食べ盛りの王女と、魔法の国の呪われた王太子

リカールさん

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4章

呪いと魔法

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 時を遡ること10年と少し。
 太陽と海と温暖な気候に恵まれたソレイヤールが、未曽有の厄災に見舞われた。
 夏に雨が続いて作物は腐り、秋には隣国のミッテルスラムトが領土の割譲を求めて来た。ソレイヤールの辺境伯が土地の譲渡をミッテルスラムトの貴族に約束したという古い古文書が見つかったと主張するが、ソレイヤール側は捏造だと突っぱねた。その結果、ミッテルスラムトは宣戦を布告。これに対し国王レルニリウスもソレイヤール軍を出兵させるが、兵力の差に押されて、国境付近の村は占領され、略奪の限りを尽くされた。
 しかし、戦いが冬に突入した頃。ソレイヤールは、王室・兵士・神官・国民が一丸となって、ミッテルスラムトに応戦。戦局は奇跡的に好転し、ソレイヤールは領土を守り抜いた。
 その戦勝祝いの喜びも覚めやらぬ折り……。


 ベルヴィール宮で祝賀会が開かれたその日の深夜。
 騒いでいた人々も疲れて帰り始める頃。
 国王夫妻と、数人の神官が大広間で談笑をしているそのときに。
 王宮の中に、甲高い悲鳴が響き渡った。
 悲鳴は王の一人息子、ヴァレリウス王太子の部屋のあたりから聞こえてきた。
「顔が! 僕の、顔が!」
 駆けつけた王妃は、ベッドの上で泣きじゃくる王太子の顔を見て悲鳴をあげた。愛くるしい顔が醜く腫れていたからだ。
 だが、それ以上に信じられなかったのは、王太子の言葉だった。
「誰か、この仮面を取って!」  
「落ち着きなさい、仮面なんかついていませんよ」
 だがヴァレリウスを抱き寄せ、額にキスをしたとたん。王妃の顔色が変わった。
「どうして!?」
 短く叫んだ王妃はそのまま気を失い、遅れて入ってきた王が急いで抱き留めた。
 相次いで駆けつけた王宮付きの神官が、王太子の額に手を当ててから、顔をあげた。
「目には見えませんが、手触りからいうとなにかが、顔を覆っていて、……そう、ちょうど仮面のようです。殿下の顔にぴったり張り付いていて、とれません」
「見えないって、どういうことだ。不気味な仮面がついているじゃないか! なぜとれないのか!?」
 王の声は、震えていた。
「考えられることは一つでございます。王様。これは魔法から生まれたもの。仮面に生命を与え、殿下の顔に取り憑くように命じたのだと思われます。人目に触れぬようにする術式も書かれておるようです」
「それは……それはどういう意味だ」
 王の言葉に神官が苦しげに声を漏らした。
「神官の誰かが、王と王国に逆らい、殿下に呪いをかけたのでしょう……」

