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第326話 [ルークの戦闘スタイル。]
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温泉を出た俺が涼んでいると肩をトントンと叩かれた。
「ん?ルークか、もう行くのか?」
「いや、先ずはドラウのとこに寄ってからだな。」
「ドラウのとこ?・・・あぁ、ルークが頼んでた物が出来たのか?」
俺がそう言うと丁度温泉からドラウが出てきた。
「試作品が幾つか出来ただけだ。俺も今までにねぇもんを造ってみたからなぁ上手くいくか、分かんねぇから数を打ってみたんだよ。ルークが使ってみて一番しっくりくるもんと一番損傷が少ねぇのと激しいのを比べて、合うもんを造ってく感じだな。」
「・・・それで俺と修行したいのか?」
「それもあるな。なんせ前世の俺の戦い方を知ってんのはアキト達か、シュウトだろ?流石に新婚のアキト達には頼めねぇからな。」
「そうか、まぁ確かに。だが、この世界じゃあ前世と同じなら俺と良い勝負っていうのは難しいかもしれないぞ?」
「わぁってるって。だがよぅ、俺も前世のままじゃねぇぞ。」
「そうだろうな。接近戦が得意じゃなかったからな。」
「おうよ。今世じゃ最初の方は接近戦しか出来なかったからなぁ、前世を思い出すまでは接近戦の方が得意っつうか、スリルがあって楽しかったからなぁ。」
「まぁそうだろうな。俺から見てもそう思うからなぁ。」
「それじゃあシュウトも着いてくるか?」
ドラウがそう言うのでドラウの工房が在る洞窟フィールドに移動し、工房の中に入ると数十種類の銃火器らしき物と爆弾らしき物が並んでいた。
「かなりの量を造ったんだなぁ・・・。」
「ルークからある程度は聞いてはいたが、全てぼんやりとしたもんだったからなぁ。」
「そうなのか?」
俺がそう言いながらルークを見るとルークは頭を搔きながら苦笑いをしていた。
「しゃあねぇだろ?元々うっすらとしか記憶にねぇし、ハッキリしたもんだとコッチの世界だと大したもんじゃねぇしな。それにどうせならアッチの世界では実現出来なかったもんで戦いてぇじゃねぇか。」
「そういう事か。」
俺はそう言いながら見知った銃を一丁、手に取り動かしてみた。
「ほう。コレはリボルバー式かぁ・・・ん?弾は何処に入れるんだ?」
「別々にする意味はあんま無かったからなぁ、気か魔力を込めれば勝手に生成される様になってんぞ。」
「あぁ、そういう事か。だが、それだと何発残ってるかってどう分かるんだ?」
「斜め後ろから見たら小せぇ穴が空いてるだろ?弾が入ってた本人に見える程度に光るんだって言っても光ってる様に見えるだけだがな。」
「へぇ~、その生成される弾ってどんな形なんだ?」
俺がそう言うとドラウが生成される弾を手渡してきた。
「他のもそうだが、着弾と同時に魔法が発動したり、気を硬質化した物がそのまま貫くかって感じだな。」
「じゃあコレも気を固めた物なのか?」
「ソレは火魔法だな。まぁでもパッと見じゃあ分かんねぇ様にしてあるぞ。」
「じゃあどれもそうなのか?」
「火とかで貫通させる為に態とコーティングしねぇ限りは分からねぇ方が面白ぇだろ?」
「まぁそうだな。しかしあれだな・・・。」
俺はそう言いながら銃口を覗いていた。
「ん?どうしたんだ?」
「いや、コレって狙った場所に当たるのか?」
「どういう意味だ?」
「いや、ライフリングが無いからさぁ。」
「ライフリング?」
「そう、前世の銃にはライフリングって言って螺旋状の溝を内側に施して、弾丸を真っ直ぐ飛ばせる様に回転させる事で空気抵抗を減らして命中率、破壊力を上げられる様にしてあったんだ。」
「・・・あぁ、それなら確かに考えたが、弾が弾だからなぁ、今回は溝を彫るんじゃなくて魔法陣で命中率、威力を上げて、他の付与も出来る様にしたんだ。」
「あぁ、そういう事か。しかし本当に色々有るなぁ。」
