転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第142話 [再会そしてお披露目。]

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前回と変わらずにユグドラシルに跪いていたガシュウさんが復活した所で俺は質問した。

「ガシュウさん2つ程聞きたい事が有るんですけど良いですか?」

「はい。何でも御答え致しますがその前に新たなスキル獲得おめでとうございます。ですがそのスキルはあまり人前では使用しない方が宜しいかと具申致します。」

「やっぱり目立ちますよね。」

「確かに使徒様である事が目立つとは思いますがそれよりもその御力が使徒様に有ると分かればあらゆる手段を講じて使徒様に近付こうとする輩が殺到すると思われます。ですので、その御力を行使するのであれば余程の緊急事態か、教会で私が居る場合のみにして頂けませんでしょうか?」

「え?でもそれだとガシュウさんに迷惑を掛けてしまう事に・・・。」

「それならば問題ありません。伊達に一国の王であり、どの王よりも長く生きている訳ではございませんから。」

俺はガシュウさんの何とも言えない圧を感じながら聞く事にした。

「な、なら、お願いします。それで質問なんですが、1つ目はハイエルフの寿命ってどの位なんですか?」

「そうですねぇ、今のところ最も生きた者で1万年位だったと思われますが、それすらも本人がどの位生きたか分からないといいますか、途中から他の者が祝いとして数えていましたが、他の者はそれ程生きていませんし、周りも歳に関しては曖昧でしたので具体的には・・・申し訳ありません。」

「なるほど、でもステータスを見れば分かるんじゃないんですか?」

「いえ、大多数の者が必要無いと思ったモノに関してはステータスの表示がされなくなる様でして。分からないのです。」

「なるほど、それなら仕方がないですね。ありがとうございます。後、もう一つは外の様子というか、レイの事なんですが。」

「それならば問題ありません。今日明日にでも概ね解決する見通しです。」

「早いですね。」

「実際、実行犯は早急に我々で捕まえましたし、背後関係や経緯などは私の魔法で自白させましたので、芋づる式に王国の膿を排除出来たとリーグは喜んでおり、そのキッカケを作ったレイには何か報奨を与えようとしている様です。まぁその辺はセドリック殿に止められておりますが、結果として、王国の膿を出せた事には違いありませんので何かしら報奨はあると思われますよ。ですので、罰則は無いと思われます。」

「でもそれだと他の貴族が文句を言って来ませんか?」

「それも問題ないかと。」

「何故ですか?」

「それはシュウト様のお陰でございます。」

俺が不思議そうな顔をしながらガシュウさんを見るとガシュウさんは微笑みながら理由を説明してくれた。

「理由としましては今回被害に遭われたルーク王子と加害者であるレイ殿は使徒様の創設した攻略組に1人はマスターとして、1人は経営のトップとして入る事が大きいのです。」

「え?でもそれだと1つの国に肩入れしてる様に見えて他の国に恨みを買いませんか?」

「いえ、それも問題ありません。何故なら王子と宰相の御子息を使徒様の部下として、王国は差し出した代わりに王国内の反乱分子を排除してもらったという事にする様ですから。」

「はい?差し出した?」

「はい。」

「え?そう聞くと自分が悪者になる様な・・・。」

「そんな事にはなりません!何故なら1国を除いて使徒様にそれもアストライアー様の使徒様に奉仕する事は誉れ!私も一国の王で無ければ傘下に入り、御役に立ちたい位です!」

ガシュウさんの勢いに俺がたじろいでいるとガシュウさんは話を続けた。

「ですので、他国の者も感謝の印という事で納得致します。」

「そんなモノですか。」

「はい。」

俺はその後、ガシュウさんと少し雑談して、ガシュウさんが予定が有るとの事で、外へ送り、その足でアノスさんの下へ向かった。

「お久しぶりです。」

「おぉ、シュウト殿。そろそろお呼びしようかと思っておったのだが、どうすれば良いか分からず待っておったのだ。」

「それはすいません。」

「いやいや、孫の無罪が確定したでのぅ。それを報せたかっただけじゃて。で、今レイはどうしてるかのぅ。」

「頑張ってますよ。」

「おっ!という事はもしや!」

「それはお楽しみという事で、もし良かったら誰にも観られない場所と信用出来る方をお願い出来ますか?」

「おぉ、そうじゃのぅ。使徒様が戦える様にして下さったという方が面倒事は無さそうじゃしのぅ。では、1時間後にあの部屋からレイを連れて出てもらえるかのぅ。それまでに用意しておくゆえ。」

「分かりました。」

俺はそう言うとあの部屋に戻り、ルークとレイを呼びに行った。

「良かったなレイ。」

「あぁ、ありがとうルーク、それにしても酷い事にならなくて良かったよ。」

「なるなら俺が連れていくし、もしもの時はハロルドさんに相談して変装用の何かを用意してもらってほとぼりが冷めるまで、変装した状態で攻略組の建屋で過ごしてもらうさ。」

