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新魔王軍part3
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「ククク、よく来たなぁ勇者よ。私の名は───グハァ!」
突然目の前に現れた魔族らしき男はかっこよく決め台詞を言おうとしていたが、名前を言おうとしたところで顔面にストレートパンチを喰らい、鼻血を出しながら後ろに倒れる。
「おい!リアリは何処にやった!早く答えろ!」
「き、貴様!人が決めているときに顔面を殴るなんて卑怯──ブフォ!」
再び顔面を殴られて悶絶する。
ちょっとジンさん、やる過ぎなのでは・・・。
ジンさんはさっきのダリスとの戦いの時よりも口調が荒かった。
よっぽど焦っているのだろう。
「わがっだ!わがっだがら!もう殴るのを止めて!」
恐怖を感じたらしく魔族の男はガチ泣きしている。
「最深部にいる!まだ何もしていないからどうか殺すのだけは勘弁してください!」
やり方はどうかと思うが、リアリさんの安全が確認できた。
「そうか、なら良いありがと──なッ!」
素早い手つきで手刀を魔族の男の首に落とすと、魔族の男は気絶してしまった。
仲間を呼ばれないためだろう。
それにしても容赦が無さすぎる。
どっちが悪なのか分かんなってきそうだ。
『おい、なんか聞こえなかったか?もしかして──』
声量が大きいせいで、気づかれてしまったらしい。
「やべ!早くずらかるぞ!」
面倒な事になる前にその場から走り去った。
『誰もいないじゃないか───ってどうしたんだ!!』
どうやら私達が走り去ったと同時にあの男の仲間が来たらしく、気絶した魔族の男を見て叫ぶのが聞こえてくる。
間一髪だ。
「ふうー、危なかったですねジンさ───」
ジンさん達の方を見ると、ジンさんの頭上に2つの赤い玉が浮かんでいることに気づいて、言葉をつまらせてしまう。
すると、2つの赤い玉はどんどん大きくなっていく。
いや、違う。近づいてきているのだ。
やがて近づいてきて赤い玉の全貌が露になる。
巨大なウサギだった。
「え?え?え?えぇーーーー!!」
「ちょ、メイルさん!叫んだらあいつらに」
「後ろ!後ろ!後ろ!後ろ見てください!」
「後ろ?後ろに何がある・・・ってうわ!」
後ろを振り向いたジンさんはあまりに突然の事で驚く。
恐らく声を聞くのに集中してきづかなかったんだろう。
それにしても何故こんなに大きくなっているのだろう。
まさか、魔晶石を食べさせたのだろうか。
「くそ、ダンジョンラビットか!しかも、デッカイ!」
「ダンジョンラビット?なんですかそのモンスターは!?」
「暗いダンジョンに住むウサギのモンスターだ。ニードルラビットの親戚とも言われてる。ニードルラビットよりかは戦闘力は劣るが、十分に人を殺められる力を持ってるぞ!」
『おい!なんかまた聞こえるぞ!』
『今度こそは間違いなんかじゃない!誰かがいる!』
どうやら気づかれてしまったらしい。
このままじゃ不利な状況にたたされてしまう。
「メイルさん!ダンジョンラビットの足元にアイスを撃ってくれ!それで身動きをとらせなくするんだ!」
「分かりました!アイス!」
氷の槍や氷の剣山等ではなく、地面を凍らせて少しでも動いたらつるんと転んでしまう氷の床を作り上げる。
突然できた氷の床に足を滑らせ、どすんと思いっきり転ぶ。
「アレックスさん!ハンマー貸して!」
「お、おう!」
戦闘用ハンマーを持ってきていたアレックスさんから巨大なハンマーを借りたジンさんは人間とは思えないほどの跳躍量で飛びあがり、ハンマーを振りかざす。
「だりゃあああああああ!」
ダンジョンラビットの頭に強烈な打撃攻撃!
