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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
25話 真夜中の訪問者
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「はぁい、どちら様ですか?こんな夜更けに」
家主である木こりさんが反応してドアを開ける音が聴こえてくる。俺らが使用している部屋のドアを開けて訪問者の姿を確認したいところだが、それはあまりにも危険だ。
窓を訪問者に気づかれない程度に開けて確認すると、松明を持った複数人の兵士の姿が見える。
「誰かと思えば、王都の兵士さんでねえか。こんな田舎に何の用だ?」
「質問に答えるのはお前の方だ。ここに図体のでかい異国の男と、盲目の男。そして、痩せ細った女はいるか?」
案の定、兵士達の目的は俺達みたいだ。俺の嫌な予感はどうやら当たってしまったみたいだ。
心臓の鼓動が早くなる。どうしようかと脳をフル回転させているとティナが耳元で囁く。
「もう一つ兄さんから聞いたことがあります。魔力を探知するスキル、通称『魔力探知』は詳細な場所の特定はできないって。今、兵士達がわかっているのはこの村にわたし達がいることだけだと思います」
「つまりここにいるかは、あっちも知らないわけか」
それでもピンチということには変わりない。声色を聞くに、兵士達は木こりさんを押し切って家に入ってくるだろう。
その前に窓から飛び出して逃げるというのもありだが、窓は家の玄関側にしかついていない上に、借りている部屋は玄関から1番近い位置にあるので、飛び出して逃げようものならすぐにバレてしまう。
「その人達が一体何をしたんだ?」
「・・・貴様には関係のない事だ。こちらの事情は詮索するな」
ゴルム国側は国を存続させるために必要な巫女が攫われたことを国民に知られたくないのか、強引に家に押し入ろうとする。
「や、やめるだ!そんな理由じゃ納得できないだ!・・・うわぁ!」
兵士との押し問答に木こりさんが負け、床に倒れる音が聴こえてくる。同時に複数の足音が家の中に入ってくるのを耳で確認する。
「探せ!隈なくだ!」
「「「ハッ!」」」
兵士達が一斉に部屋を探し始め、雷太とティナのいる部屋のドアノブに手をかけたその時。
「分かりました!い、言います!言いますから部屋を荒らさないでけろ!異国の男の人と、痩せた女の人は夕方ごろにこの村を出て行きましただ!」
「・・・目の見えない男は?」
「死んじまって、2人が埋葬してただ!どこに埋葬したのかは知らねぇ!オラが知ってるのはこれだけだ!早く出ていってけろ!」
「全員撤収!!・・・ご協力感謝する」
木こりの嘘を信じた兵士達は家を飛び出すように出ていく。兵士達がいなくなった数秒後、木こりが雷太達の部屋のドアを開ける。
「アンタ達が何者かは知らねぇ。国が追ってるんだから悪人である事には間違いねぇ。けど、この村を救ってくれた恩人でもある」
「木こりさん・・・」
「さあ、急ぐだ!そして、お元気で!」
木こりは雷太達の事情を聞く事なく、2人を村から無事に追い出してあげるのであった。
家主である木こりさんが反応してドアを開ける音が聴こえてくる。俺らが使用している部屋のドアを開けて訪問者の姿を確認したいところだが、それはあまりにも危険だ。
窓を訪問者に気づかれない程度に開けて確認すると、松明を持った複数人の兵士の姿が見える。
「誰かと思えば、王都の兵士さんでねえか。こんな田舎に何の用だ?」
「質問に答えるのはお前の方だ。ここに図体のでかい異国の男と、盲目の男。そして、痩せ細った女はいるか?」
案の定、兵士達の目的は俺達みたいだ。俺の嫌な予感はどうやら当たってしまったみたいだ。
心臓の鼓動が早くなる。どうしようかと脳をフル回転させているとティナが耳元で囁く。
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「つまりここにいるかは、あっちも知らないわけか」
それでもピンチということには変わりない。声色を聞くに、兵士達は木こりさんを押し切って家に入ってくるだろう。
その前に窓から飛び出して逃げるというのもありだが、窓は家の玄関側にしかついていない上に、借りている部屋は玄関から1番近い位置にあるので、飛び出して逃げようものならすぐにバレてしまう。
「その人達が一体何をしたんだ?」
「・・・貴様には関係のない事だ。こちらの事情は詮索するな」
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「や、やめるだ!そんな理由じゃ納得できないだ!・・・うわぁ!」
兵士との押し問答に木こりさんが負け、床に倒れる音が聴こえてくる。同時に複数の足音が家の中に入ってくるのを耳で確認する。
「探せ!隈なくだ!」
「「「ハッ!」」」
兵士達が一斉に部屋を探し始め、雷太とティナのいる部屋のドアノブに手をかけたその時。
「分かりました!い、言います!言いますから部屋を荒らさないでけろ!異国の男の人と、痩せた女の人は夕方ごろにこの村を出て行きましただ!」
「・・・目の見えない男は?」
「死んじまって、2人が埋葬してただ!どこに埋葬したのかは知らねぇ!オラが知ってるのはこれだけだ!早く出ていってけろ!」
「全員撤収!!・・・ご協力感謝する」
木こりの嘘を信じた兵士達は家を飛び出すように出ていく。兵士達がいなくなった数秒後、木こりが雷太達の部屋のドアを開ける。
「アンタ達が何者かは知らねぇ。国が追ってるんだから悪人である事には間違いねぇ。けど、この村を救ってくれた恩人でもある」
「木こりさん・・・」
「さあ、急ぐだ!そして、お元気で!」
木こりは雷太達の事情を聞く事なく、2人を村から無事に追い出してあげるのであった。
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