221 / 414
第220話 [眷属化。]
しおりを挟む
「う、う~ん。いつの間にか寝てたのか、此処は・・・ハッ!」
俺が目を覚ますとなんと!ライヤ様が膝枕をしてくれていたので、俺は慌てて立ち上がって慌てふためいていた。
「な、な、な、何故!?えっ!?ライア様!?えっ!?何で!?」
「ふっふっふっ・・・ハッハッハッ・・・シュウトもっ・・・ふっふっふ・・・そんなに慌てるのね。ふっふっふ・・・・・。」
俺の姿を見てライア様はソファーで涙を流しながら笑い転げていた。
「そ、そんなに笑う事ないだろ!」
「ごめん、ごめん、慌てるだろうなぁとは思ったけど、そこまで慌てるとは思わなくて。ふふっ。」
「寝たのは悪いと思うけどってまだ笑ってるし。」
ってか、何で膝枕してんだよ。
「仕方ないじゃない、あのまま放っておくわけにも行かなかったし、それにまぁ、邪神を退けたご褒美と謝罪よ。」
「仕方ない?膝枕が?」
「そっちじゃないわ。触れてた事よ。」
「どういう事だ?」
「シュウトは身体に馴染んでないのに無理矢理神気を使って戦ってたでしょ。」
「あぁ、けどスキルで直ぐに治してただろ。」
「それよ!貴方の身体は良くても魂は回復しないのよ!それなのに貴方は・・・・・」
「ちょ、一寸待ってくれ。まさか、あの時魂も持ってかれてたのか?」
「そうよ。貴方の行った事は魂を削って攻撃をしてたのよ。」
「だから戦い終わった後も痛みが有ったのか。」
「魂の消耗が表に出てくるのは相当危険な状態って事なのよ。」
「そこまで危なかったのか?」
「そうよ。もうあそこまで行くと自然には回復しないぐらいにね。放っておいたら傷口から血が出る様に魂を維持出来なくなって魂が消滅するところだったのよ。だから私がシュウトに触れて回復させたの。」
「そうか。悪かった、ありがとう。」
「良いのよ。」
「ただ膝枕なんてする必要があったのか?」
「それはだからご褒美と謝罪って言ったじゃない。もしかして嫌だった?」
「それは・・・まぁ、そのぅ・・・。」
俺はそう言いながら顔が熱くなるのが分かってライヤ様を見るとライヤ様はニヤニヤしていた。
「そ、そんな事よりご褒美は分かるけど謝罪って何だよ。」
「亜神になる為の修行って事を黙ってたから。」
「あぁ、それか。アレと戦う可能性が有ったからさせたんだろ?」
「えぇ。まだ確証は無かったから話せなかったし、嫌がってやらなくてもシュウトなら無理に戦いそうだったから。」
「ちゃんと理由を言ってくれたら断らないって。」
「それは多分断らないだろうなとは思ったけど、言ったら余計無理して修行しそうだったし。」
「まぁ、分かってたらするかもな。」
「でしょ。危険な修行をして万が一があったら駄目だったから言わなかったのもあるのよ。」
「あぁ何か悪い。結局俺の所為か。」
「って事で許してね。」
「分かった。ところで聞きたい事があるんだが良いか?」
「何?」
「アルティメットスキルで眷属化っていうのを獲得したんだけど、どういうスキルなんだ?神の瞳で見ても眷属化が可能って書いてあるだけなんだが?」
「そのままよ。簡単に言えばお互いの承認さえ有れば自分の眷属に出来るっていうスキルね。亜神に成ってもないのにもう獲得したの?」
「あぁ、邪神ソワレイカを消滅させた後にな。誰かがくれたのかと思ってた。」
「それは無いわ。亜神に成れば自然と持てるスキルだし、態々上げる程のモノじゃ無いしね。」
「それで眷属に成るとどうなるんだ?」
「そうねぇ・・・シュウトがレベルが上がったり、上位の種族に成ったりしたら、眷属に成った子たちに恩恵があるくらいかしら。」
「それって誰でも成れるのか?」
「貴方に敵対心というか、悪い感情が有れば別だけど、そうじゃなかったら成れるし、逆に信仰っていう程じゃなくても好意というか好感度が高い程、受けられる恩恵も強いわよ。」
「へぇ~好感度か、何か恥ずかしいな。」
「最初だけよ。」
「そんなものか。まぁいいや、それでデメリットは無いのか?」
「そうねぇあるにはあるけど、シュウトの眷属に成る様な子ならあまり関係ないかな。」