そう言う俺の前には前世でもあった銃剣付きの銃や槍の先に銃口が在る物、剣の柄部分が拳銃になってる物、ゲームやアニメでしか見た事のない物が並んでいた。
「それで直ぐにでも使えるのか?」
「全部使ってもらっても良いが、ルーク、それぞれの機能や特性なんかは覚えてるだろうなぁ?」
「あぁ、俺が使うヤツだからなぁ、爆弾も全部覚えてるぞ。」
「そうか、それなら良いが、これから模擬戦するシュウトには分からねぇ様に一応どれがどれとかは言っとくな。」
ドラウはそう言うと簡単に全ての銃火器と爆弾を説明し、ルークに仕舞わせていき、全てを仕舞うとルークは俺の方を見た。
「じゃあ行くか。」
「どっちが良いんだ?」
「どっち?」
「いやいや、荒野か森かだよ。」
「あぁ、俺的にはどっちでも良いんだが、それなら仕掛ける場所が多い森だな。」
「OK。じゃあ行こうか。」
俺達はそう言うと森/川フィールドへと移動した。
「ん?ドラウも着いてくるのか?」
「使ってるとこを見ねぇと造るべきもんが見えてこねぇからなぁ。」
「それは分かるが危ないぞ。」
「それなら大丈夫だ。ちゃんと造っては有るが、本気のルークが使えるまでの威力は出せねぇだろうし、出せても納得出来るレベルのもんじゃないだろうからな。コレで十分だ。」
ドラウはそう言うと自身の周りに水晶を浮かべて旋回させていた。
「それは結界魔道具かなにかか?」
「おう。一応眷属に成る前の攻撃なら防げるレベルのもんだ。」
「それなら大丈夫なのか?」
「造った俺が大丈夫って言うんだ、大丈夫に決まってるだろ。」
「そうか、それなら始めるか。それでルークは潜伏する感じから始めるのか、この場で直ぐに始めるのか、どっちが良いんだ?」
「・・・潜伏だな。」
「ある程度場所は制限するぞ。」
「そりゃそうだろ。じゃねぇと何時までも終わらねぇだろうしな。」
「まぁ、確かに面倒っていうのはあるけど、後、潜伏する場所にもよるだろうが、今の俺だと何時までもって事はないと思うぞ。」
「流石の自信だなぁ。」
「いやいや、言っても此処は俺の世界だぞ。神の瞳とダンジョンの地図画面を合わせれば一瞬だろ?」
「あぁ、そうか。まぁいいや、それでどうするんだ?」
「とりあえず1km圏内だな。」
「そんなに離れてて良いのか?」
「まぁ、それくらい広くないと性能テストも出来ないだろ?」
「まぁそうか。じゃあな。」
ルークはそう言うと森の奥へ入って行った。
「さてと、此処で気配を察知し続けるのも卑怯だし、そうだなぁ・・・ドラウ、とりあえず暫く・・・10・・・15分そこに居てくれるか?」
「シュウトはどうするんだ?」
「あの量の爆弾だからなぁ仕掛けるのにそのくらいの時間が有れば準備出来るだろうから別のフィールドにでも行って戻ってくるよ。」
「そんなに直ぐに出来るのか?」
「前世の事を考えると本来なら戦闘中でも可能だろうが、久しぶりだろうからな。」
「・・・罠の話だよなぁ?」
「そうだぞ。ルークの前世での異名はトラップマスターとか、トラッパーキングとか呼ばれてて普通なら近付く事も困難で言ってた通り森なんかで潜伏されたら見付けられないだろうし、気が付いた頃には敵の周りは罠だらけで1歩も動けなくなるだろうな。」
「凄まじい能力だな。」
「って事で、久しぶりっていう事でのハンデだ。待っててくれるか?」
「良いぞ。」
ドラウの返事を聞いた俺はフィールドを移動して予定通りに戻って来ると息を大きく吸い込んだ。
「ルーク!!!行くぞぉぉぉー!!!」
俺は大声でそう叫ぶとルークが行った方向とは違う方へと先ずは走り、森に入ると直ぐ、足元に蔓で輪っかが作られていた。
コレがあるって事は・・・。
そう思いながら近くにあった枝を折って輪っかの中心に投げると蔓が巻き付いて枝を何処かへ飛ばしてしまった。
「久しぶりだと思ったけど、あんなに時間は要らなかったか?」
俺がそう言った矢先遠くから銃声が聞こえたので既で避けると近くの木に当たり、それが引き金になった様で幾つもの罠が発動し、俺に襲いかかってきた。
俺は発動する数々の罠を掻い潜り、1度発動した罠があった場所まで戻ってきた。
「ブランク無しかよ!」