 
◆◆◆‡◆◆◆‡◆◆◆


「……まあ、このようなことがありまして、それ以来陛下たちは、殿下に魔法をかけた神官を探しながら、その呪いを解く方法を10年探し続けてきたのです。しかしどんなに努力をしても、殿下の顔から仮面は外れませんでした。どうやらその魔法を打ち消せるのはかけた本人だけのようです……」
 ティリアーノの長い話が終わったとき、アルネリアは首を傾げた。
「王太子殿下が命を狙われたというのなら、次の王位継承者が怪しいと相場が決まっていますけど。陛下の弟さんとか、従兄弟とか」
「それはないですね。王太子以外に王位継承者はいませんから」
「えっ! そんな。王位継承権が持つ者が数名いなかったら、万が一……」
 そこでアルネリアは言葉を飲み込んだ。王や王子、王女の死を匂わせる発言は、ノルデスラムト王宮内では禁忌である。幸いヴァレリウスたちは、その先を察しなかったらしい。
「まあ、これから弟でも生まれたら、私以外の王位継承者もできるでしょうけどね」
 のどかな声で王太子が答えた。
 のんきすぎる……。頭に浮かぶ思いを振り切り、アルネリアは重ねて尋ねた。
「では、呪いをかけられる理由は何でしょう。それがわかれば、犯人も自ずと浮上してくるはずですが」
「うーん……見当もつきませんね」
 王太子もティリアーノも首をかしげている。
「では、狙いは王を苦しめることでしょうか。王が神官の誰かか、そのゆかりの者に嫌がらせをしたり、誰かを追い落としたことは?」
 ヴァレリウス王太子とティリアーノが、顔を見合わせた。
「寛大な王は、誰かに嫌がらせをするような人物ではありません。ああ、いわれてみればひとりだけ、神官の資格を剥奪された者がいたという話を聞いたかな。なんでも規約を破ったとかで。そのとき僕はまだ、いたいけな少年だったから知らないんだけど」
「では、その者が逆恨みをして、ということは考えられませんか?」 
「いや、それは不可能なのです。その人が神官を剥奪されたのは、対ミッテルスラムト戦の前らしいです」
「資格がなくても勝手にやる人いますよ。アーレンにも商業許可がないのに道端で物売る人いるし」
 口を尖らせたアルネリアを見て王太子は少しだけ微笑んだ。
「それはない。神官は、資格を剥奪されると、魔法使いではいられなくなるのだから」
 語る王太子の横顔を、ティリアーノが物言いたげに見つめる。
「へえ、よくわかりませんが、魔法使いというのは、資格や職業に付随しているものなんですか。その人の才能とか血筋とかではなく」
「まあそのあたりは、国家機密ということで」
「それなら、話は簡単でしょう。神官全員をクビにして、魔法を奪ってしまえばいいじゃないですか」
 しかし、ヴァレリウスとティリアーノは、ゆっくりと首を左右に振る。
「それはできない。すでに国民はみな魔法に頼った生活をしているからね。神官とその魔法がなくなったら、国民が飢えて、国は滅びる」
「それでしたら、ひとりずつ神官の任を解いていけばよいではないですか。無実だとわかったらまた採用すればいいでしょう」
「それも無理です。残念ながら、一度任を解かれたら、神官どころか、魔法使いとしての能力もなくなるので。しかも神官は最高位のものから平神官まで合わせて2万人もいるのですよ。これでも数が足りないんですけどね。要するに犯人がわかれば、その人だけ資格を剥奪でき、呪いも消滅します。罪なき魔法使いの魔法を取り上げるようことをしなくて済む。あなたたちはそれだけ考えてくれればいい」
 十分に情報を与えないで、協力だけしろというのか。アルネリアは一瞬眉を寄せたが、すぐに作り笑いでごまかした。無理もない。大きな産業もなく、軍事力もないソレイヤールが豊かな暮らしをしているのは、魔法の力によるものだったということになる。その詳細を、簡単によそ者に伝えられるわけがない。
「この王太子の呪いのことを知っている人は?」
「限られています。国王陛下ご夫妻、王太子殿下ご本人、そのとき居合わせた王宮付き神官である私の父。その息子の私。それから大神官。あとは犯人ですね。その他の人たちには知らせていないし、話したところで信じてもくれないでしょう」
  それほど重大なことを、一介の旅行者に打ち明けたと言うことは、よほど追い詰められているのだろう。
「それからもうひとついいですか? ミッテルスラムトとの戦いに勝ったのも、魔法の力の功績が大きいのでしょうか? たとえばあの鎧の兵士をたくさん作って」
「まあ、……それもないとはいわないかな~」
 ティリアーノの目が冷たく光ったので、アルネリアは質問を打ち切ることにした。なんといっても捕囚同然なのだ。ここで下手な質問をして怒らせるわけにはいかない。
「とにかく、僕たちはとても焦っているんだよ。呪いを解くために、真実が見えるあなたに力をお貸し願いたいというわけ。滞在中はこの部屋を使ってもらうからね。いいね!?」
  城から出すつもりがない。その事実を知ったアルネリアは、思わずティリアーノに食い下がった。
「僕が呪いを解決するまで帰さないつもりですか? そこまで期待されても困ります。応えられる自信がない。それに、王太子殿下の仮面が見えているのは、僕だけではないかもしれないでしょう。だって王太子殿下ですよ。こういってはなんだけど、仮面だとわかっていても、権力を恐れて何も言わないだけかもしれません。僕だって、最初からわかっていたらそうしていました!」
 王太子は静かに手をあげ、アルネリアを制した。
「でも、あなたは王太子とわからなかった。そうでしょう。あなたと私がどこで出会ったのか、お忘れではないですよね? 私とティリアーノは、ときどき市井の者に変装して、町の中に出かけていたのです。でも、あなたのような反応をした者はいません」
 アルネリアとヴァレリウス王太子が、しっかりと視線を合わせる。先に目をそらしたのは、アルネリアの方だった。
 ここで王太子に逆らったら、二度とノルデスラムトに帰れなくなるかもしれない。察したアルネリアは小さく息を吐いた。
「わかりました。でもその前に、母に手紙を書かせてください」
 ユシドーラなら……今の自分に何を求めるだろう。アルネリアはうつむきながら考えた。
 ここで呪いを解くことに成功すれば、ソレイヤールはノルデスラムト国民に大きな借りができる。そうなるとフロレーテとの結婚を有利に勧めることができる。
 万が一、エステスラムトが攻めてきたとしても、ノルデスラムトはソレイヤールの財力を頼ることができるだろう。いや、ミッテルスラムトを退けたという正体不明の軍事力もだ……。
「わかりました。つまり僕は、王太子に呪いの魔法をかけた神官"だけ"探し出せばいいということなんですね?」
 きっぱりとアルネリアが答えると、ヴァレリウスの緑の目が、意外そうに見開かれた。
「真実の愛は?」
「勝手に探してくださいっ!」
 もう無理! アルネリアは恭しく王太子の前で一礼し、話を打ち切った。