「そうなのか?」
「だって恨んだり、憎んだりしないと思うから。」
「それが関係あるのか?」
「ええ、眷属の主人である者に強い悪感情で攻撃する事が出来なくなるくらいだし、もしその感情が強まれば受ける恩恵は弱まるし、下手したら眷属を外れちゃうしね。」
「なるほどな。もし、眷属から外れたらどう成るんだ?何となくだけど眷属じゃなくなるだけじゃないんだろ?」
「そうね。あまり無い事だけど、眷属じゃなくなったら眷属である間に得た能力は全て無くなっちゃうわ。」
「自分自身で努力した結果であってもか?」
「そうね。自分で努力したとはいえ、眷属である以上、その恩恵のお陰で強く成れた部分は少なからず有るからね。」
「あぁ、そういう事か。」
「だから眷属に成る子には事前に知ってもらう必要があるわ。」
「まぁ、そうだな。」
「後はそうねぇ、今のシュウトには関係ないけど、加護や祝福なんかも眷属に成った時点で消えちゃうわね。」
「何でだ?」
「加護や祝福よりも受ける恩恵が強いからよ。」
「なるほどな。確かにそれなら加護も祝福も要らないか。」
「そういう事。今のシュウトは加護も祝福も出来ないだろうから関係ないのよ。ただ亜神に成ったらそのスキルも手に入るからその時はまた説明するわね。」
「そうだな。その時は頼む。」
「ええ、任せて。」
「ところで俺が亜神には成らないとは思わないのか?」
俺がそう言うとライヤ様は少し考える素振りを見せながら答えてくれた。
「そうねぇ・・・それって聞く意味ある?」
「う~ん。無いかも。」
「これからも邪神と戦う可能性が有ると思ってるでしょ?」
「やっぱり有るのか?」
「無いって言いたいけど、残念な事に私に恨みを持ってたりする子は居るからその子たちが何もしないとは言えないのよね。」
「殲星会か?」
「代表的な子たちはそうね。私も頑張ってはいるつもりだけど、救えない子たちもいるから・・・。」
ライヤ様はそう言いながら悲しげな表情をしていた。
「それは仕方がないんじゃないか?それでも頑張ってるんだろ?」
「えぇ出来る事はしてるつもりよ。」
「どれだけ頑張っても認めない様な強欲な奴は何処にでも居るもんだし、今のままで十分だと思うぞ。あまり頑張り過ぎて居なくなる方が、問題だしな。」
俺が微笑みながらそう言うとライヤ様は少しスッキリした表情になった。
「ありがとう。それじゃあそろそろ時間だと思うからまた今度ね。」
「そうなのか?」
「ええ、貴方の執事さんだと思うけど貴方の方に向かってるから。」
「もうそんな時間なのか!?」
「ええ、かなり回復に時間が掛かっちゃったから。」
「分かった。ありがとう。」
「良いのよ。あっでも無理しちゃダメよ。」
「分かってる。」
「ほんとかしら・・・まぁいいわ。眷属化、試してみてね。」
「あぁ、話してみるよ。」
俺がそう言うと光に包まれて気付くと像の前に居た。
俺が固まった身体を解していると扉を叩く音がした。
「シュウト様、そろそろ御時間でございますが入っても宜しいでしょうか?」
「あぁ、出るよ。」
俺がそう言って部屋を出ると俺の姿を見たバトは軽く頷いた。
「お疲れの御様子でしたが、回復なされたのですね。」
「あぁ、ライヤ様のお陰でな。」
「それは、ようございました。」
「あっそうだ。全員が戻った後、皆んなに話が有るから部屋を用意しといてくれないか?」
「承知致しました。」
俺はそう言うと転送門を開いてガシュウさんの居る所まで戻ると全員が揃って待っていた。
「お帰りなさいませシュウト様。」
「あれ?もしかして待たせましたか?」
「いえいえ、皆様今し方戻られたところですよ。それに参加された者ももう少し時間が掛かると思われますし。」
「そうなんですね。それは良かった。」
「おっ、シュウト、疲れは取れたみたいだな。」
「そう言うルークだってってか、皆んなも疲れてなさそうだな。」
「それはアストライヤー様のお陰らしいぞ。」
「そうなのか?」
「はい。突然光が降り注ぎ、戦っていた者全てを癒して頂けました。」
「それは良かった。」
