天才武闘家は異世界に転移しても持ち前の強さとスキル「一撃必殺」で無双を続けるそうです

町島航太

文字の大きさ
14 / 192
一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに

13話 檻か炎か

しおりを挟む
「図体のデカい男、私の指示に従え。さもなくば殺す」

「・・・従っても殺すだろ」

「喋るなという言葉が聴こえなかったのか?それとも、言葉が通じないのか?」

「通じてるよ。通じてるから、その槍引いてくれ。ほら、血が出ちゃってる」

 指示に従わずにしゃべった罰だろう。喉を少し槍の穂先で突かれてしまった。

「断る。理由はお前にも分かっているだろう?見た目だかならただのやせ細ったそのガキを抱えているのだからな」

「分かってるよ、この子を返せってわけだろ?」

「話が早くて助かる」

「この子を素直に渡したら命は助けてくれるのか?」

「ああ、命だけは助けてやる。一生檻の中だがな」

「ライタ?・・・なにを、するつもりなんだい?頼むからやめてくれ!お願いだから!」

「貴様も喋るな!この裏切り者め!」

 騎士達の刃は更に迫って来る。

「終身刑ね・・・二度と檻の外には出られないわけか」

「フンッ、当然だ。それくらいの事をしでかしてくれたのだからな。寧ろ、終身刑で済ませてやるだけ感謝しろ。普通なら火あぶりの刑だ」

 処刑の中でも一番非人道的だと言われる火あぶりの刑。火の恐ろしさは1人暮らしを始めてすぐに知ったので流石の俺も震えあがってしまう程だ。

「なあ、少し質問して良いか?」

「許す。何だ?」

「一生檻の中での生活って死んでるのとほぼ変わりなくないか?」

「それが罪だ」

「そっか・・・じゃあ、この子が死んだらアンタらは一体どんな罪に問われるんだろうなぁ?」

「何をするつもりd────」

「よいしょぉ!」

 俺に槍を突き付けている女騎士が言葉を言い終える前に、俵担ぎしているフェイの妹を思い切りぶん投げる。すると、騎士達は武器を置き、慌てながらフェイの妹をキャッチしに向かう。

「絶対落とすなーー!」「落としたら確実に死ぬ!死んだらこの国の終わりだー!」

 フェイの妹の脆弱者を知っているのだろう。ゴルムの騎士達がまるで餌に群がる鯉のようになっている。俺を騎士団員を足場にすると、空中でフェイの妹をキャッチ。再び騎士団員の頭を踏み台にして地面への着地を無事成功させた。

「ライタ?一体何をしたんだ?」

「ん?お前の妹ぶん投げて、騎士団の隙を作った」

「なぁっ!?き、君なんて事を・・・!!」

「はいはい、悪かったって。悪かったから右手伸ばして!」

「え?あ、うん・・・」

 フェイに伸ばさせた右手をこちらに向かってきているゴルム騎士団に向ける。

「雷の魔法を発射ぁ!」

Strom電気!!」

 大きな電気の球が騎士団目掛けて飛んでいく。電気をよく通す金属製の鎧を全身に纏った騎士達ビリビリと感電すると、鎧の隙間から黒い煙を上げながらピクリとも動かなくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...