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終章 未来へ導く光
173話 私の守り手
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メルグーンの口から放たれる悪臭に思わず気絶しそうになる。酷いという言葉以外見つからない程に臭く不快なにおいが濃くなっていく。
新鮮な空気が吸えなくなり、呼吸が困難になる。意識を失い、メルグーンの舌目掛けて倒れそうになるも、ライターさんから教わった気合で耐え、両手を合わせて指を絡めて祈る。
昔の私は神様という存在を信じていなかった。全ての人間を平等に愛する存在がいるならば、どうして私は他の人と同じ生活は送れないんだと憎んだ事があった。
しかし、今こそ神を信じて祈る時。そして、神様と兄さんが私の為に呼び出してくれた私だけの守り手の名前を叫ぶ。
「ライターさん!!」
彼の顔を浮かべながら叫ぶ。すると、急に視界は明るくなり、メルグーンは大きくのけ反っていた。
「ぐおおおおぉぉぉぉぉ!?」
数秒後、片膝を付きながら地面に着地するのは紺色の武道着を着こなし、腕と膝だけを鎧で守った大男が私を守るように立ち上がった。
「ふう・・・スッキリしたぜ」
五十嵐雷太の復活である。
「何ィ!?な、何故生きている!!貴様は私が貫いたはずだ!その時の感触は心臓!私が感触を間違えるわけがない!!なのに・・・なのになぜ、貴様は私の目の前にいるんだ!?」
「常識って言葉は非常識って言葉があるからこそ成り立っている。アンタの常識が俺に適応される保証なんてないって事だよ」
胸部を見ると、刺された部分に穴が空いており、周囲には血も付着している。刺された事実はねじ曲がっていないようだ。しかし、胸には刺し痕は一ミリも残っておらず、キレイな状態のままだった。
「まあ、種明かしすると本当に俺はあの時死んだ。けど、ディオスが俺の体を掴んで飛んでいる隙に俺を魔法で治療して蘇生してくれてたんだ。目を覚ましたのはそこのデブ竜の周りを旋回してた時。何が何だが分からなかったけど、俺のやる事は変わらないから特に問題は起こらなかったってわけだ」
「なんだと・・・!ディオス!裏切ったのか!?」
ゲオルグの怒りの矛先はディオスへと向く。しかし、ディオスは先程のように煽るのではなく、淡々と言葉を口にし始めた。
「デオルグ団長、まさか縁起すらも見分けることすらできなくなっていたとは驚いたぞ。それとも、俺の演技が上手かったのかな?」
「その声にその喋り方・・・まさか貴様はディオスではなく、ティオボルドなのか!?」
「流石に分かったか・・・その通り。俺はコンパス軍兵士長のティオボルド・オイゲンだ!」
予想外の事にゲオルグは空いた口が塞がらなかった。
新鮮な空気が吸えなくなり、呼吸が困難になる。意識を失い、メルグーンの舌目掛けて倒れそうになるも、ライターさんから教わった気合で耐え、両手を合わせて指を絡めて祈る。
昔の私は神様という存在を信じていなかった。全ての人間を平等に愛する存在がいるならば、どうして私は他の人と同じ生活は送れないんだと憎んだ事があった。
しかし、今こそ神を信じて祈る時。そして、神様と兄さんが私の為に呼び出してくれた私だけの守り手の名前を叫ぶ。
「ライターさん!!」
彼の顔を浮かべながら叫ぶ。すると、急に視界は明るくなり、メルグーンは大きくのけ反っていた。
「ぐおおおおぉぉぉぉぉ!?」
数秒後、片膝を付きながら地面に着地するのは紺色の武道着を着こなし、腕と膝だけを鎧で守った大男が私を守るように立ち上がった。
「ふう・・・スッキリしたぜ」
五十嵐雷太の復活である。
「何ィ!?な、何故生きている!!貴様は私が貫いたはずだ!その時の感触は心臓!私が感触を間違えるわけがない!!なのに・・・なのになぜ、貴様は私の目の前にいるんだ!?」
「常識って言葉は非常識って言葉があるからこそ成り立っている。アンタの常識が俺に適応される保証なんてないって事だよ」
胸部を見ると、刺された部分に穴が空いており、周囲には血も付着している。刺された事実はねじ曲がっていないようだ。しかし、胸には刺し痕は一ミリも残っておらず、キレイな状態のままだった。
「まあ、種明かしすると本当に俺はあの時死んだ。けど、ディオスが俺の体を掴んで飛んでいる隙に俺を魔法で治療して蘇生してくれてたんだ。目を覚ましたのはそこのデブ竜の周りを旋回してた時。何が何だが分からなかったけど、俺のやる事は変わらないから特に問題は起こらなかったってわけだ」
「なんだと・・・!ディオス!裏切ったのか!?」
ゲオルグの怒りの矛先はディオスへと向く。しかし、ディオスは先程のように煽るのではなく、淡々と言葉を口にし始めた。
「デオルグ団長、まさか縁起すらも見分けることすらできなくなっていたとは驚いたぞ。それとも、俺の演技が上手かったのかな?」
「その声にその喋り方・・・まさか貴様はディオスではなく、ティオボルドなのか!?」
「流石に分かったか・・・その通り。俺はコンパス軍兵士長のティオボルド・オイゲンだ!」
予想外の事にゲオルグは空いた口が塞がらなかった。
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