好しも場合によっては悪になるというわけか。間違った選択をした事を地獄で後悔するがいい!行け!」

「「ハッ!!」」

 ついて来ていたゴルム騎士2人が女騎士を守るように俺の前に立ち塞がる。

「なんだよ、あんだけ言ってた癖にアンタは戦わないのかよつまんねぇ・・・まあ良いや。来いよ!」

 剣を構えた2人の騎士が俺に襲い掛かって来る。
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