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病床の母
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赤いカーペットが敷かれた廊下を歩くティリオ、静香、ハインケルの3人。
そして、白いレースが飾られた扉の前で立ち止まる。
「ここから先は私とお嬢さんだけだ。」
と言うハインケルをキッと睨みつける静香。
「母上は今、呪いで床に伏せられている。少しでも悪化となりそうな不安因子は取り除きたいのだ。すまないが、ご理解頂きたい。」
整った顔立ちだった少年の顔が暗く曇る。
「…僕はここで待ってる。行ってあげて。」
「…うん」
静香が通された部屋には、大きなベッドが1つ天井からレースで飾り付けられていた。
そして、ベッドにはハインケルと同じ金髪の美しい女性が横たわっていた。
「ハインケル…戻ったのね…私の愛しい子…」
「母上…」
弱々しく伸ばす手のひらを優しく握り、自分の頬を押し当てるハインケル。
女性の頬は痩せこけ、生気を感じられないくらい白い。
そして、ハインケルに差し出された腕も折れそうなほど細かった。
ハインケルはそのまま顔だけを静香に向け
「2年前より急に体調を崩し、起き上がることさえ出来ない…アイリス様や各地の名のある魔道士に来て貰っても払うことが出来ない呪いだ…」
その目には涙すら浮かんでいた。
「もう…貴女だけが頼りだ…どうか…」
振り絞るような声を発し、深々と頭を下げるハインケル。
静香は戸惑っていた。
突然、自分の知らない世界に来たと思ったら身に覚えのない力を持たされ、人を救って欲しいと頼まれる。
普通の人間であれば全てを投げ出し諦めてしまうような状況に、彼女はただ目を閉じた。
(もう、わかんない事だらけ…本当に私の力で助けられるのかもわかんない…でも)
静香はハインケルと女性の顔を交互に見た。
(こんなに辛そうな顔みたら、何もしない訳にはね)
静香は、ハインケルの前に屈みこみ
「大丈夫!絶対良くなるよ!」
いつもの笑顔でそう言った。
それは、まったく根拠の無い励ましだった。
しかし、静香の気持ちは依然変わらず、ハインケルに握られた女性の小さな手を握りしめる。
(お願い……)
途端。
部屋の中は眩い光で満たされた。
そして、白いレースが飾られた扉の前で立ち止まる。
「ここから先は私とお嬢さんだけだ。」
と言うハインケルをキッと睨みつける静香。
「母上は今、呪いで床に伏せられている。少しでも悪化となりそうな不安因子は取り除きたいのだ。すまないが、ご理解頂きたい。」
整った顔立ちだった少年の顔が暗く曇る。
「…僕はここで待ってる。行ってあげて。」
「…うん」
静香が通された部屋には、大きなベッドが1つ天井からレースで飾り付けられていた。
そして、ベッドにはハインケルと同じ金髪の美しい女性が横たわっていた。
「ハインケル…戻ったのね…私の愛しい子…」
「母上…」
弱々しく伸ばす手のひらを優しく握り、自分の頬を押し当てるハインケル。
女性の頬は痩せこけ、生気を感じられないくらい白い。
そして、ハインケルに差し出された腕も折れそうなほど細かった。
ハインケルはそのまま顔だけを静香に向け
「2年前より急に体調を崩し、起き上がることさえ出来ない…アイリス様や各地の名のある魔道士に来て貰っても払うことが出来ない呪いだ…」
その目には涙すら浮かんでいた。
「もう…貴女だけが頼りだ…どうか…」
振り絞るような声を発し、深々と頭を下げるハインケル。
静香は戸惑っていた。
突然、自分の知らない世界に来たと思ったら身に覚えのない力を持たされ、人を救って欲しいと頼まれる。
普通の人間であれば全てを投げ出し諦めてしまうような状況に、彼女はただ目を閉じた。
(もう、わかんない事だらけ…本当に私の力で助けられるのかもわかんない…でも)
静香はハインケルと女性の顔を交互に見た。
(こんなに辛そうな顔みたら、何もしない訳にはね)
静香は、ハインケルの前に屈みこみ
「大丈夫!絶対良くなるよ!」
いつもの笑顔でそう言った。
それは、まったく根拠の無い励ましだった。
しかし、静香の気持ちは依然変わらず、ハインケルに握られた女性の小さな手を握りしめる。
(お願い……)
途端。
部屋の中は眩い光で満たされた。
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