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終章 未来へ導く光
171話 ファンタジーブレイク
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王都の上空に入った瞬間、真下に王都の現在の風景が視界に入って来る。
一言で言い表すのなら、荒廃。既に都市としての機能を完全に失っていた。あちらこちらで赤黒いワイバーン達が暴れており、逃げ遅れた人達を奪い合うようにして食べている。
飢餓状態なのだろうか?しかし、不思議な事に共食いはしない様子。
「あのワイバーン達は、元ゴルム人だ。兵士が大体だが、中には軍には全く関係のない人間もワイバーンになっている」
「一体どういう仕組みなんですか?」
「この国はどうやら気づかないうちに隅々までメルグーンの力がいきわたっていたらしい。草木や大気にもメルグーンの力が浸透していて、私達は気づかぬうちにメルグーンの力を体内に宿らせていたんだ」
プルチアの木が闇に染まっていた事を言っているらしい。ゴルム人でありながら、私がワイバーンになっていないのは、私が巫女だからなのだろう。
「メルグーンが正気を失った時を境に皆変化を開始した。私とティオボルドは耐える事に成功したが、メルグーンの力に反抗的だったティオボルドは殺され、ディオスの素体にされてしまった」
「メルグーンには感謝しているぜ?こんなに強い体を下さったんだからなぁ!!」
「その肝心のメルグーンは一体どこにいるんですか?」
それは、誰もが知らない事である。ゴルムを守っている暴食竜メルグーン。ゴルムは国境沿いにしか山脈がなく、20mを余裕で超える体長を隠せる場所と言ったら山脈であり、世間ではメルグーンは普段は山脈に体を隠していると言われている。
しかし、連れてこられたのは山脈ではなく荒廃した王都。わざわざ荒れ果てた故郷の都市を見せるなんて無駄な事をするわけがないので、ここにメルグーンがいるのは確実。しかし、その巨体は見当たらない。
「ティナ、メルグーンはどんな姿をしているか知っているか?」
「美しい白銀の鱗を持った翼竜と絵本には書いてありました」
「文献によって細かなところは異なるが、それで大体は合っているな・・・メルグーンが植え付けたイメージは」
「・・・え?」
王都の中心が山のように盛り上がり始める。ワイバーン達は上空に退避し、逃げ遅れた人達は土砂に巻き込まれていく。瓦礫と土を上空に飛ばしながら現れたのは、体長20mなんて優に超えている土色の竜。顔は美しいというよりも猛々しさを感じる顔をしており、翼は私を丁度包めるくらいの大きさまで退化している。
「ブオオオオォォォォォォォォンンンンッッ!!」
「これが本当のメルグーンだ」
幻想が音を出してバラバラと崩れる音がした。
一言で言い表すのなら、荒廃。既に都市としての機能を完全に失っていた。あちらこちらで赤黒いワイバーン達が暴れており、逃げ遅れた人達を奪い合うようにして食べている。
飢餓状態なのだろうか?しかし、不思議な事に共食いはしない様子。
「あのワイバーン達は、元ゴルム人だ。兵士が大体だが、中には軍には全く関係のない人間もワイバーンになっている」
「一体どういう仕組みなんですか?」
「この国はどうやら気づかないうちに隅々までメルグーンの力がいきわたっていたらしい。草木や大気にもメルグーンの力が浸透していて、私達は気づかぬうちにメルグーンの力を体内に宿らせていたんだ」
プルチアの木が闇に染まっていた事を言っているらしい。ゴルム人でありながら、私がワイバーンになっていないのは、私が巫女だからなのだろう。
「メルグーンが正気を失った時を境に皆変化を開始した。私とティオボルドは耐える事に成功したが、メルグーンの力に反抗的だったティオボルドは殺され、ディオスの素体にされてしまった」
「メルグーンには感謝しているぜ?こんなに強い体を下さったんだからなぁ!!」
「その肝心のメルグーンは一体どこにいるんですか?」
それは、誰もが知らない事である。ゴルムを守っている暴食竜メルグーン。ゴルムは国境沿いにしか山脈がなく、20mを余裕で超える体長を隠せる場所と言ったら山脈であり、世間ではメルグーンは普段は山脈に体を隠していると言われている。
しかし、連れてこられたのは山脈ではなく荒廃した王都。わざわざ荒れ果てた故郷の都市を見せるなんて無駄な事をするわけがないので、ここにメルグーンがいるのは確実。しかし、その巨体は見当たらない。
「ティナ、メルグーンはどんな姿をしているか知っているか?」
「美しい白銀の鱗を持った翼竜と絵本には書いてありました」
「文献によって細かなところは異なるが、それで大体は合っているな・・・メルグーンが植え付けたイメージは」
「・・・え?」
王都の中心が山のように盛り上がり始める。ワイバーン達は上空に退避し、逃げ遅れた人達は土砂に巻き込まれていく。瓦礫と土を上空に飛ばしながら現れたのは、体長20mなんて優に超えている土色の竜。顔は美しいというよりも猛々しさを感じる顔をしており、翼は私を丁度包めるくらいの大きさまで退化している。
「ブオオオオォォォォォォォォンンンンッッ!!」
「これが本当のメルグーンだ」
幻想が音を出してバラバラと崩れる音がした。
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