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迷子
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「ジョセフィーヌー!」
キャサリンは現在、パトリックと森の中に居た。
普段は絶対に立ち入ることの無い森へ来たのは
「今日の世話役はクビよ!目を離した隙に逃げ出しただなんて!!」
キャサリンの愛犬、ジョセフィーヌが城から逃げ出したのだ。
「今更そんなことを言っても仕方ないよ。城の人総出で探してるんだから、君は戻って休んでた方が…」
「嫌よ!」
何としてでも見つけなければならない。
あの子は私の唯一の理解者なのだから。
「はぁ…はぁ…」
足が鉛のように重い。
普段全く運動していないツケが回ってきていた。
「少し休もう。お城から紅茶を持ってきたから」
「いらない…早く、あの子を見つけないと」
「疲弊したまま探すのはかえって効率が悪いよ。さぁここに座って」
パトリックはキャサリンの腕を掴み、木陰へと誘おうとする。
しかし、キャサリンはその腕を振りほどく
「私のせいなのよ…」
パトリックに背を向けたまま、キャサリンは続ける。
「昨日、あの子に構ってあげれなかったから…貴方に向けた怒声も自分に向けられたんだと勘違いしたのかもしれない…」
「全部、私のせい…」
「それは違うよ」
パトリックはキャサリンの言葉を一蹴した。
「君がジョセフィーヌのことを愛しているように、ジョセフィーヌも君の事を愛している。きっと逃げ出したのだって、何か考えがあっての事だよ。」
パトリックの優しい言葉が、キャサリンの心を暖かく包み込む。
「ジョセフィーヌ…」
ワンワン!!
驚いて顔を上げると、森の奥から小さな子犬がこちらに走ってくるのが見えた。
「ジョセフィーヌ!!」
キャサリンの胸に飛び込んでくるジョセフィーヌを優しく抱き込む。
「ジョセフィーヌ…心配したんだから…」
よく見ると、ジョセフィーヌの口には一輪の紫色の花が咥えられていた。
「これは…?」
「"スミレ"だね。これを、君に渡すために脱走したんだね。」
ワン!と一声力強く吠える。
「ありがとう、ジョセフィーヌ…!」
パトリックは知っていた。
紫スミレの花言葉は
"愛"
キャサリンは現在、パトリックと森の中に居た。
普段は絶対に立ち入ることの無い森へ来たのは
「今日の世話役はクビよ!目を離した隙に逃げ出しただなんて!!」
キャサリンの愛犬、ジョセフィーヌが城から逃げ出したのだ。
「今更そんなことを言っても仕方ないよ。城の人総出で探してるんだから、君は戻って休んでた方が…」
「嫌よ!」
何としてでも見つけなければならない。
あの子は私の唯一の理解者なのだから。
「はぁ…はぁ…」
足が鉛のように重い。
普段全く運動していないツケが回ってきていた。
「少し休もう。お城から紅茶を持ってきたから」
「いらない…早く、あの子を見つけないと」
「疲弊したまま探すのはかえって効率が悪いよ。さぁここに座って」
パトリックはキャサリンの腕を掴み、木陰へと誘おうとする。
しかし、キャサリンはその腕を振りほどく
「私のせいなのよ…」
パトリックに背を向けたまま、キャサリンは続ける。
「昨日、あの子に構ってあげれなかったから…貴方に向けた怒声も自分に向けられたんだと勘違いしたのかもしれない…」
「全部、私のせい…」
「それは違うよ」
パトリックはキャサリンの言葉を一蹴した。
「君がジョセフィーヌのことを愛しているように、ジョセフィーヌも君の事を愛している。きっと逃げ出したのだって、何か考えがあっての事だよ。」
パトリックの優しい言葉が、キャサリンの心を暖かく包み込む。
「ジョセフィーヌ…」
ワンワン!!
驚いて顔を上げると、森の奥から小さな子犬がこちらに走ってくるのが見えた。
「ジョセフィーヌ!!」
キャサリンの胸に飛び込んでくるジョセフィーヌを優しく抱き込む。
「ジョセフィーヌ…心配したんだから…」
よく見ると、ジョセフィーヌの口には一輪の紫色の花が咥えられていた。
「これは…?」
「"スミレ"だね。これを、君に渡すために脱走したんだね。」
ワン!と一声力強く吠える。
「ありがとう、ジョセフィーヌ…!」
パトリックは知っていた。
紫スミレの花言葉は
"愛"
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