◆◆◆‡◆◆◆‡◆◆◆


 商館の一室で、ビルギッタは信じられないとつぶやきながらガリマーロを見据えた。
「魔法……だと?……」
「ああ。この国を動かしているのは、魔法と魔法使いだ。魔法使いである神官は、強大な権力を握っている。収入もよく、暮らし向きも豪勢だ。大神官などは、王家よりも羽振りがいいだろう。普通の人間とは比べものにならないような金額の収入を、若造の神官が手に入れられることも可能だ」
「伝承で聞いたことはあるが……。そんなもの本当にあるとは。彼らは同じ人間なのか? それとも人とは違った生き物なのか?」
「人間だ。だがその中でも、かなり特殊な部類だろう」
「どうやったら魔法が使えるようになるのか?」
「大地から常に力が沸き起こり、立ち昇っている。その力を感じ、捉えて、凝縮し、思念と組み合わせると、魔法が生まれているというわけだ」
「誰にでもできるのか?」
「いや、血筋がないと難しい。魔法使いは、たいてい魔法使いの親から生まれる。魔法の素養があれば、親が才能を伸ばしてやる。それから神官のところに弟子入りだ」
「親が魔法使いなら、女でもなれるのか?」
「いや、女の子は神官になれない。魔法を使えるのは神官だけの特権だ。だから女子の場合は魔法の素養があったとしても伸ばすことはなく使えない。また男だとしても、その子が必ずしも魔法が使えるようになるとは限らない。中には親の期待に背く子も大勢いる。……俺がそうだ」
「ガリマーロ……」
 憐れむようなビルギッタの視線から逃れるように、ガリマーロは目を伏せた。
「俺には兄がいた。昔からできがよく、魔法の才能もあった。それに比べると俺は、ろくに魔法も使えず、親に愛想を尽かされて、いたたまれなくて家を出た。その後は、騎士たちのもとで下働きをして生きていた。騎士見習いになり、17歳で叙任を受け、騎士になれた。それは父親が身元を証明してくれたからだ。初めて親らしいことをしてくれたと思ったよ」
 ガリマーロの顔に、苦々しい微笑みが浮かんだ。
「つらいな……それは」
「そうでもないさ。俺みたいな育ちのやつはゴロゴロいる。俺などはいい方だろう。親に身元証明もしてもらえなかった魔法使いの子供は、農家の下働きになって、毎日を生き延びるだけでやっとという暮らしをさせられることもあったんだ」
「騎士といったな。所属していた騎士団は?」
 ビルギッタはやや強引に話題を変える。ガリマーロは不意に過去を懐かしむかのような遠い目をした。
「銀狼騎士団。この町の民衆を守護することを目的として、国王が庶民のために設立した騎士団だ。戒律は厳しかったが、騎士団長は格式張らない人だった。この人をこっそり親父さんと呼んでいる人も多かった」
「今、その団長はどうなさっている? 会いに行かなくても良いのか」
「……戦いで、落命なされた……」
 歯の間からふりしぼるように、ガリマーロが答えた。
 重苦しい沈黙がふたりの間に落ちる。やがて室内に響いたノックの音に、気まずさがかき消された。
「失礼します。トロヤ夫人に書状が届いております」
 ドアを開けると、商館の用人が筒状になった紙を手にして立っていた。
「どこからですか?」
「王宮からです」
 ビルギッタは、礼を述べて書状を受け取り、窓のそばの明るいところで、紙を伸ばした。


