転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第335話 [迷宮・闘技場 Part3。]

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「この前のダンジョンのお陰で闘技場が出来たからテスターをレイとツバキにお願いしたんだよ。」

「そうなのでござるか?それならば拙者も・・・。」

 サスケがそう言うとボタンちゃんがサスケの袖を引っ張っていた。

「ん?おっとそうであった拙者、これからボタン達と共に遊技場に行くのでござったな。シュウト、すまないでござ・・・ん?どうしたでござるか?」

「違うよ父様、私達も行きたいんだよ。」

「父に気を使わなくても良いでござるぞ?」

「そうじゃないよ。シンジ君達と面白そうだからやってみたいねって話してたんだよね?」

「そうだよ。父ちゃんが戦ってるの見た時に姉ちゃん達も言ってたもんね。」

「メグ姉ちゃんも面白そうだから行こうとしたけど警備の人に駄目って言われたもんね。」

「メグミ?何時行ったの?」

「カナ姉達が食べてる時に暇だったから行ってみたんだよ。」

「ちょっと暇だからその辺散歩してくるって言って抜け駆けしようとしてたって事かな?」

「ち、ち、違うって!行けるなら皆んなで行こうと思って見に行っただけだって!」

「ほんと?」

「本当にほんと!そんな事したらカナ姉に怒られるのにする訳ないじゃん!」

「だったら良いけど、今度はちゃんと言ってからにしなさいね。」

「は~い。って事で父ちゃん、メグミ達も行って良い?」

「まぁ、お前達が行きたいなら構わないが折角の旅行なのに良いのか?」

 俺がそう言うとサスケを含めた全員が頷いたので連れて行く事にした。

「そういえばバト達はどうしたんだ?」

「バトはトルバと一緒にこの島の執事の人達に何か教えてるみたいだよ。」

「態々、旅行しにきたのにか?」

「お願いされて僕達が遊んでる間にやってるみたい。」

「・・・。」

「バトは趣味みたいなものだよ。トルバは自分の成長の為って感じだったけどね。」

「人に教える事でってやつか。」

「だろうね。それでサーシャもバトと同じかな。メイド道がどうのこうの言ってたし。」

「はぁ~、似た者夫婦ってやつだな。ナビコは?」

「ナビコは色んな所のご飯屋さん巡りをやってるよ。」

「一番楽しんでそうだな。」

「まぁ皆んなそれぞれで楽しんでるよ。」

「ドラウ達は?」

「あの2人は、いつも通り。旅行よりもシュウトの世界でゆっくり過ごす方が良いんだって。」

「らしいな。・・・そういえば此処に来てからコクを見てない気がするんだけど。」

「コク?コクは呑み屋街に居たよ。」

「まぁ好きな事してるならそれで良いか。じゃあそろそろ行くか?」

 俺達はそう言うと宿泊施設の部屋からアイテムボックス改に移動した。

「へぇ~此処が新しい迷宮なのかい?」

「そうだな。」

「ねぇ父ちゃん、凄いねぇ~っていうか、何でだろう?僕、懐かしい感じがするんだけど・・・?」

「おっ、そうか、そうか。その感覚は間違ってないぞ。」

「何で?」

「どうせならってスキアに頼んでテーマパークや野球ドーム、それにモータースポーツのゲート前をイメージして創ってもらったんだ。」

「へぇ~、だから懐かしいの?」

「やっぱり記憶は曖昧か?」

「う、うん。ごめんね。」

「謝る事はないさ。懐かしさだけでも感じてくれただけでも嬉しいからな。」

 俺がそう言うとシンジは笑顔に戻り、ゲートやモニターを見入っていた。

「シュウトはその為にこんな感じにしたでござるか?」

「それもあるがどっちかと言うと利便性だな。」

「確かに出入りは別になって離れてるから邪魔にはなってないけど、こんなに広いホールが必要なのかい?」

「一応な、攻略組の組員だけが来る訳じゃないってルークが言ってたからな。」

「なるほどね。それで話は変わるけど、天井に在る黒い板と入り口と出口を遮る様に並んでる大きな箱?は何の為に在るんだい?」

「アレはランキングが表示されるモニター・・・モニターじゃあ分からないか?えぇととりあえず表示されるんだよ。」

「ランキング?あぁ、ルークが言ってた討伐数の事かい?」

「あぁ、そうだな。それで並んでるボックスは自分のランキング前後がどの程度なのか、調べる端末が並んでるんだ。」

「個人の情報を人に見られない様にって事かい?」

「一応な。」

「でも、箱にしか見えないけど、何処に扉が在るんだい?」

 レイがそう言ったので俺は皆んなを連れてボックスの傍まで来て、ボックスの左側に付いてる板を指さした。

「コレに攻略組のカードを近付けたら開く様にしてあって中に居る時はこの板が赤く光るんだ。」

「へぇ~、今は両方起動してない感じかな?」

「そうだな。俺達にランキングは関係無いからな。」

「関係無い?」

「あぁ、じゃないと常に俺達が上位に居る事になるだろ?それだと皆んなのやる気を削ぐ事になるだろうしな。」

「あぁ、でも今回は僕達テスターなんだよね?起動テスト的な事はしなくても良いのかい?」

「あぁ・・・スキア、大丈夫なのか?・・・そうか、分かった。問題無いらしいぞ。」

