転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第37話 [作戦会議]

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今マスタールームにいるメンバーでの討伐が決まったところで俺は気になる事を聞いてみた。

「で、そこまではどの位掛かるんだ?」

「普通に行けば、馬車で半刻は掛かるが、今回は急ぎだ!ウチで最速の従魔で行ってもらう。」

「飯とポーション類はこっちで用意する各々、準備出来次第、下の車庫まで行け!以上だ!」

そう言われた俺を除いた今回行くメンバーは準備の為に出ていった。

「シュウト、お前はいいのか?」

「準備と言われても戦闘手段で必要な物は全部持ってるし、後、何を準備すればいいのか分からなくてな。」

「まぁポーション類はこっちで用意するとは言ったが使った分は多少だが、余分に金は取るからな、自前のポーションだったり、各種状態異常系だったりは準備するんじゃねぇか?後、彼奴らはまともな装備に替えてくんじゃねぇか。」

あぁそうゆうことか。

「なら、俺は要らないかな。」

「何でだ?」

「装備は今のが1番の装備だし、体質的にか、状態異常にならないみたいだからな。後、ポーションは用意して貰ったのでいいよ。」

「なんだ体質って。」

「わからん。でも普通に食ってたやつをハロルドさんが見て怒られた。」

「な、何食ってたんだ?」

そう言われたので説明するとゴルドさんは引いていた。

「あ、あぁアレ食って何もないなら大丈夫だろうな・・・。」

暫しの沈黙の後、「とりあえず準備がねぇならミーシャについて行け。」と言われたのでミーシャさんに案内されるまま、車庫までついて行くとそこにはトリケラトプスを彷彿とさせる恐竜が居た。

おぉぉぉ恐竜だ!・・・・・此処に息子が居れば喜んだだろうなぁ・・・

「凄いでしょ私の従魔な・・・だ、大丈夫?」

俺が息子を想っているとミーシャさんが驚いた顔で俺の事を心配してきた。

「何でもないです。」

「何でもないことはないでしょ!貴方泣いてるわよ!」

!!?

ミーシャさんの言葉に驚いて顔を触ると勝手に涙が出ていた。

「で、ホントに大丈夫なの?」

「いや、そのぅ・・・離れ離れになった家族に恐竜の事を大好きだった子が居たのを想い出しただけです。」

俺がそう言うとミーシャさんは「そう、貴方も大変だったのね。」と涙を流しながら俺の頭を撫でていた。

暫くするとミミが到着した。

「2人して何で泣いてるんですか?」

到着したミミは唖然としながら言ってきたので俺は涙を拭いて「何でもない。」と顔を隠しながら言った。

そうして暫くの間、3人で話をしていると残りの3人も到着したので、竜車に乗って出発した。

「ミーシャさん、ところで速いとはいえ、こんなに目立って大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ。この子は特別だから。」

「特別?」

「そう。この子は地竜では珍しい闇属性を持ってるから街を出てからは今も誰もこの子を含めたこの客車も外からは見えないから。」

へぇ~なら問題ないのか。

「もう1つ良いですか?」

「何?」

「今から討伐する盗賊って俺が倒すのに罪悪感を感じないみたいな事をゴルドさんは言ってましたけど、どんな奴等なんですか?」

「なんて言えばいいかしら・・・とりあえずは最悪の部類でももっとも悪いかも。」

「それはどういう事で?」

「あの盗賊の目的はお金だけじゃないの、貴方達より上の年の人間は惨殺され、貴方達と同じくらいでも半分の男子は殺され、半分は繁殖の為に連れ去られ、女性は子供が産める年の子は凌辱されてしまうの。」

それは確かに罪悪感は少なくて済むかも。

「しかも、奴等の上のメンバーは拐った子を食うのそれも生きたまま。更には女性が赤ちゃんを産むとその女性の目の前で食べて、女性が狂うのを楽しむらしいの。」

あ゛!今何と・・・殺す!

それを聞いた俺は怒りで気がどうにかなりそうになっていた。

「ちょ、ちょ、気持ちは分かるけど殺気を抑えて!このままじゃ私の従魔のハッピーちゃんが暴走しちゃうから!」

ハッピーちゃん?

