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4章 魔王の肩書きを持つ少女

75話 天使or勇者は誰?

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「何かの間違いではないのか?」

「残念ながら、事実です。証拠もございます」

 昨日抽出した魔力を入れた淡く光る黄色の液体を見せる。魔王様も魔法属性を診断する方法については知っていたようで、試験管の液体を見た瞬間、頭を抱えた。

「つまり、勇者が復活したという事か?」

「そうとは限らないかと」

「天使の可能性もあるというのか?」

「はい」

「・・・成る程。ここに妾らを集めたのは、犯人探しのためか」

「・・・申し訳ございません」

「構わない。元々お前に依頼していた事だ。それで?この中に天使が紛れ込んでいるという事だが、天使らしき者は見当たらないぞ」

 天使はエンデ人と同じ色白で、背中から翼が生えているらしいので、すぐに判断できるはず。しかし、辺りを見渡しても、やはりいるのは魔族と魔物のみ。

「ですね。ですが、スネイクさんのように見た目を変化させる事ができるかもしれません。でも、魔法属性はどうでしょう?スネイクさん、貴方は変身した時に魔法属性まで変化させられましたか?」

「いいや、全然!私が変化させる事ができるのは、見た目だけ!!身体能力と魔法属性はいくら頑張っても変えられなかったよ」

「という事は、魔族又は魔物と偽ってる天使も魔法属性は光のままのはずです。魔王様、魔法属性の診断の許可をお願いします」

「うむ、許可する。血液を特別な薬に入れるのだったな?薬は用意できているのか?」

「はい。バッチリでございます・・・」

「なら、従者から先にしてもらおう。言い出しっぺのアルフォース。お前がまず手本を見せろ」

「はい。失礼します」

 魔王様したら、誰が裏切り者なのかも絞れていない状態。僕も疑いをかけられても仕方のない事だ。

 14年前にやられたように、指先に針を刺し、出てきた血を試験管の中の液体に垂らす。僕の血液が液体に触れた瞬間、触れた箇所から黒色と紫色が混じったような色に変色した。

「見ての通り、僕の魔法属性は闇。ゴップ、次は君だ」

「ま、任せてよ!!・・・えいっ!!」

 ゴップも別の試験管に血液を入れる。液体は、渦巻く赤色に変色した。

 その次にシームさんが血液を入れると、キラキラ緑色に輝き、クアンタさんは、雷雲を彷彿とさせる液体に変化した。

「少し改良を加えたんだ。それぞれの属性のイメージに当てはまるビジョンが見えるようにしたんだ・・・ヒヒ」

「自慢は後にしろ。ミシェルの従者、次はお前だ」

「・・・はい」

 スネイクさんは、幹部に成り立てだからか、従者がいないため、スキップ。残ったのは、ミシェル様の従者のみとなった。確か名前はエンジさんだったかな?

 何も喋らないし、何も行動を起こさない。あまりにも影が薄い従者のエンジさんは、クアンタさんから試験管を貰うと何の躊躇もなく、クアンタさんの顔面を殴りにかかった。

「ひっ!?」

 クアンタさんの近くにいたお陰で、拳が到達する寸前に防ぐことができた。そして同時に────。

「見つけたぞ、裏切り者・・・!!」

 犯人を見つけることが出来た。
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