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終章 未来へ導く光
172話 暴食竜メルグーン
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「あれがメルグーン・・・?絵本に描かれていたドラゴンはなんだったんですか?」
「有識者によると、自分の体にコンプレックスを抱いているらしい。メルグーンは喋れるから本当の事を聞き出す事はできるかもしれないが、その場合命が保証できん。食後のフルーツが熟れすぎていたという理由で給仕の兵士を火炎放射で焼き殺すような理不尽ドラゴンだからな」
まるで、人を動くゴミとしか思っていない態度に嫌悪感が増す。
「これから先は、私語は慎め。楽に喰われたいんならな」
ゲオルグの言い方からして、過去に余計な事を言って苦しむ食べ方をされて死んでいった巫女がいたんだろう。まだ一言も話していないのに既にメルグーンの事が嫌いだ。
寧ろ、今まで嫌悪感をそこまで抱いていなかった方がおかしかった。自分を食べようとするドラゴンをどうして今までどうでも良い扱いをしていたのか自分でも謎でしかない。
黒いワイバーンはメルグーンの周りをぐるぐると回る様に螺旋を描きながら地上へと降りる。メルグーンの丁度目線らへんまで高度が下がると、メルグーンも私に気づいたようで目で追って来るようになる。
数分後、崩壊した王都に降り立つ。実に二ヶ月ぶりの帰還。普通の場所、普通の人なら感慨深くなるものだろうが、残念ながらそんな気分にはなれない。
体長50m級のドラゴンが私と目線を会わせるために顔を下ろしてくる。顎が地面につくくらいまで下げると、メルグーンは大きく息を吸い上げ、そして吐いた。
「おぇ・・・!!」
吐き気を催す程の悪臭が全身に当たる。何で酷い匂い。私は思わず吐いてしまった。
「フフフフフ・・・!良い、良いぞ!巫女!!どんどん吐くが良い。胃の中のモノを吐き出せば出す程、味がマシになるからなぁ・・・」
壮大な見た目に違わず、威厳のある低い男性じみた声。しかし喋っている言葉はかなり気持ちが悪い。
「食す3日前に巫女がいなくなったと聞いた時は一時はどうなる事と焦ったが、こうして舞い戻って来た!巫女よ、貴様らはどうあがいても我の腹の中に入る運命なのだよ・・・」
やはり、メルグーンは娯楽目的ではなく、必要だから巫女を食べているらしい。余裕そうな表情で誤魔化しているが、声からは少し焦りのようなものを感じる。何かに追われている人と同じ声色だ。
「それでは、早速いただこうか・・・」
「お待ちください、暴食竜メルグーン。私と交わした約束、お忘れでないですよね?」
「ああ!勿論だとも!巫女を食し終えたら、約束通り皆を元の姿に戻してやろう。我は約束は破らないからな」
ゲオルグ騎士団長が私を捕まえる事に必死な理由が今判明した。そして、メルグーンが顔を近づけ、大きく口を開ける。
「いただきまーーーす・・・」
ピンク色の口内がゆっくりと迫ってきた。
「有識者によると、自分の体にコンプレックスを抱いているらしい。メルグーンは喋れるから本当の事を聞き出す事はできるかもしれないが、その場合命が保証できん。食後のフルーツが熟れすぎていたという理由で給仕の兵士を火炎放射で焼き殺すような理不尽ドラゴンだからな」
まるで、人を動くゴミとしか思っていない態度に嫌悪感が増す。
「これから先は、私語は慎め。楽に喰われたいんならな」
ゲオルグの言い方からして、過去に余計な事を言って苦しむ食べ方をされて死んでいった巫女がいたんだろう。まだ一言も話していないのに既にメルグーンの事が嫌いだ。
寧ろ、今まで嫌悪感をそこまで抱いていなかった方がおかしかった。自分を食べようとするドラゴンをどうして今までどうでも良い扱いをしていたのか自分でも謎でしかない。
黒いワイバーンはメルグーンの周りをぐるぐると回る様に螺旋を描きながら地上へと降りる。メルグーンの丁度目線らへんまで高度が下がると、メルグーンも私に気づいたようで目で追って来るようになる。
数分後、崩壊した王都に降り立つ。実に二ヶ月ぶりの帰還。普通の場所、普通の人なら感慨深くなるものだろうが、残念ながらそんな気分にはなれない。
体長50m級のドラゴンが私と目線を会わせるために顔を下ろしてくる。顎が地面につくくらいまで下げると、メルグーンは大きく息を吸い上げ、そして吐いた。
「おぇ・・・!!」
吐き気を催す程の悪臭が全身に当たる。何で酷い匂い。私は思わず吐いてしまった。
「フフフフフ・・・!良い、良いぞ!巫女!!どんどん吐くが良い。胃の中のモノを吐き出せば出す程、味がマシになるからなぁ・・・」
壮大な見た目に違わず、威厳のある低い男性じみた声。しかし喋っている言葉はかなり気持ちが悪い。
「食す3日前に巫女がいなくなったと聞いた時は一時はどうなる事と焦ったが、こうして舞い戻って来た!巫女よ、貴様らはどうあがいても我の腹の中に入る運命なのだよ・・・」
やはり、メルグーンは娯楽目的ではなく、必要だから巫女を食べているらしい。余裕そうな表情で誤魔化しているが、声からは少し焦りのようなものを感じる。何かに追われている人と同じ声色だ。
「それでは、早速いただこうか・・・」
「お待ちください、暴食竜メルグーン。私と交わした約束、お忘れでないですよね?」
「ああ!勿論だとも!巫女を食し終えたら、約束通り皆を元の姿に戻してやろう。我は約束は破らないからな」
ゲオルグ騎士団長が私を捕まえる事に必死な理由が今判明した。そして、メルグーンが顔を近づけ、大きく口を開ける。
「いただきまーーーす・・・」
ピンク色の口内がゆっくりと迫ってきた。
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