もろに喰らったダンジョンラビットは、お腹を見せるように仰向けになって倒れた。
「ふう、疲れた・・・」
「ジンさん!また来ます!」
敵はダンジョンラビットだけではない。
「やはりいた!貴様ら覚悟しろ!」
二人の魔族の男が私達の前へと現れ、こちらに手のひらを向けてきた。
魔法を撃つ気だ!
「「フレイム!」」
二人が同時に放ったフレイムは混ざり合い、魔力ステータスランクSでも出せないくらい巨大な火の玉となり、私達に向かってくる。
「いけない!パーフェクトバリア!」
すぐさまパーフェクトバリアを唱えて、半透明の緑の壁を作り、火の玉を防ぐ。
「くそ!そっちにも腕利きの魔導師がいたのか。だったら───ブベラァ!」
「え?どうしたんだ一体───グハァ!」
二人の魔族が鼻血を出しながら宙を舞う。誰かに殴られたようだ。
殴ったのは、ジンさんだった。
さっきまで私の横にいたのに───やっぱり勇者は凄いなと感心する。
やがて、二人の魔族の男は重力にしたがって落下し、一人は気絶してしまう。
「あほ。1拍いれずに次の攻撃をしてくるのは基本中の基本だろ。何でお前ら新魔王軍とやらはそうカッコつけるのかね?」
「き、貴様・・・新魔王軍を知っているのか!」
「知らなかったらこんなところにきてねーよ。何でモンスターがこんなに大きくなってんのか教えやがれこの野郎」
気絶していないもう一人の方の魔族の男の胸ぐらを掴んで、尋問する。
その絵ずらは完全に恐喝するヤンキーといじめられっ子だ。
本当にどちらが悪でどちらが善なのだろうか。
「ナリム様の作った魔晶石を餌に混ぜて、食わせたんだ。多分この洞窟の中にいるモンスターの9割は巨大化してるだろう」
「ほうほう、そうかそうか。それはよくもやってくれたなぁ───」
「・・・え?」
「なんちゅーことしてくれてんじゃー!!」
「ぎゃーーーー!!」
この後ワンパンチで魔族の男は気絶してしまったが、5・6発は顔面を殴ったジンさんであった。
突然目の前に現れた魔族らしき男はかっこよく決め台詞を言おうとしていたが、名前を言おうとしたところで顔面にストレートパンチを喰らい、鼻血を出しながら後ろに倒れる。
「おい!リアリは何処にやった!早く答えろ!」
「き、貴様!人が決めているときに顔面を殴るなんて卑怯──ブフォ!」
再び顔面を殴られて悶絶する。
ちょっとジンさん、やる過ぎなのでは・・・。
ジンさんはさっきのダリスとの戦いの時よりも口調が荒かった。
よっぽど焦っているのだろう。
「わがっだ!わがっだがら!もう殴るのを止めて!」
恐怖を感じたらしく魔族の男はガチ泣きしている。
「最深部にいる!まだ何もしていないからどうか殺すのだけは勘弁してください!」
やり方はどうかと思うが、リアリさんの安全が確認できた。
「そうか、なら良いありがと──なッ!」
素早い手つきで手刀を魔族の男の首に落とすと、魔族の男は気絶してしまった。
仲間を呼ばれないためだろう。
それにしても容赦が無さすぎる。
どっちが悪なのか分かんなってきそうだ。
『おい、なんか聞こえなかったか?もしかして──』
声量が大きいせいで、気づかれてしまったらしい。
「やべ!早くずらかるぞ!」
面倒な事になる前にその場から走り去った。
『誰もいないじゃないか───ってどうしたんだ!!』
どうやら私達が走り去ったと同時にあの男の仲間が来たらしく、気絶した魔族の男を見て叫ぶのが聞こえてくる。
間一髪だ。
「ふうー、危なかったですねジンさ───」
ジンさん達の方を見ると、ジンさんの頭上に2つの赤い玉が浮かんでいることに気づいて、言葉をつまらせてしまう。
すると、2つの赤い玉はどんどん大きくなっていく。
