天才武闘家は異世界に転移しても持ち前の強さとスキル「一撃必殺」で無双を続けるそうです

町島航太

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三章 辿り着いた先は闇

78話 ゴルム騎士団団長

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「感激だなぁ・・・こんなところであんた達に会えるだなんて」

「無駄口を叩いてないでさっさと出てこい!」

 ゴルム騎士に促されて馬車から出る。

「馬車を調べろ」

「「はっ!」」

 馬車の中を遮る布をめくり、馬車の中を見る。騎士達はティナを見付けたかったのだろうが、見つかったのはシャルロットだった。

「団長!ドワーフの女しかいません!」

「魔法か誰かのスキルで化けている可能性がある。私の前に出せ」

「はっ!さあ来るんだ!」

 全身鎧の姿しか見ていないからだろうか、騎士達はシャルロットの正体に気づいていないようだ。

 騎士はそのまま団長と呼ばれた壮年の男性騎士の元へと連れ出す。シャルロットの額からは冷や汗が滝のように出ている。

「ほう・・・誰かと思えば、十番隊隊長のクロッカスではないか。こんなところで何をしている?」

「えっ!?クロッカス!?」「あの傍若無人で無能で有名な!?」「いやいや、違いますよゲオルグ団長!クロッカスは高身長の女性ですよ!」

「私は一度部下になった者の顔を忘れない。そんな事ぐらい騎士団にいれば知っているだろう?デオス」

「はっ!申し訳ございません!!」

 堅物のゲオルグ・アプト。総勢2000人を超えるゴルム騎士団をまとめる騎士団長であり、最年長にしてゴルム騎士団最強の騎士である。また、部下から記憶力の鬼とも呼ばれている。

「さぁ答えろクロッカス。何故、大犯罪者であるヤツ雷太と一緒にいる!?報告によれば海に落ちて死んだと聞いているが?」

「実は助かる為に乗った船に、コイツ雷太が乗っていまして、その船が沈没してしまいまして、それから成り行きで旅を共にしています・・・はい」

 借りてきた猫のように縮こまるシャルロット。余程騎士団長が恐ろしいらしい。

「なるほどな。確か、無許可でゴルムの港を出た船が荒波に呑まれて沈没したと聞いたが、その船にお前達は乗っていたというわけか」

「はい・・・」

「なるほど!事情は理解した!自分から率先して仲間になったのではなく、命を守る為に大犯罪者の仲間になったというのだな?ならば納得だ!」

「な、納得していただいて何よりd──────」

「しかし、仕方なかったとはいえ、大犯罪者に協力したのは事実。よって貴公をだった今から騎士団から追放する!」

「そ、そんなぁ!!」

「そして、大犯罪者と同罪とし、たった今ここで死刑を執行する!」

 四方八方から武器を向けられる。

「おいおい、話を聞くんじゃ無かったのかよ」

「それは貴様を死ぬ寸前まで痛ぶってからでも問題ない・・・行けぇ!」

 騎士達は一斉に雷太とシャルロットに襲いかかった。
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