ミーシャさんの言葉で我に返ると周りの皆んなは、ふぅ~と息を吐いていた。

「なんちゅう殺気だよ。流石の俺も息が詰まるぜ。」

「私は息が出来なかった。」

とアークスとミミが言ったのを聞いて、他の3人も頷いていた。

「す、すまん皆んな。」

「気にすんな、初めて奴等の事を聞いた時は大体皆、そんな反応だ。」

それを聞いて俺は怒る気持ちはあるが冷静になった。

「ふぅ~冷静になったみたいね。って言うことで他に仲間が居ないかを知りたいから数名は生かしておいて欲しいけど他は皆殺しでいいわよ。」

ミーシャさんがそう言うと皆んなが頷いた。

とりあえず戦う前に軽く腹ごしなえをし終えると竜車が止まった。

「着いたようね。坑道に入る前に騎士団のお偉いさんのところに行くわよ。」

ミーシャさんにそう言われた俺達は竜車を降りるとミーシャさんに連れられて大きな軍幕の中に入った。

「おっ誰かと思ったらシュウトじゃねぇか。」

そう言われたので其方を見るとセルジュさんの息子のロペスさんが立っていた。

「アレ?どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも俺、騎士団長だから。」

するとロペスさんの隣にいた壮年の男性が俺を睨みながらロペスさんに声を掛けていた。

「ロペス様、お知り合いですか?」

「あぁ爺さんを助けてくれたのがこのシュウトなんだ。」

それを聞いた男性は俺の元に来て手を取ると話し掛けてきた。

「おぉ貴方でしたか!誠にありがとうございます!」

それに驚いて「あぁ」としか言えない俺はロペスさんを見るとロペスさんは「爺さんのファンなんだ。」と俺を拝む様に言ってきた。

「ドレイク参謀、その位にしておけ。シュウトが困ってる。」

「あぁこれは失礼しました。では、ロペス様、お願い致します。」

「うむ。ではゴルド殿から聞いていると思うが少し変更させてもらいたい。」

「何をでしょうか、それによってはギルドとしては応じかねますが?」

ミーシャさんがそう言うとドレイクさんが出ようとしたがロペスさんに止められていた。

「ミーシャ殿の言う事はもっともだが少し聞いて貰いたい。」

「失礼しました。」

「うむ。それでだが、貴殿らが突入後一刻が経過した後としていたが、半刻として欲しい。その代わりとして、此方からは拐われた人々は此方の暗部の者が突入と同時に入り被害がない様にするし、その際に何人か確保するので後は好きにするといい。」

ミーシャさんは少し考えるとロペスさんに返答した。

「突然の変更に関しては少々思うところは有りますが、おそらく此方への譲歩と中の状況が関わっているのでしょうね。分かりました、それで承知しました。」

「では、作戦が有れば聞いておこう。」

とロペスさんが言ってきたので手を挙げた。

「ん?どうした?」

「2、3聞いても?」

「1つは敵の配置はご存知ですか?」

「それは其方も把握してるのではないか?」

「確かに、ミーシャさんどうですか?」

「ある程度は。」

「ならばそのすり合わせをしたいのですが、そこに問題はありますか?」

「此方は無いな。」「私も無いわ。」

「では。」と言うと敵の配置と次いでに坑道の中がどうなっているかを細かく教えてもらった。

「シュウト、他は何が聞きたい。」

「自分達と一緒に入る暗部の方は此処に呼ぶ事は出来ますか?」

「何故だ?」

「間違って攻撃しない様にする為です。」

「一緒に入る俺の部下に攻撃が通じるとでも言うのか?」

俺の発言にロペスさんは睨みを利かせながら言ってきた。

「それはやってみないと分かりませんが俺には防具を着けてても意味がないので。」

「ほほう。それは面白い、わかった。クルシャ出てこい!」

「は!」と言う声がどこからとも無く聞こえたと思った瞬間、全身が黒い鎧を着けた人が現れた。

「クルシャ、お前の最大限の防御でシュウトの攻撃を受けてみろ。」

「御意!」というとクルシャさんはシールドを構え、何かを唱えると「お願いします。」と言ってきた。

アレ?やっぱり俺の言い方が駄目だったのかなぁでもやらなきゃ始まらなそうだしなぁ

と思い、気を込めて鎧通しを放った。

ドン!

次の瞬間、クルシャさんは膝から崩れ落ちていた。

崩れ落ちたクルシャさんにロペスさんは「すまなかった。」と言いながら近づくと「いえ、未熟な自分が悪いのです。」と言いながら頭を垂れていた。

そして近づいた際にシールドを確認したロペスさんは俺に話し掛けてきた。

「何故、シールドは傷が無いのだ?」

「当たって無いからです。」

俺は素直に答えたが意味が分からない感じだったので更に答えた。

「盾や鎧があることで過信した相手を倒す技です。」

「ほう。その様な技が世の中には有るのだなぁ勉強になった。では、此方も教えよう。暗部の者は皆この装備を着けている。何故ならこの装備はカモフラージュという魔法が付与されておるから魔力を通すと認識しにくくなるからだ。」

「ロペス様!」とドレイクさんはロペスさんを止めようとしたが、ロペスさんは「秘伝を教えてもらって黙っている訳にはいかん!」と退けていた。

「ただ、ここにいる者はこの事を黙っていてもらいたい。何せ騎士団の秘匿事項だからな。」

と言いながらいい笑顔を向けてきたので、全員が頷いた。

「で、シュウトまだあるか?」

「出立は何時でも良いんですか?」

「そうだなぁ其方に任せる。」

「承知しました。」

俺はそう言うと討伐メンバーに今すぐ行きたい旨を伝えると全員が了承してくれた。

「少人数だが、夜で無くて良いのか?」

そうロペスさんが聞いてきたのでクルシャさんを見ながら答えた。

「暗部の方が夜でなければ問題があると言うので有ればそうしますが、先程の話からすると昼間でも問題無く認識阻害が出来ると思いましたので、問題ないかと。」

「それに昼間に少人数での強襲を態々かけるとは逆に思わず、かけるなら大規模と思うと考えます。即ち相手は見つけたとしても少人数だと偵察及び威力偵察と思い、とりあえず軽く迎撃、もしくは放置とするでしょう。」

その俺の答えにドレイクさんは深く頷いていた。

「ロペス様、シュウト殿の言う通りですぞ。私がもし、賊の立場だったとしたらシュウト殿の言う通り軽く報告するくらいで放置するでしょう。」

「ドレイク参謀がそう言うなら問題なかろう。分かった此方も問題ない。直ぐに行ってくれ。クルシャ問題ないな。」

クルシャさんは「御意!」と言うとまた消えてしまった。

「なら皆んな行くか。」

と俺が言うと全員、軍幕から出て走り出した。
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