 かあさま
 わたしたちはあれから王宮に招かれ、王太子様
 の友達として、しばらく滞在することになりました。
 けんかもしないでなかよくやってます。げ
 んきだし、お城の人もよくしてくれるので
 しんぱいしないでください。
 たぶん近いうちに帰れるでしょう。あと
 べッドの周りを散らかしたままきてしまっ
 たから、かたづけておいてください。
 いつでもかあさまを愛しています
      
   パウハルト・アルベルト


「なんだこれは……ベッドの周りとか意味がわからん」
 目を通したビルギッタは何度も首をひねった。
「ふたりからの手紙なのか? 筆跡は?」
 言われてみればアルネリアの字に似ている。だが文面と改行がおかしい。
 しばらく手紙をにらんでいたビルギッタは、憤慨したような声をあげた。
「これは、行の頭の文字をつなげる暗号じゃないか。だが待て、なんだ『川の剣士』って。魚の名前じゃなかったか? たべたい? なにをいっているんだ」
 カリカリしながら歩き回るビルギッタの前方を、ガリマーロが遮った。
「落ち着け。たぶんこれは言外に伝えているんだ」
「なにを」
 ビルギッタの声は荒々しくなっていた。
「書いた者が本物だということをだ」
「そんなのは当たり前だろう、手紙なのだから」
「考えてもみろ。ここで『無事ですから心配しないでください』という手紙が着いたとする。それを素直にそうですかと信じられるか?」
「まず無理だな」
「拉致した誰かに書かされたか、ほかの者が書いた可能性を疑うだろう。この手紙の書き手は、それを想定して、我々にしかわからない文言を入れたとは思えないか? つまり、本当に心配しなくてもいいという意味を込めているのだ。これを書いたのは、おそらくアルベルトのほうだろう」
「ああ、そうか。そうだな。こんな状況でも食べ物のことを考えられるのは、あの子くらいしかいないだろう。わかった。ひとまず安心していい、ということだな。だが。なんとか子供たちに会えないものだろうか?」
「努力はする」
 力強くうなずいたガリマーロは、ビルギッタの部屋を出て行こうとした。が。途中で思いなおし、振り返った。
「トロヤ夫人。俺からも質問があるんだが」
「ああ、堅苦しいのはやめてくれ。ビルギッタでいい」
「わかった。ではビルギッタ」
  いきなり呼び捨てはないだろう。さん付けでもいいじゃないか、と思ったが、ビルギッタはそこには触れず、先を促した。
「いってみろ」
「あんたが隠し持っていた剣だが、あれは、ノルデスラムトの女騎士のものではないのか?」
  ビルギッタの表情が固まった。
「な、なぜそれを」
「一度、ボレムで女騎士に見せてもらったことがある。握りが独特の意匠だったので印象に残っている」
「…………」
「元女騎士という線も考えられたが、引退するときには返納することが決まりだ。そして、
ノルデスラムトで女騎士が守る相手といえば、王家だけ、それも王族の女性だけだと聞いている。決して商人の息子などではないだろう」
 ビルギッタはゴクリとつばを飲み込んだ。
「あんたが息子だと言っているうちのどちらかは、とてつもなく身分が高く、お前たち親子に守られているということになるが、どうだ?」
「どちらだと思う?」
「無論、弟のほうだ。そもそも男にしては歩き方がフワフワしていて、線が細すぎる。筋肉もなさすぎる。それに、兄のはずのパウハルトがときどき敬語で話している」
 ここまできたら、隠しようがない。ビルギッタは腹を括った。
「その通りだ。あの方はあえて危険を冒して乗り込んできたのだ。ひたすらノルデスラムトのために……」
 言いながらビルギッタの頭に浮かぶのは、ミッテルスラムトやボレムの食堂、商館の一室で、幸せそうに料理を口に運ぶアルネリアの表情ばかりである。ノルデスラムトのためだけでなく、多少の邪念が入っていそうだ……。
「心配するな。口外はしない。俺は約束を守る。しかし、たいした姫さんだな」
「もう、なにをしでかすかわからないから、小さい頃から目が離せなかったぞ」
「パウハルトがそばにいるから安心しているのだろう。あいつは小さいのに、しっかり騎士の心を持っている。騎士は大切な女性を守ると決まっているんだ」
 力強く言い切られ、ビルギッタは複雑な表情になった。
「……ガリマーロ……」
「なんだ?」
「申し訳ないが、あれは息子じゃない。娘なんだ」
 ビルギッタが言いにくそうに告げると、ガリマーロの表情がそのまま硬直した。
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