「そうなのか。」

 俺がそう言うと皆んなは少し残念そうにしていた。

「・・・分かったよ。スキア、起動させてくれ。」

 俺がそう言うと上のモニターとボックスが起動し、モニターが映し出され、光り輝き、ボックスの方はウィンという音が鳴った。

「あれ?Aランクとか、Bランクとしか載ってないよ?」

「そりゃそうだろう、誰も挑戦してないし、Cランクにはランキングは存在しないからな。」

「存在しない?」

「ルークの話だとCランクはあまり意味が無いって話だったからなぁ。」

「攻略組の今の強さ的にって事かい。」

「だな。」

「それで、箱の中はどうなってるんだい?」

 レイに聞かれた俺はスキアに連絡してボックスを開いた。

「コレがボックスの中だな。俺も初めて見るから詳しい説明はまた後でスキアにでも聞いてくれ。」

 そう言いながら中を見るとカードを差し込む場所とモニターしかなかった。

「説明も何も無いか。」

「そうだね。明らかにココにカードを刺せって感じだもんね。」

「だな。」

「でもコレならランキング確認も簡単だし、一度の説明だけで済みそうだね。」

「だろうな。じゃあ次はゲートだな。」

 そう言うと俺達はゲートの方へと向かった。

「遠くから見てるとそこまで広さは感じなかったけど広いね。それにランク毎にゲートも別々なんだね。」

「だな。」

「CランクやBランクのゲートが多いのは混み合うのを避ける為かい?」

「あぁ、中の収容人数で分けてるみたいだな。」

「なるほどねぇ、それで僕達は何処から入れば良いんだい?」

「・・・スキアの話だと今回は色々データを取る為にも全員Cランクから始めて欲しいらしいぞ。」

「Cランク?こう言ったらなんだけど、それってデータも何も直ぐに終わるんじゃないの?」

「出現場所でどの程度変わるのかを測りたいらしいぞ。後、個人とパーティーの違いも欲しいらしいから、それもお願いしますだってよ。」

「それは良いでござるが、普段のパーティーの方が良いでござるよなぁ?」

「そうだ・・・あっ、それだとサスケは・・・ん?良いのか?・・・サスケは個人だけで良いみたいだぞ。」

「承知したでござる。」

 俺達はその後、どういう風に進めて行くかを話し合い、観察した上で戦うよりも初見で皆んな一気にやって、クリアしたらホールに戻って、次はパーティーでする事にした。

「では、行くでござるか。」

 サスケの掛け声と共に全員が中に入った。

 数十分後、全員が出て来て、また直ぐに2パーティーが入っていった。

「サスケ、どうだったんだ?」

「シュウトは魔物がどう出てくるかは知らないでござるか?」

「スキアに任せっきりだったからなぁ、彼処のダンジョンをベースに創ってもらったってだけだ。それなら聞き方を変えるわ、彼処のダンジョンとどう違うんだ?勿論魔物のランクが上がらないとかは別だぞ。」

「それは最初に聞いたでござるよ。というか、見てなかったでござるか?」

「スキアにホールの事を色々聞いてたからな。」

「そういう事でござるか。違いでござったな。彼処は最初から3体で時間経過で再びでござったよな。」

「そうだな。」

「Cランク以外は分からないでござるが、さっきのだけで言えば、先ずは1体でござるな。」

「誰でも戦える様にって事だな。」

「そうでござるな。魔物の数だけでいうとそこで倒して再び起動したらいきなり3体、9体、27体って感じで3倍づつ増えていって、最終200体以上は居たでござるが、それで終了って感じでござる。」

「3倍だろ?なら243体か、それで同じ魔物なのか?」

「違うでござる。増えた分、種類も1種類から2種類、2種類から3種類って感じで増えてったでござる。」

「やり難さみたいなのはあったのか?」

「バラバラに攻撃してくるなら良かったでござるが、スキアがかなり戦術を研究してるみたいで、種類が増えても戦術を踏まえて襲いかかってくるでござるよ。」

「随分やり難そうだな。」

「やり難いってレベルではないでござるよ。種類というか、属性も別で、不得意を得意な魔物が補ってるでござるから下手な冒険者や軍隊と戦うよりも大変でござったよ。」

「流石に苦戦したって事は無いだろ?」

「それは無いでござるが、上に上がっても同じならSランクくらいからは時間が掛かりそうでござるよ。」

「なるほどなぁ、一撃で倒せる魔物がそれだけ倒し難くなるって事か。」

「スキアは戦術を相当勉強したでござろうなぁ。尊敬するでござるよ。」

「それはスキアも喜ぶだろうな。」

 俺達がそう話しているとパーティーで挑んでいた2パーティーが同時に帰ってきた。

「ふぅ~面倒だったねぇツバキ。」

「息が合ってないパーティーならステータスが上のランクじゃないといつの間にか、倒されてるかも。」

「凄い数だったね。シンジ君。」

「うん。よくアレだけの数が収まるよね。」

「どこ見ても魔物、魔物、魔物、カナ姉、コレってランク上げても一緒だと思う?」

「父ちゃんの迷宮だから有り得るんじゃない?」

「有りそう~。強くはなくても鬱陶しいよね。」
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