俺がそう叫ぶと銃弾が降り注ぎ、罠が無いはずの場所に避難すると爆弾が再びセットされていて、ダメージが通る程では無かったが吹き飛ばされて、銃撃を喰らってしまった。
「クソッ!時間を与え過ぎたか?」
「おうよ。久々だったが、上手くいったぜ。まだ威力のねぇのしかねぇのが残念ってとこだな。」
俺がそう言うとルークは俺の言葉に返答しながら森から出てきた。
「何だ?もう出てきたのか?」
「さっきので設置型の爆弾関係は使い切ったからなぁ。それに仕掛けた罠も全部喰らってくれたしな。」
「全部?俺が入ってく場所はルークの入ってった場所とは反対方向だったんだぞ?」
「いや、普通ならそっちから設置するが相手がシュウトだったからなぁ。時間もどれくれぇ有るか分かんねぇのに森全体に罠を仕掛けるのは馬鹿がする事だろ?」
「まぁそうだな。最初に猶予を与えるとも何とも言ってなかったからな。」
「だろ?」
「それで、もう終わりにするのか?」
「いやいや、シュウトが問題ねぇなら荒野に行って、武器の方のテストをしてぇんだが、どうだ?」
「俺は良いぞ。じゃあ移動するか。」
俺達はそう言うと荒野/渓谷フィールドへと移動した。
「じゃあ戦い方はどうする?」
「前世の映画で観た10歩離れるやつで良いんじゃねぇか?」
「あぁ、西部劇のか、分かった。武器はどうする?最初から装備した状態から始めるか?」
「最初からでも合図の後でもどっちでも良いが、シュウトはどっちにしろ杖だろ?」
「そうだな。本気じゃないにしろルークと戦うのに他の武器は有り得ないからな。」
「じゃあ出したままで。」
ルークは俺の言葉にニヤリと笑みを浮かべながらそう言ったので、俺は話を続けた。
「合図はどうする?」
「ドラウ、硬貨って持ってるか?」
「金貨なら有るぞ。」
「じゃあ俺達が離れて振り向いたら何時でも良いから弾いてくれ。」
「おう・・・落ちたら開始みたいな事か?」
「そういう事だ。」
「任せろ。」
ドラウの同意も得た俺達はお互い武器を取り出して背中を合わせると10歩、歩いて振り向いた。
ドラウは俺達の様子を見て、金貨を指の先に載せるとピンッと弾いた。
「ん?ルークか、もう行くのか?」
「いや、先ずはドラウのとこに寄ってからだな。」
「ドラウのとこ?・・・あぁ、ルークが頼んでた物が出来たのか?」
俺がそう言うと丁度温泉からドラウが出てきた。
「試作品が幾つか出来ただけだ。俺も今までにねぇもんを造ってみたからなぁ上手くいくか、分かんねぇから数を打ってみたんだよ。ルークが使ってみて一番しっくりくるもんと一番損傷が少ねぇのと激しいのを比べて、合うもんを造ってく感じだな。」
「・・・それで俺と修行したいのか?」
「それもあるな。なんせ前世の俺の戦い方を知ってんのはアキト達か、シュウトだろ?流石に新婚のアキト達には頼めねぇからな。」
「そうか、まぁ確かに。だが、この世界じゃあ前世と同じなら俺と良い勝負っていうのは難しいかもしれないぞ?」
「わぁってるって。だがよぅ、俺も前世のままじゃねぇぞ。」
「そうだろうな。接近戦が得意じゃなかったからな。」
「おうよ。今世じゃ最初の方は接近戦しか出来なかったからなぁ、前世を思い出すまでは接近戦の方が得意っつうか、スリルがあって楽しかったからなぁ。」
「まぁそうだろうな。俺から見てもそう思うからなぁ。」
「それじゃあシュウトも着いてくるか?」
ドラウがそう言うのでドラウの工房が在る洞窟フィールドに移動し、工房の中に入ると数十種類の銃火器らしき物と爆弾らしき物が並んでいた。
「かなりの量を造ったんだなぁ・・・。」
「ルークからある程度は聞いてはいたが、全てぼんやりとしたもんだったからなぁ。」
「そうなのか?」
俺がそう言いながらルークを見るとルークは頭を搔きながら苦笑いをしていた。
「しゃあねぇだろ?元々うっすらとしか記憶にねぇし、ハッキリしたもんだとコッチの世界だと大したもんじゃねぇしな。それにどうせならアッチの世界では実現出来なかったもんで戦いてぇじゃねぇか。」
「そういう事か。」