その後、オレ達が雑談していると外から声を掛けられて、全員が揃った事の報告を受けた俺達は準備を整えて外に出た。
俺が軍幕を出ると今回参加してくれた全員が跪き頭をを垂れた。
これだけの人数が一気に動くと流石に壮観だなぁ。
俺がそう思っていると隣りに居たガシュウさんも俺の前へ行き、跪き頭を垂れた。
「この度は魔物工場ならびにその配下、拠点の殲滅、謹んでお祝い申し上げます。」
「うむ。皆、面を上げよ。・・・誰の犠牲も無く遂行出来たのは今回来てくれた者や協力してくれた全ての人々のお陰だ。こちらこそ感謝する。」
俺が促して全員の顔が上がるのを待ってから話を続けると歓声を上げる者や俺の言葉に涙する者が多く居た。
「使徒様、今の御言葉感涙に耐えません。素晴らしい御言葉ありがとうございます。」
「いや、本当の気持ちだ。それよりもガシュウ殿。」
「如何なさいましたか?」
「例の話だが、確証が取れた。」
「例の話というと邪神の事でしょうか?」
ガシュウさんがそう言うと周りがざわつき始めた。俺は全員が静かになるのを待って話始めた。
「邪神ソワレイカは消滅した。」
「なんと!誠でございますか!?」
「アストライヤー様に伺ったので間違いない。」
「それは素晴らしい!」
ガシュウさんはそう言うと立ち上がり皆んなが居る方に向き直った。
「皆よく聞きなさい!この度の戦いで残念ながら魔物工場が邪神を復活させてしまいましたが、使徒様御一行が邪神ソワレイカを撃退し、消滅させて頂けましたので、この国いや、世界の危機は退けられた事を宣言致します。」
ガシュウさんの言葉に再び盛大な歓喜の声があがり、暫くすると誰からとも無く俺に向かって平伏し始めた。
「な、どうしたというのだ!?」
「皆、使徒様に感謝しておるのです。」
「そ、そうか。」
俺はその状況に居た堪れなくなり、別れの挨拶を済ませるとルーク達を伴って、その場を後にした。
俺が目を覚ますとなんと!ライヤ様が膝枕をしてくれていたので、俺は慌てて立ち上がって慌てふためいていた。
「な、な、な、何故!?えっ!?ライア様!?えっ!?何で!?」
「ふっふっふっ・・・ハッハッハッ・・・シュウトもっ・・・ふっふっふ・・・そんなに慌てるのね。ふっふっふ・・・・・。」
俺の姿を見てライア様はソファーで涙を流しながら笑い転げていた。
「そ、そんなに笑う事ないだろ!」
「ごめん、ごめん、慌てるだろうなぁとは思ったけど、そこまで慌てるとは思わなくて。ふふっ。」
「寝たのは悪いと思うけどってまだ笑ってるし。」
ってか、何で膝枕してんだよ。
「仕方ないじゃない、あのまま放っておくわけにも行かなかったし、それにまぁ、邪神を退けたご褒美と謝罪よ。」
「仕方ない?膝枕が?」
「そっちじゃないわ。触れてた事よ。」
「どういう事だ?」
「シュウトは身体に馴染んでないのに無理矢理神気を使って戦ってたでしょ。」
「あぁ、けどスキルで直ぐに治してただろ。」
「それよ!貴方の身体は良くても魂は回復しないのよ!それなのに貴方は・・・・・」
「ちょ、一寸待ってくれ。まさか、あの時魂も持ってかれてたのか?」
「そうよ。貴方の行った事は魂を削って攻撃をしてたのよ。」
「だから戦い終わった後も痛みが有ったのか。」
「魂の消耗が表に出てくるのは相当危険な状態って事なのよ。」
「そこまで危なかったのか?」
「そうよ。もうあそこまで行くと自然には回復しないぐらいにね。放っておいたら傷口から血が出る様に魂を維持出来なくなって魂が消滅するところだったのよ。だから私がシュウトに触れて回復させたの。」
「そうか。悪かった、ありがとう。」
「良いのよ。」
「ただ膝枕なんてする必要があったのか?」
「それはだからご褒美と謝罪って言ったじゃない。もしかして嫌だった?」
「それは・・・まぁ、そのぅ・・・。」
俺はそう言いながら顔が熱くなるのが分かってライヤ様を見るとライヤ様はニヤニヤしていた。
「そ、そんな事よりご褒美は分かるけど謝罪って何だよ。」
「亜神になる為の修行って事を黙ってたから。」
「あぁ、それか。アレと戦う可能性が有ったからさせたんだろ?」
