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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
12話 一難去ってまた一難
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「フェイ、女の子がいる」
「恐らく妹で間違いないが確認をしておきたい。罠の可能性もあるからね。特徴を教えてくれないか?」
「見た目か?とにかく痩せている。栄養が明らかに足りていないって事がはっきり分かる。そんでもって、髪色はお前と同じ灰色だ」
「間違いない・・・ティナだ!ティナ!僕の声が聞こえるかい?」
フェイの声に反応し、少女は顔を上げる。
「兄さん・・・?」
目の前にいる少女はフェイの妹で間違いないみたいだ。目が見えないフェイの為に妹の近くへと連れていくと、手探りで、彼女の顔に触れる。
「嗚呼、可哀想に・・・見えなくても分かる!こんなに痩せてしまって・・・これも僕が弱いせいだ・・・ごめんよ、ティナ・・・ごめん、ごめん・・・」
「兄さん、もしかして目が見えないの?皆に何をされたの・・・?」
「僕の事は気にしなくていいんだ。それよりもここから出よう。ここは非常に危険が・・・」
「逃げるって・・・どこに?」
そう呟くフェイの妹の体は小刻みに震えていた。ゴルムの奴らへの恐怖をしっかりと刻み込まれているみたいだ。隅っこにいたのもそれが理由だろう。
国の象徴である竜に捧げる大事な巫女じゃないのか?こんなに虐待して、竜からの怒りを買う事を恐れていないのか?
「そこは問題ないよ。強力な助っ人がいるからここから出られるさ」
「この人・・・誰?」
「悪いが説明は後だ。すぐに出るぞ、良いな?」
ぎこちなく首を縦に振るフェイの妹。立ち上がらせようとするが、足の筋肉が衰えてしまっているからか、生まれたての小鹿のように足が震えていてまともに歩けそうにない。
「マジかよ・・・仕方ねぇな」
「えっ・・・うわっ・・・!」
フェイの妹を俵担ぎし、フェイの手を掴む。
「フェイ、悪いが今度は自分の足で歩いてもらうぞ。問題ないか?」
「ああ、クソ!ごめんライタ。こんな事になるんだったら予め足を用意しておくべきだった」
「タラレバの話はすんな!行くぞ!」
隠し部屋を出て、地下教会を出る。しかし、国を存続する為に必要な者を連れされられるピンチだというのに国が全力を出してこないわけがなく、教会を出た瞬間、俺の喉に槍の穂先が突きつけられる。それに続く様に、前方180度から剣先を向けられる。
「うーわ、最悪。アンタら、誰?」
「動くな、喋るな、息をするな。ゴルム騎士団だ」
フルフェイスの兜から女性の声が聴こえてくる。今度は魔法ではなく、物理に優れた騎士団の登場にフェイは冷や汗をかいていた。
「恐らく妹で間違いないが確認をしておきたい。罠の可能性もあるからね。特徴を教えてくれないか?」
「見た目か?とにかく痩せている。栄養が明らかに足りていないって事がはっきり分かる。そんでもって、髪色はお前と同じ灰色だ」
「間違いない・・・ティナだ!ティナ!僕の声が聞こえるかい?」
フェイの声に反応し、少女は顔を上げる。
「兄さん・・・?」
目の前にいる少女はフェイの妹で間違いないみたいだ。目が見えないフェイの為に妹の近くへと連れていくと、手探りで、彼女の顔に触れる。
「嗚呼、可哀想に・・・見えなくても分かる!こんなに痩せてしまって・・・これも僕が弱いせいだ・・・ごめんよ、ティナ・・・ごめん、ごめん・・・」
「兄さん、もしかして目が見えないの?皆に何をされたの・・・?」
「僕の事は気にしなくていいんだ。それよりもここから出よう。ここは非常に危険が・・・」
「逃げるって・・・どこに?」
そう呟くフェイの妹の体は小刻みに震えていた。ゴルムの奴らへの恐怖をしっかりと刻み込まれているみたいだ。隅っこにいたのもそれが理由だろう。
国の象徴である竜に捧げる大事な巫女じゃないのか?こんなに虐待して、竜からの怒りを買う事を恐れていないのか?
「そこは問題ないよ。強力な助っ人がいるからここから出られるさ」
「この人・・・誰?」
「悪いが説明は後だ。すぐに出るぞ、良いな?」
ぎこちなく首を縦に振るフェイの妹。立ち上がらせようとするが、足の筋肉が衰えてしまっているからか、生まれたての小鹿のように足が震えていてまともに歩けそうにない。
「マジかよ・・・仕方ねぇな」
「えっ・・・うわっ・・・!」
フェイの妹を俵担ぎし、フェイの手を掴む。
「フェイ、悪いが今度は自分の足で歩いてもらうぞ。問題ないか?」
「ああ、クソ!ごめんライタ。こんな事になるんだったら予め足を用意しておくべきだった」
「タラレバの話はすんな!行くぞ!」
隠し部屋を出て、地下教会を出る。しかし、国を存続する為に必要な者を連れされられるピンチだというのに国が全力を出してこないわけがなく、教会を出た瞬間、俺の喉に槍の穂先が突きつけられる。それに続く様に、前方180度から剣先を向けられる。
「うーわ、最悪。アンタら、誰?」
「動くな、喋るな、息をするな。ゴルム騎士団だ」
フルフェイスの兜から女性の声が聴こえてくる。今度は魔法ではなく、物理に優れた騎士団の登場にフェイは冷や汗をかいていた。
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