俺はそう言いながら見知った銃を一丁、手に取り動かしてみた。
「ほう。コレはリボルバー式かぁ・・・ん?弾は何処に入れるんだ?」
「別々にする意味はあんま無かったからなぁ、気か魔力を込めれば勝手に生成される様になってんぞ。」
「あぁ、そういう事か。だが、それだと何発残ってるかってどう分かるんだ?」
「斜め後ろから見たら小せぇ穴が空いてるだろ?弾が入ってた本人に見える程度に光るんだって言っても光ってる様に見えるだけだがな。」
「へぇ~、その生成される弾ってどんな形なんだ?」
俺がそう言うとドラウが生成される弾を手渡してきた。
「他のもそうだが、着弾と同時に魔法が発動したり、気を硬質化した物がそのまま貫くかって感じだな。」
「じゃあコレも気を固めた物なのか?」
「ソレは火魔法だな。まぁでもパッと見じゃあ分かんねぇ様にしてあるぞ。」
「じゃあどれもそうなのか?」
「火とかで貫通させる為に態とコーティングしねぇ限りは分からねぇ方が面白ぇだろ?」
「まぁそうだな。しかしあれだな・・・。」
俺はそう言いながら銃口を覗いていた。
「ん?どうしたんだ?」
「いや、コレって狙った場所に当たるのか?」
「どういう意味だ?」
「いや、ライフリングが無いからさぁ。」
「ライフリング?」
「そう、前世の銃にはライフリングって言って螺旋状の溝を内側に施して、弾丸を真っ直ぐ飛ばせる様に回転させる事で空気抵抗を減らして命中率、破壊力を上げられる様にしてあったんだ。」
「・・・あぁ、それなら確かに考えたが、弾が弾だからなぁ、今回は溝を彫るんじゃなくて魔法陣で命中率、威力を上げて、他の付与も出来る様にしたんだ。」
「あぁ、そういう事か。しかし本当に色々有るなぁ。」
そう言う俺の前には前世でもあった銃剣付きの銃や槍の先に銃口が在る物、剣の柄部分が拳銃になってる物、ゲームやアニメでしか見た事のない物が並んでいた。
「それで直ぐにでも使えるのか?」
「全部使ってもらっても良いが、ルーク、それぞれの機能や特性なんかは覚えてるだろうなぁ?」
「あぁ、俺が使うヤツだからなぁ、爆弾も全部覚えてるぞ。」
「そうか、それなら良いが、これから模擬戦するシュウトには分からねぇ様に一応どれがどれとかは言っとくな。」
ドラウはそう言うと簡単に全ての銃火器と爆弾を説明し、ルークに仕舞わせていき、全てを仕舞うとルークは俺の方を見た。
「じゃあ行くか。」
「どっちが良いんだ?」
「どっち?」
「いやいや、荒野か森かだよ。」
「あぁ、俺的にはどっちでも良いんだが、それなら仕掛ける場所が多い森だな。」
「OK。じゃあ行こうか。」
俺達はそう言うと森/川フィールドへと移動した。
「ん?ドラウも着いてくるのか?」
「使ってるとこを見ねぇと造るべきもんが見えてこねぇからなぁ。」
「それは分かるが危ないぞ。」
「それなら大丈夫だ。ちゃんと造っては有るが、本気のルークが使えるまでの威力は出せねぇだろうし、出せても納得出来るレベルのもんじゃないだろうからな。コレで十分だ。」
ドラウはそう言うと自身の周りに水晶を浮かべて旋回させていた。
「それは結界魔道具かなにかか?」
「おう。一応眷属に成る前の攻撃なら防げるレベルのもんだ。」
「それなら大丈夫なのか?」
「造った俺が大丈夫って言うんだ、大丈夫に決まってるだろ。」
「そうか、それなら始めるか。それでルークは潜伏する感じから始めるのか、この場で直ぐに始めるのか、どっちが良いんだ?」
「・・・潜伏だな。」
「ある程度場所は制限するぞ。」
「そりゃそうだろ。じゃねぇと何時までも終わらねぇだろうしな。」
「まぁ、確かに面倒っていうのはあるけど、後、潜伏する場所にもよるだろうが、今の俺だと何時までもって事はないと思うぞ。」
「流石の自信だなぁ。」
「いやいや、言っても此処は俺の世界だぞ。神の瞳とダンジョンの地図画面を合わせれば一瞬だろ?」
「あぁ、そうか。まぁいいや、それでどうするんだ?」
「とりあえず1km圏内だな。」
「そんなに離れてて良いのか?」
「まぁ、それくらい広くないと性能テストも出来ないだろ?」