いや、違う。近づいてきているのだ。
やがて近づいてきて赤い玉の全貌が露になる。
巨大なウサギだった。
「え?え?え?えぇーーーー!!」
「ちょ、メイルさん!叫んだらあいつらに」
「後ろ!後ろ!後ろ!後ろ見てください!」
「後ろ?後ろに何がある・・・ってうわ!」
後ろを振り向いたジンさんはあまりに突然の事で驚く。
恐らく声を聞くのに集中してきづかなかったんだろう。
それにしても何故こんなに大きくなっているのだろう。
まさか、魔晶石を食べさせたのだろうか。
「くそ、ダンジョンラビットか!しかも、デッカイ!」
「ダンジョンラビット?なんですかそのモンスターは!?」
「暗いダンジョンに住むウサギのモンスターだ。ニードルラビットの親戚とも言われてる。ニードルラビットよりかは戦闘力は劣るが、十分に人を殺められる力を持ってるぞ!」
『おい!なんかまた聞こえるぞ!』
『今度こそは間違いなんかじゃない!誰かがいる!』
どうやら気づかれてしまったらしい。
このままじゃ不利な状況にたたされてしまう。
「メイルさん!ダンジョンラビットの足元にアイスを撃ってくれ!それで身動きをとらせなくするんだ!」
「分かりました!アイス!」
氷の槍や氷の剣山等ではなく、地面を凍らせて少しでも動いたらつるんと転んでしまう氷の床を作り上げる。
突然できた氷の床に足を滑らせ、どすんと思いっきり転ぶ。
「アレックスさん!ハンマー貸して!」
「お、おう!」
戦闘用ハンマーを持ってきていたアレックスさんから巨大なハンマーを借りたジンさんは人間とは思えないほどの跳躍量で飛びあがり、ハンマーを振りかざす。
「だりゃあああああああ!」
ダンジョンラビットの頭に強烈な打撃攻撃!
もろに喰らったダンジョンラビットは、お腹を見せるように仰向けになって倒れた。
「ふう、疲れた・・・」
「ジンさん!また来ます!」
敵はダンジョンラビットだけではない。
「やはりいた!貴様ら覚悟しろ!」
二人の魔族の男が私達の前へと現れ、こちらに手のひらを向けてきた。
魔法を撃つ気だ!
「「フレイム!」」
二人が同時に放ったフレイムは混ざり合い、魔力ステータスランクSでも出せないくらい巨大な火の玉となり、私達に向かってくる。
「いけない!パーフェクトバリア!」
すぐさまパーフェクトバリアを唱えて、半透明の緑の壁を作り、火の玉を防ぐ。
「くそ!そっちにも腕利きの魔導師がいたのか。だったら───ブベラァ!」
「え?どうしたんだ一体───グハァ!」
二人の魔族が鼻血を出しながら宙を舞う。誰かに殴られたようだ。
殴ったのは、ジンさんだった。
さっきまで私の横にいたのに───やっぱり勇者は凄いなと感心する。
やがて、二人の魔族の男は重力にしたがって落下し、一人は気絶してしまう。
「あほ。1拍いれずに次の攻撃をしてくるのは基本中の基本だろ。何でお前ら新魔王軍とやらはそうカッコつけるのかね?」
「き、貴様・・・新魔王軍を知っているのか!」
「知らなかったらこんなところにきてねーよ。何でモンスターがこんなに大きくなってんのか教えやがれこの野郎」
気絶していないもう一人の方の魔族の男の胸ぐらを掴んで、尋問する。
その絵ずらは完全に恐喝するヤンキーといじめられっ子だ。
本当にどちらが悪でどちらが善なのだろうか。
「ナリム様の作った魔晶石を餌に混ぜて、食わせたんだ。多分この洞窟の中にいるモンスターの9割は巨大化してるだろう」
「ほうほう、そうかそうか。それはよくもやってくれたなぁ───」
「・・・え?」
「なんちゅーことしてくれてんじゃー!!」
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