「それも手だな。」

「何言ってるんだよ。」

俺達は雑談をしながら待っているとデニムさんが迎えにきた。

「シュウト様、ルーク様お待たせ致しました。レイ様、お帰りなさいませ。」

「あぁ、ただいま、デニム。」

「では、皆様、此方へどうぞ。」

俺達はデニムさんに案内されたので着いていくとアノスさんの城の地下に案内された。

「・・・何故に練武場?」

「あぁ、アノスさんに頑張ってるって言ったらこうなったんだ。」

「あぁ・・・。」

「緊張するか?」

「まぁね。ずっとお爺様や父上には心配を掛けて来たからね。」

「なら、堂々としろ。俺が教えて、アノスさんに楽しみにって言ったんだ。外に出して恥ずかしく無い程度にはしてある。」

「あぁ、そうだな。シュウト、ありがとう。」

「まだ早いよ。アノスさんやセドさんに見せてからだろ。」

「そうだな。じゃあ行こうか。」

レイがそう言うとデニムさんは微笑みながら扉を開いた。

「おぉ、レイよ!久しぶりじゃのぅ。」

「お爺様、お久しぶりです。それにラグナ叔父上もお久しぶりでございます。」

「おう。戦える様になったと聞いたからな。俺が相手をしてやろうと思ってな!」

「え!?ラグナ叔父上がですか!?」

「あぁ、部下は連れて来れないからな。」

「あぁ、そういう事ですか。ありがとうございます。」

「そうじゃ、気にせんで良い。それとルーク王子も元に戻られた様で安心しました。」

「ご心配お掛けしました。」

「それではシュウト殿、レイの戦いを見せてもらいたいのだが、良いかのぅ?」

「レイ、行けるか?」

「あぁ、叔父上の胸を借りて頑張ってみるよ。」

レイはそう言うと練武場の真ん中の方に歩いていき、ラグナさんも歩いて行った。

「さぁ、何処からでも良いから掛かってこい!」

「はい!行きます!」

レイはそう言うと剣を抜いて舞始めた。すると横からアノスさんに声を掛けられた。

「シュウト殿、レイは何故踊っておるのだ?」

「まぁ先ずは観てあげて下さい。」

「そうじゃの。」

俺達の話が終わると同時にレイが動き出した。

レイは剣舞を使い、ラグナさんを翻弄しながら攻撃を繰り出し、ラグナさんも最初は様子を見る為に防戦一方という感じだったが、ある程度確認すると一旦、レイから離れた。

「最初は何故踊り始めたかと思ったがそういう戦い方か!なら、此方から攻撃されたらどうする!」

ラグナさんはそういうと守りから攻撃に切り替え、レイに突っ込んでいった。

するとレイは最初は剣舞で応戦していたが、少しずつ追い込まれてきたので、護身剣術に切り替えたのか、太極剣の動きでラグナさんの攻撃を受け流していた。

その後、攻守を交代する様にレイとラグナさんは戦っていたが、暫くするとラグナさんが離れ、剣を仕舞った。

「剣は良い感じだな!素手での戦いも出来るのか?」

「はい。それも教わりました。」

「そうか!」

ラグナさんはそう言うと剣を練武場の端に置いて中央に戻るとレイも呼応する様に剣を置きに行って中央に戻った。

「では、掛かってこい!」

「はい!」

レイはそう言うとカポエイラの動きを始めて、ラグナさんに蹴りを繰り出し、ラグナさんは今度は最初からボクシングスタイルで応戦し、レイの変則的な戦い方にも対応していた。

暫くするとラグナさんはレイの変則的な動きに慣れて来たのか、少しずつ押し始め、レイは堪らず護身術に切り替え、太極拳で対抗していた。

それを見ていたアノスさんは喜びながらも俺に質問してきた。

「シュウト殿、剣の時もそうじゃたが、何故踊るのじゃ?」

「それはラグナさんも聞きたいと思いますので、模擬戦の後でお話しますね。」

俺がそう言うとアノスさんは2人に声を掛けた。

「それまで!レイよ、よく頑張ったな!」

アノスさんが涙を流しながらそう言うと2人は模擬戦を止め、レイも涙を流し、頷いていた。

2人が戻るとラグナさんから声を掛けられた。

「シュウト殿、何故あの様な戦い方なのですか?」

あっ話し方が・・・まぁ、いいか。

「そうじゃ、もう教えて貰えるのかのぅ。」

「良いですよ。レイは攻撃系の武術は一切出来ないんですよ。しかも投擲、弓での攻撃も全く駄目なんです。」

「それは知っておる。」

「そこで、先ずは何処までが問題無いのか、身体を解して動ける様にしてから可能性を探って行くと舞踊ならば攻撃ではないので、武器を扱えるのでは無いかと思い、させてみると元々踊りに関しては才能があったのか、早目にスキルも獲得出来ましたので、次は防御系を、という感じで修得してもらいました。」

「なるほどのぅ。という事は今でも攻撃系は?」

「無理ですね。それに身体から離れれば離れる程、扱えなくなるので、最長であの剣になります。」

「なるほどのぅ。自ら攻勢に移る際の儂らから見たら無駄な動きもレイにとっては必要な事なのじゃのぅ。」

「そうですね。今はまだ防御と攻撃の間に無駄な動きが多少必要ですが、攻勢の際のあの動きは舞と考えれば無駄な動きは少ないですね。」

俺とアノスさんの話を聞いていたラグナさんが質問してきた。

「という事はシュウト殿からすると、もっと洗練されれスキルレベルも上がれば、動きは良くなるという事ですか?」

「そうですね。今はまだ1つの舞しか教えていないですし、スキルレベルも低いのでスキルレベルを上げ、他の舞も覚えればそうなって行くと思いますよ。」

それを聞いたラグナさんは感心し、考えを巡らせる様に顎に手を当てていた。

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