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第五章:アイゼン・ガルド改造計画
ハーフエルフ、あっかんべーをする
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夕刻頃。
ランスローネたちは、冒険者ギルドから出て領主館へと戻る。
その道すがら─。
「ランスローネよ。金貨十万枚たあ、また随分吹っ掛けるつもりじゃねえか」
シュミットがニヤニヤ笑いながら聞いてくる。
「そら当然や。あんたに約束した麦酒工場の建造費も入ってるんやから」
「ガハハハ! そうだったな。流石は工兵長、話が分かるじゃねえか!」
シュミットは豪快に笑い、自分の背丈ほどもある槌を担ぎ直した。
「……でも、シュミットさん。金貨十万枚ですよ? 王都の予算だって、一度にそんなに動かないんじゃ……」
エーリカは瓶底眼鏡の奥で目を白黒させている。
「殿下は、金銭の多寡を気にする方ではないが……流石に途方もない金額だ」
ロランドが真剣な面持ちで口を挟む。
⬛地の文による捕捉です。
本作における金貨は日本円で一万円、銀貨は日本円で千円、銅貨は日本円で百円と計算してください。
よって、金貨十万枚は十億円です。
それでは、引き続き本編をお楽しみください⬛
「金貨十万枚。そんなんは、これからこの街が稼ぎ出す富に比べたら、ほんの端金になるで」
ランスローネは、シャルマーニには及ばないものの立派な胸を張って颯爽と歩く。
「エーリカ、あんまり目ぇ回してたら躓いて転げてまうで」
「う、うぅ……でも、もし殿下にお怒りに触れて、首を刎ねるなんて言われたら……」
「シャルマーニ殿下に直談判すんのは、都市計画を命令されたうちや。あんたがビビらんでええねん」
ランスローネはエーリカを安心させるように不敵に笑い、腰に帯びた長剣『アロンダート』の鍔元に埋め込まれた翡翠色の魔宝石を指先で弾いた。
やがて、一行はアイゼン・ガルド領主館に戻った。
(──う、血の匂い?)
風に乗って流れてきた匂いが鼻腔をつき、ランスローネは美貌を顰める。
まだ日は落ちていないにも関わらず、一部分だけ夜闇になった錯覚を起こす黒い人物──遊撃執行長アイネ・シュヴァルツと、丁度領主館本館から出てきた所で鉢合わせしたのだ。
「……こんばんわ、アイネはん。今からお仕事でっか?」
漆黒の甲冑を身に纏い、黒い長剣を手に携え、大きな籠を背負ったアイネは、ランスローネの挨拶を無視して傍らを通り過ぎる。
(感じ悪いやっちゃなー。ま、変に絡まれへんだけマシやけど)
ランスローネは左手の人差し指で左目の下まぶたを引き下げ、赤い部分を出し、舌を出して、アイネを見送った。
ランスローネたちは、冒険者ギルドから出て領主館へと戻る。
その道すがら─。
「ランスローネよ。金貨十万枚たあ、また随分吹っ掛けるつもりじゃねえか」
シュミットがニヤニヤ笑いながら聞いてくる。
「そら当然や。あんたに約束した麦酒工場の建造費も入ってるんやから」
「ガハハハ! そうだったな。流石は工兵長、話が分かるじゃねえか!」
シュミットは豪快に笑い、自分の背丈ほどもある槌を担ぎ直した。
「……でも、シュミットさん。金貨十万枚ですよ? 王都の予算だって、一度にそんなに動かないんじゃ……」
エーリカは瓶底眼鏡の奥で目を白黒させている。
「殿下は、金銭の多寡を気にする方ではないが……流石に途方もない金額だ」
ロランドが真剣な面持ちで口を挟む。
⬛地の文による捕捉です。
本作における金貨は日本円で一万円、銀貨は日本円で千円、銅貨は日本円で百円と計算してください。
よって、金貨十万枚は十億円です。
それでは、引き続き本編をお楽しみください⬛
「金貨十万枚。そんなんは、これからこの街が稼ぎ出す富に比べたら、ほんの端金になるで」
ランスローネは、シャルマーニには及ばないものの立派な胸を張って颯爽と歩く。
「エーリカ、あんまり目ぇ回してたら躓いて転げてまうで」
「う、うぅ……でも、もし殿下にお怒りに触れて、首を刎ねるなんて言われたら……」
「シャルマーニ殿下に直談判すんのは、都市計画を命令されたうちや。あんたがビビらんでええねん」
ランスローネはエーリカを安心させるように不敵に笑い、腰に帯びた長剣『アロンダート』の鍔元に埋め込まれた翡翠色の魔宝石を指先で弾いた。
やがて、一行はアイゼン・ガルド領主館に戻った。
(──う、血の匂い?)
風に乗って流れてきた匂いが鼻腔をつき、ランスローネは美貌を顰める。
まだ日は落ちていないにも関わらず、一部分だけ夜闇になった錯覚を起こす黒い人物──遊撃執行長アイネ・シュヴァルツと、丁度領主館本館から出てきた所で鉢合わせしたのだ。
「……こんばんわ、アイネはん。今からお仕事でっか?」
漆黒の甲冑を身に纏い、黒い長剣を手に携え、大きな籠を背負ったアイネは、ランスローネの挨拶を無視して傍らを通り過ぎる。
(感じ悪いやっちゃなー。ま、変に絡まれへんだけマシやけど)
ランスローネは左手の人差し指で左目の下まぶたを引き下げ、赤い部分を出し、舌を出して、アイネを見送った。
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