「えぇ。まだ確証は無かったから話せなかったし、嫌がってやらなくてもシュウトなら無理に戦いそうだったから。」
「ちゃんと理由を言ってくれたら断らないって。」
「それは多分断らないだろうなとは思ったけど、言ったら余計無理して修行しそうだったし。」
「まぁ、分かってたらするかもな。」
「でしょ。危険な修行をして万が一があったら駄目だったから言わなかったのもあるのよ。」
「あぁ何か悪い。結局俺の所為か。」
「って事で許してね。」
「分かった。ところで聞きたい事があるんだが良いか?」
「何?」
「アルティメットスキルで眷属化っていうのを獲得したんだけど、どういうスキルなんだ?神の瞳で見ても眷属化が可能って書いてあるだけなんだが?」
「そのままよ。簡単に言えばお互いの承認さえ有れば自分の眷属に出来るっていうスキルね。亜神に成ってもないのにもう獲得したの?」
「あぁ、邪神ソワレイカを消滅させた後にな。誰かがくれたのかと思ってた。」
「それは無いわ。亜神に成れば自然と持てるスキルだし、態々上げる程のモノじゃ無いしね。」
「それで眷属に成るとどうなるんだ?」
「そうねぇ・・・シュウトがレベルが上がったり、上位の種族に成ったりしたら、眷属に成った子たちに恩恵があるくらいかしら。」
「それって誰でも成れるのか?」
「貴方に敵対心というか、悪い感情が有れば別だけど、そうじゃなかったら成れるし、逆に信仰っていう程じゃなくても好意というか好感度が高い程、受けられる恩恵も強いわよ。」
「へぇ~好感度か、何か恥ずかしいな。」
「最初だけよ。」
「そんなものか。まぁいいや、それでデメリットは無いのか?」
「そうねぇあるにはあるけど、シュウトの眷属に成る様な子ならあまり関係ないかな。」
「そうなのか?」
「だって恨んだり、憎んだりしないと思うから。」
「それが関係あるのか?」
「ええ、眷属の主人である者に強い悪感情で攻撃する事が出来なくなるくらいだし、もしその感情が強まれば受ける恩恵は弱まるし、下手したら眷属を外れちゃうしね。」
「なるほどな。もし、眷属から外れたらどう成るんだ?何となくだけど眷属じゃなくなるだけじゃないんだろ?」
「そうね。あまり無い事だけど、眷属じゃなくなったら眷属である間に得た能力は全て無くなっちゃうわ。」
「自分自身で努力した結果であってもか?」
「そうね。自分で努力したとはいえ、眷属である以上、その恩恵のお陰で強く成れた部分は少なからず有るからね。」
「あぁ、そういう事か。」
「だから眷属に成る子には事前に知ってもらう必要があるわ。」
「まぁ、そうだな。」
「後はそうねぇ、今のシュウトには関係ないけど、加護や祝福なんかも眷属に成った時点で消えちゃうわね。」
「何でだ?」
「加護や祝福よりも受ける恩恵が強いからよ。」
「なるほどな。確かにそれなら加護も祝福も要らないか。」
「そういう事。今のシュウトは加護も祝福も出来ないだろうから関係ないのよ。ただ亜神に成ったらそのスキルも手に入るからその時はまた説明するわね。」
「そうだな。その時は頼む。」
「ええ、任せて。」
「ところで俺が亜神には成らないとは思わないのか?」
俺がそう言うとライヤ様は少し考える素振りを見せながら答えてくれた。
「そうねぇ・・・それって聞く意味ある?」
「う~ん。無いかも。」
「これからも邪神と戦う可能性が有ると思ってるでしょ?」
「やっぱり有るのか?」
「無いって言いたいけど、残念な事に私に恨みを持ってたりする子は居るからその子たちが何もしないとは言えないのよね。」
「殲星会か?」
「代表的な子たちはそうね。私も頑張ってはいるつもりだけど、救えない子たちもいるから・・・。」
ライヤ様はそう言いながら悲しげな表情をしていた。
「それは仕方がないんじゃないか?それでも頑張ってるんだろ?」
「えぇ出来る事はしてるつもりよ。」
「どれだけ頑張っても認めない様な強欲な奴は何処にでも居るもんだし、今のままで十分だと思うぞ。あまり頑張り過ぎて居なくなる方が、問題だしな。」
俺が微笑みながらそう言うとライヤ様は少しスッキリした表情になった。
