運命を刻む者たち

ペルシャ猫

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疑いを持つ者2

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「誰だ、お前は⁉︎ 」
「俺か? 俺はパペスキル王国軍隊隊長、リメイン・キルドだ。今は俺の仲間を殺した奴を探してる。何か知らねえか、お前」
「……私は何も知らない。だから、この能力を解いてくれないだろうか? 」
「はっはっは」
 リメインは楽しそうに笑っている。
「何馬鹿な事を言っている。お前が嘘をついている可能性もあるだろう。このままお前を始末する。見たところマネグラブ公国のハイド・フー、みたいだしな」
 リメインは完全に自分を殺す宣言をしたが、相手の能力のせいで視界が揺らぎ、平衡感覚も失ってしまい戦うことができない状態にあった。
「あのベノムとかいうじじいは金を使って殺し屋を集めたそうだが、所詮は金の力だ。我らに勝てるはずがない。なのに……なのに何故だ。半分以上も殺されてしまった。殺した奴は許さない。まずはお前だ、ハイド・フー! 」
 殺していないハイドにとって理不尽なその殺気をリメインは隠すことなく放っていた。
(これはまずい……殺される)
 危機を感じたハイドは逃げようとするがうまく走ることができない。
「逃げても無駄だ。死ね! 」
 拳を奮ってきたリメインに対してハイドは自身の能力【隠霧(ハイド・フォグ)】を使い自身を透明化した。
 そして、驚きで一瞬止まった拳の届く範囲から急いで脱出する。
(避けたはいいもののこれからどうするか)
 そんな事を考えていると目の前のリメインは少しの間動きを止めるとこっちに向かって拳を振ってきた。とっさに防御するが間に合わず自分の能力が解けてしまう。
「俺の能力は【感覚操作(メニプレイト・センズ)】という。そして、この能力は第6感つまり直感の精密さも上げることができるのさ。これで終わりだ」
 自分の能力が効かないことを知り、戦う事を諦め目を閉じた。頭に【感覚操作】を使われた鋭い痛みが走り、ハイドの意識は深い闇の中へと落ちて行った。

 残り、10人。

 No.9 【隠者】 ハイド・フー DEAD
 Ability:【隠霧】…空気中の水分で周りの景色を反射させ、透明になることができる。
 Main Image 
正位置:本心、孤独
逆位置:内気、疑い深い
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