「まぁそうか。じゃあな。」
ルークはそう言うと森の奥へ入って行った。
「さてと、此処で気配を察知し続けるのも卑怯だし、そうだなぁ・・・ドラウ、とりあえず暫く・・・10・・・15分そこに居てくれるか?」
「シュウトはどうするんだ?」
「あの量の爆弾だからなぁ仕掛けるのにそのくらいの時間が有れば準備出来るだろうから別のフィールドにでも行って戻ってくるよ。」
「そんなに直ぐに出来るのか?」
「前世の事を考えると本来なら戦闘中でも可能だろうが、久しぶりだろうからな。」
「・・・罠の話だよなぁ?」
「そうだぞ。ルークの前世での異名はトラップマスターとか、トラッパーキングとか呼ばれてて普通なら近付く事も困難で言ってた通り森なんかで潜伏されたら見付けられないだろうし、気が付いた頃には敵の周りは罠だらけで1歩も動けなくなるだろうな。」
「凄まじい能力だな。」
「って事で、久しぶりっていう事でのハンデだ。待っててくれるか?」
「良いぞ。」
ドラウの返事を聞いた俺はフィールドを移動して予定通りに戻って来ると息を大きく吸い込んだ。
「ルーク!!!行くぞぉぉぉー!!!」
俺は大声でそう叫ぶとルークが行った方向とは違う方へと先ずは走り、森に入ると直ぐ、足元に蔓で輪っかが作られていた。
コレがあるって事は・・・。
そう思いながら近くにあった枝を折って輪っかの中心に投げると蔓が巻き付いて枝を何処かへ飛ばしてしまった。
「久しぶりだと思ったけど、あんなに時間は要らなかったか?」
俺がそう言った矢先遠くから銃声が聞こえたので既で避けると近くの木に当たり、それが引き金になった様で幾つもの罠が発動し、俺に襲いかかってきた。
俺は発動する数々の罠を掻い潜り、1度発動した罠があった場所まで戻ってきた。
「ブランク無しかよ!」
俺がそう叫ぶと銃弾が降り注ぎ、罠が無いはずの場所に避難すると爆弾が再びセットされていて、ダメージが通る程では無かったが吹き飛ばされて、銃撃を喰らってしまった。
「クソッ!時間を与え過ぎたか?」
「おうよ。久々だったが、上手くいったぜ。まだ威力のねぇのしかねぇのが残念ってとこだな。」
俺がそう言うとルークは俺の言葉に返答しながら森から出てきた。
「何だ?もう出てきたのか?」
「さっきので設置型の爆弾関係は使い切ったからなぁ。それに仕掛けた罠も全部喰らってくれたしな。」
「全部?俺が入ってく場所はルークの入ってった場所とは反対方向だったんだぞ?」
「いや、普通ならそっちから設置するが相手がシュウトだったからなぁ。時間もどれくれぇ有るか分かんねぇのに森全体に罠を仕掛けるのは馬鹿がする事だろ?」
「まぁそうだな。最初に猶予を与えるとも何とも言ってなかったからな。」
「だろ?」
「それで、もう終わりにするのか?」
「いやいや、シュウトが問題ねぇなら荒野に行って、武器の方のテストをしてぇんだが、どうだ?」
「俺は良いぞ。じゃあ移動するか。」
俺達はそう言うと荒野/渓谷フィールドへと移動した。
「じゃあ戦い方はどうする?」
「前世の映画で観た10歩離れるやつで良いんじゃねぇか?」
「あぁ、西部劇のか、分かった。武器はどうする?最初から装備した状態から始めるか?」
「最初からでも合図の後でもどっちでも良いが、シュウトはどっちにしろ杖だろ?」
「そうだな。本気じゃないにしろルークと戦うのに他の武器は有り得ないからな。」
「じゃあ出したままで。」
ルークは俺の言葉にニヤリと笑みを浮かべながらそう言ったので、俺は話を続けた。
「合図はどうする?」
「ドラウ、硬貨って持ってるか?」
「金貨なら有るぞ。」
「じゃあ俺達が離れて振り向いたら何時でも良いから弾いてくれ。」
「おう・・・落ちたら開始みたいな事か?」
「そういう事だ。」
「任せろ。」
ドラウの同意も得た俺達はお互い武器を取り出して背中を合わせると10歩、歩いて振り向いた。
ドラウは俺達の様子を見て、金貨を指の先に載せるとピンッと弾いた。
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