「ありがとう。それじゃあそろそろ時間だと思うからまた今度ね。」
「そうなのか?」
「ええ、貴方の執事さんだと思うけど貴方の方に向かってるから。」
「もうそんな時間なのか!?」
「ええ、かなり回復に時間が掛かっちゃったから。」
「分かった。ありがとう。」
「良いのよ。あっでも無理しちゃダメよ。」
「分かってる。」
「ほんとかしら・・・まぁいいわ。眷属化、試してみてね。」
「あぁ、話してみるよ。」
俺がそう言うと光に包まれて気付くと像の前に居た。
俺が固まった身体を解していると扉を叩く音がした。
「シュウト様、そろそろ御時間でございますが入っても宜しいでしょうか?」
「あぁ、出るよ。」
俺がそう言って部屋を出ると俺の姿を見たバトは軽く頷いた。
「お疲れの御様子でしたが、回復なされたのですね。」
「あぁ、ライヤ様のお陰でな。」
「それは、ようございました。」
「あっそうだ。全員が戻った後、皆んなに話が有るから部屋を用意しといてくれないか?」
「承知致しました。」
俺はそう言うと転送門を開いてガシュウさんの居る所まで戻ると全員が揃って待っていた。
「お帰りなさいませシュウト様。」
「あれ?もしかして待たせましたか?」
「いえいえ、皆様今し方戻られたところですよ。それに参加された者ももう少し時間が掛かると思われますし。」
「そうなんですね。それは良かった。」
「おっ、シュウト、疲れは取れたみたいだな。」
「そう言うルークだってってか、皆んなも疲れてなさそうだな。」
「それはアストライヤー様のお陰らしいぞ。」
「そうなのか?」
「はい。突然光が降り注ぎ、戦っていた者全てを癒して頂けました。」
「それは良かった。」
その後、オレ達が雑談していると外から声を掛けられて、全員が揃った事の報告を受けた俺達は準備を整えて外に出た。
俺が軍幕を出ると今回参加してくれた全員が跪き頭をを垂れた。
これだけの人数が一気に動くと流石に壮観だなぁ。
俺がそう思っていると隣りに居たガシュウさんも俺の前へ行き、跪き頭を垂れた。
「この度は魔物工場ならびにその配下、拠点の殲滅、謹んでお祝い申し上げます。」
「うむ。皆、面を上げよ。・・・誰の犠牲も無く遂行出来たのは今回来てくれた者や協力してくれた全ての人々のお陰だ。こちらこそ感謝する。」
俺が促して全員の顔が上がるのを待ってから話を続けると歓声を上げる者や俺の言葉に涙する者が多く居た。
「使徒様、今の御言葉感涙に耐えません。素晴らしい御言葉ありがとうございます。」
「いや、本当の気持ちだ。それよりもガシュウ殿。」
「如何なさいましたか?」
「例の話だが、確証が取れた。」
「例の話というと邪神の事でしょうか?」
ガシュウさんがそう言うと周りがざわつき始めた。俺は全員が静かになるのを待って話始めた。
「邪神ソワレイカは消滅した。」
「なんと!誠でございますか!?」
「アストライヤー様に伺ったので間違いない。」
「それは素晴らしい!」
ガシュウさんはそう言うと立ち上がり皆んなが居る方に向き直った。
「皆よく聞きなさい!この度の戦いで残念ながら魔物工場が邪神を復活させてしまいましたが、使徒様御一行が邪神ソワレイカを撃退し、消滅させて頂けましたので、この国いや、世界の危機は退けられた事を宣言致します。」
ガシュウさんの言葉に再び盛大な歓喜の声があがり、暫くすると誰からとも無く俺に向かって平伏し始めた。
「な、どうしたというのだ!?」
「皆、使徒様に感謝しておるのです。」
「そ、そうか。」
俺はその状況に居た堪れなくなり、別れの挨拶を済ませるとルーク達を伴って、その場を後にした。
55
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜
ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが……
この世界の文明レベル、低すぎじゃない!?
私はそんなに凄い人じゃないんですけど!
スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる