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28.最後の訓練
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オツトメも、朝と夜の挨拶もできるようになって、胸だけでもイけるようになった。聖妃になるための準備はかなり進んでいる。
ひとりでスる訓練の時はコウヤのことを想ってするようになった。無意識に女性器のナカに指を挿れようとしていつも冷たい鉄に阻まれる。
もどかしくて切なくていっぱい腰を振ったたけど、満たされることはなかった。
***
「ついに明日だね」
夜の挨拶の余韻に浸っているとコウヤがカーテンを開けた。外は真っ暗で何も見えない。目を凝らすと星が見える気がした。
「今から最後の訓練をしよう」
訓練、という言葉に反応してゆるく首をあげた。
「最後?」
「さいご。ハクヒが聖妃になれればこの関係はおしまい」
「……なれなかったら?」
「自由になれるんじゃないかな。聖妃以外の聖姫は自由だから」
他人事のように言って、コウヤは窓の外に目を向けた。闇が深すぎて星ひとつ見えない、静かな空を見上げた。
「女御ってやつにならなくてもいいの?」
「いいよ」
「……そっか」
つまり俺かスイヒは自由になれる。聖妃になれなければ聖姫を続ける必要もない。でも、もしも聖妃になればコウヤを好きでいられなくなってしまう。自分から王を望まなければエンキのように堕とされるだけ。
「最後の訓練はここでしようか」
「そこで?」
コウヤが手招きをする。ふらつく足に喝を入れて彼の胸元に辿り着いた。窓の方をよく見ると、星が輝いている。顔に掛かる髪をかけてくれた。
「最後はキスの練習」
そのまま輪郭を捉えられて、胸の高鳴っていくのを感じた。キス、という言葉に唇が震えそうになる。
「目を瞑って、少しだけ口を開いて」
コウヤが俺の背中に腕を回した。いつの間にか頬を捉えていた指先が後頭部にまわる。逃げられないように頭を固定されて、
…顔が、近づいてくる。
「そのまま」
薄く目を瞑理、親指を丸めて手のひらを握りしめた。
「………できない…」
「どうして?」
「キスしたら…、俺は、……堕ちちゃう…」
咄嗟に自分の口元に手を滑り込ませた。コウヤの唇が手の甲に当たって、頬に触れた手は冷たかったのに唇はひどく熱い。気づけば熱い頬に涙が伝っていた。…本当に俺は、コウヤの事が好きらしい。キスをしたら戻れない気がした。
だって俺が好きになるべき人は、……。
「堕ちてしまうの?私に?」
「……、」
「ハクヒは、私のことが好きなの?」
少し考えて、…頷いた。
明日になればもう言えないかもしれない。俺が聖妃になってもなれなくても、コウヤを繋ぎ止めることはできない。今伝えなければ二度と本人に届くことはない。
「…残念。訓練はここでおしまい」
後頭部と背中に回った腕が解けた。顔を覆いながらその場に蹲る。泣き顔を見られないように俯いたまま涙を拭う。
「ハクヒ。本当に私のことが好きなら王に嘘はつくな」
いつものトーンだけど、口調が違う。俺は顔を上げた。
夜空の闇がコウヤの美しさを煌めかせている。
「聖妃と私、どちらを選ぶか考えておけ」
何も言えなかった。コウヤはそれだけ告げると部屋を出ていった。悲しくて辛くて、逃げるようにベッドに縋りついた。
ひとりでスる訓練の時はコウヤのことを想ってするようになった。無意識に女性器のナカに指を挿れようとしていつも冷たい鉄に阻まれる。
もどかしくて切なくていっぱい腰を振ったたけど、満たされることはなかった。
***
「ついに明日だね」
夜の挨拶の余韻に浸っているとコウヤがカーテンを開けた。外は真っ暗で何も見えない。目を凝らすと星が見える気がした。
「今から最後の訓練をしよう」
訓練、という言葉に反応してゆるく首をあげた。
「最後?」
「さいご。ハクヒが聖妃になれればこの関係はおしまい」
「……なれなかったら?」
「自由になれるんじゃないかな。聖妃以外の聖姫は自由だから」
他人事のように言って、コウヤは窓の外に目を向けた。闇が深すぎて星ひとつ見えない、静かな空を見上げた。
「女御ってやつにならなくてもいいの?」
「いいよ」
「……そっか」
つまり俺かスイヒは自由になれる。聖妃になれなければ聖姫を続ける必要もない。でも、もしも聖妃になればコウヤを好きでいられなくなってしまう。自分から王を望まなければエンキのように堕とされるだけ。
「最後の訓練はここでしようか」
「そこで?」
コウヤが手招きをする。ふらつく足に喝を入れて彼の胸元に辿り着いた。窓の方をよく見ると、星が輝いている。顔に掛かる髪をかけてくれた。
「最後はキスの練習」
そのまま輪郭を捉えられて、胸の高鳴っていくのを感じた。キス、という言葉に唇が震えそうになる。
「目を瞑って、少しだけ口を開いて」
コウヤが俺の背中に腕を回した。いつの間にか頬を捉えていた指先が後頭部にまわる。逃げられないように頭を固定されて、
…顔が、近づいてくる。
「そのまま」
薄く目を瞑理、親指を丸めて手のひらを握りしめた。
「………できない…」
「どうして?」
「キスしたら…、俺は、……堕ちちゃう…」
咄嗟に自分の口元に手を滑り込ませた。コウヤの唇が手の甲に当たって、頬に触れた手は冷たかったのに唇はひどく熱い。気づけば熱い頬に涙が伝っていた。…本当に俺は、コウヤの事が好きらしい。キスをしたら戻れない気がした。
だって俺が好きになるべき人は、……。
「堕ちてしまうの?私に?」
「……、」
「ハクヒは、私のことが好きなの?」
少し考えて、…頷いた。
明日になればもう言えないかもしれない。俺が聖妃になってもなれなくても、コウヤを繋ぎ止めることはできない。今伝えなければ二度と本人に届くことはない。
「…残念。訓練はここでおしまい」
後頭部と背中に回った腕が解けた。顔を覆いながらその場に蹲る。泣き顔を見られないように俯いたまま涙を拭う。
「ハクヒ。本当に私のことが好きなら王に嘘はつくな」
いつものトーンだけど、口調が違う。俺は顔を上げた。
夜空の闇がコウヤの美しさを煌めかせている。
「聖妃と私、どちらを選ぶか考えておけ」
何も言えなかった。コウヤはそれだけ告げると部屋を出ていった。悲しくて辛くて、逃げるようにベッドに縋りついた。
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