天才武闘家は異世界に転移しても持ち前の強さとスキル「一撃必殺」で無双を続けるそうです

町島航太

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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに

18話 奪還作戦大成功

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「やったなぁ!フェイ!一時というか何回かどうなるか分からなかったけど、全部上手く行った!」

「ああ、そうだね」

「お前の言った通り、俺達良いコンビかもなぁ!」

「そのとおりだね。ハハッ、もっと早く君と出会えてればよかったよ。そしたらこの目で君を見る事ができただろうに」

「それなんだけどよ、呪いで目を治せないなら呪いを解けば治るって事だろ?解呪方法なんていくらでもあるはずだ。それまで付き合ってやるよ」

「・・・きみは、本当にお人好しだね。本当に君を呼び出せてよかったと思っているよ。本当に・・・本当にありがとう・・・」

「よせやい。褒めても何もでないぞ?てか、さっきから妹さん何も喋って無いけど大丈夫か?」

「安心したのかどうか分からないけど、眠っているよ」

「それじゃあ、もう少し馬の速度落とした方が良いか?」

「いや、そのままでいい。とにかく今はここから離れたい」

 フェイの意見には一理ある。ただでさえ、3人乗りで遅いのにここで速度を落としたら迫っているであろう追手に捕まる可能性がある。今はとにかく王都から離れる事を優先にしなくては・・・。

「それじゃあ、何処にいく?」

「・・・ここから西に向かうと港がある。そこからこの国を脱出する手立てを見つけよう」

「OK!その港にはどれくらいかかる?」

「馬で3日ぐらいかかるかな?とりあえず、行ける所まで行こうじゃないか」

「よっしゃぁ!飛ばすぜ!」

 巫女奪還ははっきり言って爽快だった。あんなに圧倒的な戦力差があったというのに見事に奪還に成功!公式の大会で優勝した時以上の快感だ。逆にこれからこれ以上の快感が味わえるのか不安まである。

 もしかしたら、元の世界に戻ったら退屈さを感じてしまうかもしれないな。

 馬を走らせる事、半日。今の所追手の姿は無いけれども、森の中に隠れてキャンプをする。森を構成している木の葉が黒色なのが、とても不気味だ。

「・・・Zündung着火

 適当な小枝を集めてフェイの魔法で火を点けてもらう。

「あ、れ・・・?ここ、は・・・?」

 フェイの妹もこのタイミングで眠りから覚める。

「ふう、ようやく落ち着けた所で、今後の事について話そう。休憩はその後だ」

 フェイの体が、フェイの妹に寄りかかる。どうやら眠たいらしいが今日中に話を整理しておきたい。

「フェイ、眠いだろうけどもう少しだけ我慢してくれ」

 フェイを起こすために体を揺らす。肩を簡単に揺らすと首がぐらぐらと揺れ、先程とは逆方向へと倒れてしまった。

「・・・フェイ?」

 フェイの様子がおかしい。すぐに倒れたフェイの体を抱き寄せるもまるで体に力が籠っておらず、肌が熱が消え去っている。

 腰に回していた右手が濡れたような感覚に襲われたので、目で確かめてみると、右手の平にはべったりと赤黒い液体が付着していた。
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