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二章 漂流先は獣の国
70話 魅惑の肉
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雷太とムサシが奮闘する事20分。たった今、最後の一体に雷太がとどめの一撃を打ち込んだ。
「グ・・・ギャア・・・」
「よしっ!これで終わりだ・・・!!」
さすがの数と一体一体の強さに雷太も息切れを起こす。ムサシに至っては刀を杖にしなければならないほど疲弊していた。
戦いを終えた戦士達の視線は、サラマンダーが強くなった原因である竜の死体に向けられる。サラマンダーに食べられていたはずの竜の死体をよく見ると、群がられていたにしては肉が全然残っていることに気づく。
「全然食べてねぇじゃねえかサラマンダーの奴ら!」
「逆にこの程度しか食べていなかったのにあんなに強くなっていたのか。もっと食べてたら更に強くなって倒せなくなってたかもな」
「は?何言ってんだ。どんなに強くなっても俺なら倒せる」
「・・・頼もしいな。その調子で次も頑張れ」
「はぁ?次?何を言って────」
川の向こう。森の奥から小鳥達が必死に飛び立っているのを発見する。
草木は揺れ、城下町の方に何かが近づいているのを察知する。一体じゃない複数体だ。
疲労した体に鞭打ち、構えをとると揺れの正体が姿を表す。正体は成人男性の上半身ぐらいの大きさの巨大蜘蛛の群れだった。
「狩猟蜘蛛・・・ハンタースパイダーとも呼ばれているパンジグ固有の魔物だ。狩りに必要なものを全て持っていることから名付けられた」
「・・・偶然じゃねえよな」
「ああ、必然だ。狩猟蜘蛛は普段は森の中から出てこない上に、群れを成す事はない。目の前で起きている出来事は全てが異常だ」
「説明ありがとー・・・動けるやつはいるか?」
周りを見渡すが、兵士のほとんどが疲労と怪我で立ち上がれない状態。ムサシはその中で1番マシで戦闘を再開できそうだが、いつになるか分からない。
「俺1人でやるしかないな」
森を傷つけるわけにはいかないのでもちろんすきるの使用は不可能。己の身一つで戦う事になるが、果たして可能なのだろうか?
いくら強いとはいえ、数の暴力だけはどうする事もできないぞ?もっとも、ハンタースパイダーの狙いは確実に後ろの竜の死体を補食する事なので、竜肉を食うまでは襲われる事はないだろう。
しかし、全部食わせないようにするというのは不可能だ。確実に一体以上に肉を食べられてしまう。
そこから更に戦力が崩壊していったら二体三体と増えていく。時間経過とともに難易度が上がっていく。
ハンタースパイダーと共にスキル使用の決断が迫る。
「ライタぁ!」
城下町の方向からシャルロットの声が聞こえてくる。振り返るとそこにいたのはシャルロットだけではなく、大勢のパンジグ兵達だった。
「救援を呼んできたぞぉっ!!」
「お前最高かよ!!」
救援に来た兵士達は勇敢にハンタースパイダーへと立ち向かっていった。
「グ・・・ギャア・・・」
「よしっ!これで終わりだ・・・!!」
さすがの数と一体一体の強さに雷太も息切れを起こす。ムサシに至っては刀を杖にしなければならないほど疲弊していた。
戦いを終えた戦士達の視線は、サラマンダーが強くなった原因である竜の死体に向けられる。サラマンダーに食べられていたはずの竜の死体をよく見ると、群がられていたにしては肉が全然残っていることに気づく。
「全然食べてねぇじゃねえかサラマンダーの奴ら!」
「逆にこの程度しか食べていなかったのにあんなに強くなっていたのか。もっと食べてたら更に強くなって倒せなくなってたかもな」
「は?何言ってんだ。どんなに強くなっても俺なら倒せる」
「・・・頼もしいな。その調子で次も頑張れ」
「はぁ?次?何を言って────」
川の向こう。森の奥から小鳥達が必死に飛び立っているのを発見する。
草木は揺れ、城下町の方に何かが近づいているのを察知する。一体じゃない複数体だ。
疲労した体に鞭打ち、構えをとると揺れの正体が姿を表す。正体は成人男性の上半身ぐらいの大きさの巨大蜘蛛の群れだった。
「狩猟蜘蛛・・・ハンタースパイダーとも呼ばれているパンジグ固有の魔物だ。狩りに必要なものを全て持っていることから名付けられた」
「・・・偶然じゃねえよな」
「ああ、必然だ。狩猟蜘蛛は普段は森の中から出てこない上に、群れを成す事はない。目の前で起きている出来事は全てが異常だ」
「説明ありがとー・・・動けるやつはいるか?」
周りを見渡すが、兵士のほとんどが疲労と怪我で立ち上がれない状態。ムサシはその中で1番マシで戦闘を再開できそうだが、いつになるか分からない。
「俺1人でやるしかないな」
森を傷つけるわけにはいかないのでもちろんすきるの使用は不可能。己の身一つで戦う事になるが、果たして可能なのだろうか?
いくら強いとはいえ、数の暴力だけはどうする事もできないぞ?もっとも、ハンタースパイダーの狙いは確実に後ろの竜の死体を補食する事なので、竜肉を食うまでは襲われる事はないだろう。
しかし、全部食わせないようにするというのは不可能だ。確実に一体以上に肉を食べられてしまう。
そこから更に戦力が崩壊していったら二体三体と増えていく。時間経過とともに難易度が上がっていく。
ハンタースパイダーと共にスキル使用の決断が迫る。
「ライタぁ!」
城下町の方向からシャルロットの声が聞こえてくる。振り返るとそこにいたのはシャルロットだけではなく、大勢のパンジグ兵達だった。
「救援を呼んできたぞぉっ!!」
「お前最高かよ!!」
救援に来た兵士達は勇敢にハンタースパイダーへと立ち向かっていった。
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