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魔女の娘
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暫く馬車に揺られていると、まるで絵本の中のような城が見えてきた。
「わー!やばー!シンデレラの城みたいじゃん!」
「…彼女は何と?」
「さぁ…」
馬車に乗った3人と衛兵4人は無事城の前へと到着した。
白の入口の前には、衛兵が一列になり馬車から降りてくる青年と静香達を迎える。
しかし、衛兵の視線は一人の男にしか向いて居ない。
「…めっちゃ人気じゃん。てぃりお君。」
ティリオはため息しか出なかった。
城に入り、ひとつの部屋の中へ通される。
そこには、赤い布が敷いてあるテーブル。その上に水晶のようなもの。
そして、銀長髪の小さな少女がちょこんと座っていた。
「おや、これはまた珍しい客人だねぇ。」
その姿を一目見て、少女に駆け寄る静香。
「わー!髪めっちゃ綺麗!シャンプーなに使ってんのー?」
と、少女の髪を触り始める。
「はっはっは、言葉は通じてるはずだが、何を言ってるか分からないねぇ。」
「お、お嬢さん!アイリス様に失礼です!」
と、慌てた様子で止める美青年。
「大丈夫だよハインケル。それより…」
右手でハインケルと呼ばれた美青年を制し、ティリオの方へ向き直る。
「久しぶりだねティリオ。体の方はどうだい?」
「…えぇ、お陰様で。」
なるべく少女と目を合わせないように答えるティリオ。
「てぃりお君と知り合い?あいりすちゃん?」
「ア、アイリスちゃん!?」
見る見る内に青ざめていくハインケル。
「はっはっは!昔ちょっとね。…それにしても、お嬢ちゃん。」
「静香でーす!」
と、顔の横でピースして見せる静香。
「シズカちゃん、貴女面白いのを宿してるじゃないか。」
「えぇ、私の"悉皆の眼"でも見ましたが、彼女"神の加護"を受けているようで。しかし、一体何の神がついているのか分かりません。」
「調べるために私の所へ連れてきた…か。」
静かに頷くハインケル。
「どれどれ…シズカちゃん手を借りるね。」
と、自分と静香の手を水晶にかざし始める。
すると、水晶の光が部屋の中を一瞬で満たす。
「わっ!まぶしー!」
静香は目を瞑り、顔を背ける。
他の者もあまりの眩しさに、目を開けられずにいた。
しかし、アイリスだけはじっと水晶を見定めている。
「これは…!」
少しして、水晶の光が収まる。
「とんでもない光でしたね。今まで見たことがない。」
目頭を押さえながらハインケルが言う。
「あぁ…こんな光り方を見たのは随分と久しぶりだ。」
アイリスは目を閉じしみじみと語る。
「それで、結果は?」
ティリオも思わず固唾を飲む。
「…分からない。」
「わ、分からない!?」
「あまりの眩さに神の姿が見えなかったのは私も始めてさ。それだけ、凄まじい力を秘めているという事だろう。」
みんなの視線が静香に集まる。
静香は何時もと変わらぬ様子で、てへへと頭を掻いている。
考え込む素振りをしていたハインケルは顔を上げ
「シズカ…と言ったね。もしかしたら、君なら救ってくれるかもしれない。」
「救う?誰を?」
静香は小首をかしげる。
「…私の母上だ。」
「わー!やばー!シンデレラの城みたいじゃん!」
「…彼女は何と?」
「さぁ…」
馬車に乗った3人と衛兵4人は無事城の前へと到着した。
白の入口の前には、衛兵が一列になり馬車から降りてくる青年と静香達を迎える。
しかし、衛兵の視線は一人の男にしか向いて居ない。
「…めっちゃ人気じゃん。てぃりお君。」
ティリオはため息しか出なかった。
城に入り、ひとつの部屋の中へ通される。
そこには、赤い布が敷いてあるテーブル。その上に水晶のようなもの。
そして、銀長髪の小さな少女がちょこんと座っていた。
「おや、これはまた珍しい客人だねぇ。」
その姿を一目見て、少女に駆け寄る静香。
「わー!髪めっちゃ綺麗!シャンプーなに使ってんのー?」
と、少女の髪を触り始める。
「はっはっは、言葉は通じてるはずだが、何を言ってるか分からないねぇ。」
「お、お嬢さん!アイリス様に失礼です!」
と、慌てた様子で止める美青年。
「大丈夫だよハインケル。それより…」
右手でハインケルと呼ばれた美青年を制し、ティリオの方へ向き直る。
「久しぶりだねティリオ。体の方はどうだい?」
「…えぇ、お陰様で。」
なるべく少女と目を合わせないように答えるティリオ。
「てぃりお君と知り合い?あいりすちゃん?」
「ア、アイリスちゃん!?」
見る見る内に青ざめていくハインケル。
「はっはっは!昔ちょっとね。…それにしても、お嬢ちゃん。」
「静香でーす!」
と、顔の横でピースして見せる静香。
「シズカちゃん、貴女面白いのを宿してるじゃないか。」
「えぇ、私の"悉皆の眼"でも見ましたが、彼女"神の加護"を受けているようで。しかし、一体何の神がついているのか分かりません。」
「調べるために私の所へ連れてきた…か。」
静かに頷くハインケル。
「どれどれ…シズカちゃん手を借りるね。」
と、自分と静香の手を水晶にかざし始める。
すると、水晶の光が部屋の中を一瞬で満たす。
「わっ!まぶしー!」
静香は目を瞑り、顔を背ける。
他の者もあまりの眩しさに、目を開けられずにいた。
しかし、アイリスだけはじっと水晶を見定めている。
「これは…!」
少しして、水晶の光が収まる。
「とんでもない光でしたね。今まで見たことがない。」
目頭を押さえながらハインケルが言う。
「あぁ…こんな光り方を見たのは随分と久しぶりだ。」
アイリスは目を閉じしみじみと語る。
「それで、結果は?」
ティリオも思わず固唾を飲む。
「…分からない。」
「わ、分からない!?」
「あまりの眩さに神の姿が見えなかったのは私も始めてさ。それだけ、凄まじい力を秘めているという事だろう。」
みんなの視線が静香に集まる。
静香は何時もと変わらぬ様子で、てへへと頭を掻いている。
考え込む素振りをしていたハインケルは顔を上げ
「シズカ…と言ったね。もしかしたら、君なら救ってくれるかもしれない。」
「救う?誰を?」
静香は小首をかしげる。
「…私の母上だ。」
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