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最終章 勝利の為なら手段は選ばず
181話 古巣に帰る
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それから数日間、激務の日々だった。アスタロト様の元では供給される食料が少ないと暴動を起こしたヒュームを宥め、スネイクさんの元では怪しい実験と拷問を繰り返すスネイクさんとそのお友達を止めるなどをした。
他にも小さな問題をかなりの数こなした。因みに山賊の件が1番楽だった。数に物を言わせた雑魚の集まりだったから。
山賊の件が最後で、予定よりも早く片付ける事ができたので、故郷である要塞町ゴレイムへとかなり早めに帰還することができた。
腕は剣の振りすぎで腱鞘炎寸前。足は険しい道を歩きまくった為、筋肉痛を起こしている。
空では月が輝いている。今日は何も食べずにそのまま寝よう。バール様へと報告も明日にしよう。
「アル!おかえり!!今帰ってきたの!?」
「うん、ただいま。本当に今帰ってきたばかりなんだ」
話しかけてきたのは親友ゴップ。肉が刺さった串を持っていることから食事の途中なのだろう。
「ゴップの仕事は順調?魔物との交渉はうまく行ってる?」
「う~ん、それがまだまだなんだよね・・・やっと、僕と同じゴブリン達を話が終わった程度なんだ」
ゴップは今、野良の魔物達との交渉を行なっている。争いは起こさずに平和に過ごそうという意味合いでの交渉だ。敵対する可能性のある勢力はあらかじめ仲良くしておいた方がいいからね。
「あ!そうそう!アル聞いてよ!やっとおいらみたいなゴブリンを見つけられたんだ!人語が上手い子!!」
「おお!やったな!!今度紹介してよ」
「勿論!あ、長話しちゃったね。ごめん」
ゴップは僕が疲労している事に気づいていたらしい。彼の気遣いに感謝し、家に戻り、防具を脱ぎ捨て、剣を起き、服を脱ぎ、ベッドにダイブする。
因みにこの一軒家は、戦争終了後にバール様からプレゼントされたものだ。布団がちょうど良く重くてとても寝心地が良い。
「おやおやぁ、おかえりアル。どうやらお疲れのようだねぇ」
「いるなら最初からいるって言ってくださいよ。バール様」
首だけを動かし、窓際の椅子を見ると、バール様が妖艶な笑みを浮かべて座っていた。
「それじゃあ、報告と行こうじゃないかぁ。ああ、寝たままで良いよ」
「ええと、まずばですね─────」
この数日間の出来事を全て詳細に話す。バール様をそれを紙に書き留め、テーブルに置くと、自然な流れで服を脱ぎ、生まれた時の姿になると、僕の寝転がるベッドに入ってきた。
「・・・今日はしませんよ」
「おや、残念だ。じゃあ、明日の朝にでも・・・」
「そんな堕落した生活しませんよ。明日の夜にしましょう」
「つれないねぇ。そういえば、新しく開発した魔法があるんだ。明日試してくれないかな?」
「どんな魔法なんです?」
「それはお楽しみさ」
「そうですか・・・それなら、楽しみにしておきます」
鉛のように重たくなる瞼。今日、最後に見たのは、僕に口付けをするバール様だった。
他にも小さな問題をかなりの数こなした。因みに山賊の件が1番楽だった。数に物を言わせた雑魚の集まりだったから。
山賊の件が最後で、予定よりも早く片付ける事ができたので、故郷である要塞町ゴレイムへとかなり早めに帰還することができた。
腕は剣の振りすぎで腱鞘炎寸前。足は険しい道を歩きまくった為、筋肉痛を起こしている。
空では月が輝いている。今日は何も食べずにそのまま寝よう。バール様へと報告も明日にしよう。
「アル!おかえり!!今帰ってきたの!?」
「うん、ただいま。本当に今帰ってきたばかりなんだ」
話しかけてきたのは親友ゴップ。肉が刺さった串を持っていることから食事の途中なのだろう。
「ゴップの仕事は順調?魔物との交渉はうまく行ってる?」
「う~ん、それがまだまだなんだよね・・・やっと、僕と同じゴブリン達を話が終わった程度なんだ」
ゴップは今、野良の魔物達との交渉を行なっている。争いは起こさずに平和に過ごそうという意味合いでの交渉だ。敵対する可能性のある勢力はあらかじめ仲良くしておいた方がいいからね。
「あ!そうそう!アル聞いてよ!やっとおいらみたいなゴブリンを見つけられたんだ!人語が上手い子!!」
「おお!やったな!!今度紹介してよ」
「勿論!あ、長話しちゃったね。ごめん」
ゴップは僕が疲労している事に気づいていたらしい。彼の気遣いに感謝し、家に戻り、防具を脱ぎ捨て、剣を起き、服を脱ぎ、ベッドにダイブする。
因みにこの一軒家は、戦争終了後にバール様からプレゼントされたものだ。布団がちょうど良く重くてとても寝心地が良い。
「おやおやぁ、おかえりアル。どうやらお疲れのようだねぇ」
「いるなら最初からいるって言ってくださいよ。バール様」
首だけを動かし、窓際の椅子を見ると、バール様が妖艶な笑みを浮かべて座っていた。
「それじゃあ、報告と行こうじゃないかぁ。ああ、寝たままで良いよ」
「ええと、まずばですね─────」
この数日間の出来事を全て詳細に話す。バール様をそれを紙に書き留め、テーブルに置くと、自然な流れで服を脱ぎ、生まれた時の姿になると、僕の寝転がるベッドに入ってきた。
「・・・今日はしませんよ」
「おや、残念だ。じゃあ、明日の朝にでも・・・」
「そんな堕落した生活しませんよ。明日の夜にしましょう」
「つれないねぇ。そういえば、新しく開発した魔法があるんだ。明日試してくれないかな?」
「どんな魔法なんです?」
「それはお楽しみさ」
「そうですか・・・それなら、楽しみにしておきます」
鉛のように重たくなる瞼。今日、最後に見たのは、僕に口付けをするバール様だった。
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