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第13章:崩壊都市・渋谷で待ち受けていたもの
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「っ! さっきの女の子――君は誰だ!」
「誰? あははっ、アイリスは何にも把握していないんだ。何度も調査に来た癖に把握出来ないとか、お馬鹿さんの集まりなのかな?」
「そんなことより、さっきのは演技だったのか? 膝の怪我も!」
「きゃははっ! ――演技に決まってんじゃん。そもそもこんなとこで生きてること自体おかしいと思わないの? お兄さん、馬鹿なの? お馬鹿さんなの? きゃははっ!」
「そんな……」
「健人、そいつに構っていないで、早くフォージしろ。あのクソガキは俺様が始末する。お前はクリスタルを壊せ」
「はぁ? クソガキですって? 人間以下の低俗がよくもそんなことを言えるわね。いいわよ、このレディ様がクソゴミの相手をしてあげるわよ。まぁ、無理だろうけど」
レディと名乗る少女は余裕なのか、健人たちを見て、ニタニタと不気味かつ愉悦に笑う。健人は言われた通り、蘇芳の体に手をかざすと「フォージ」と叫ぶ。
『フォージ正常。シンクロイドへのパンドラ供給を開始します』
ナビの自動音声が流れる間に、蘇芳は地を蹴り、宙に跳ぶと、レディに向かって飛びかかる。
「蘇芳、あんまり無茶しないでよ!」
「はぁ? そんなことぐれぇ分かってるわっ!」
「へぇ、君のバディくんは優しいんだねぇ。レディの心配までしてくれてるのかしら?」
「馬鹿か! そんな訳あるか! 貴様はここで俺様が始末してやる!」
「わぁー、怖い。また泣いちゃおっかなぁ? きゃははっ!」
「ふざけやがって! このクソガキがっ!」
健人は上空で繰り広げられる蘇芳とレディとの闘いをただ見ていることしか出来ず、自分は今何が出来るのかを考えなければならない状況に陥る。
「こうしちゃいられない。この間にクリスタルの解析をしなくちゃ。ナビ、夏希に連絡取れる?」
『通信障害継続中であるため、通信及び救援信号の発信は出来ません』
「そんな……。じゃぁ、とりあえずクリスタルの解析を。ナビ、解析出来る?」
健人は二人の闘いによる二次被害を避けながら、クリスタルの前へ向かい、ナビにクリスタルの解析をお願いする。
『解析依頼受諾。クリスタルに触れてください』
「えっ! クリスタルに触れても大丈夫なの?」
『眩暈や嘔気の副作用の発現が六十五パーセント予測されますが、対象物に接触しない限り、解析出来ません』
「あー、もう分かった。蘇芳が足止めしてくれてる間に、意地でもやらなきゃ。なるべく早くお願い」
『解析中はその場を離れることが出来ないため、持続的なシールド展開が推奨されます。また解析にはパンドラを利用します。危険値になった場合は強制終了します。よろしいですか?』
「よろしいです! 早く!」
『――解析開始します』
健人は意を決して、クリスタルに触れた。触れた瞬間、酩酊状態に似たような症状が一時的に襲ってきた。健人は我慢しながら、ナビの指示に従い、持続シールドの展開を施す。そして、ホログラムモニターを表示させ、パンドラの残量や蘇芳のバイタル、クリスタルの解析率などをモニタリングした。
「誰? あははっ、アイリスは何にも把握していないんだ。何度も調査に来た癖に把握出来ないとか、お馬鹿さんの集まりなのかな?」
「そんなことより、さっきのは演技だったのか? 膝の怪我も!」
「きゃははっ! ――演技に決まってんじゃん。そもそもこんなとこで生きてること自体おかしいと思わないの? お兄さん、馬鹿なの? お馬鹿さんなの? きゃははっ!」
「そんな……」
「健人、そいつに構っていないで、早くフォージしろ。あのクソガキは俺様が始末する。お前はクリスタルを壊せ」
「はぁ? クソガキですって? 人間以下の低俗がよくもそんなことを言えるわね。いいわよ、このレディ様がクソゴミの相手をしてあげるわよ。まぁ、無理だろうけど」
レディと名乗る少女は余裕なのか、健人たちを見て、ニタニタと不気味かつ愉悦に笑う。健人は言われた通り、蘇芳の体に手をかざすと「フォージ」と叫ぶ。
『フォージ正常。シンクロイドへのパンドラ供給を開始します』
ナビの自動音声が流れる間に、蘇芳は地を蹴り、宙に跳ぶと、レディに向かって飛びかかる。
「蘇芳、あんまり無茶しないでよ!」
「はぁ? そんなことぐれぇ分かってるわっ!」
「へぇ、君のバディくんは優しいんだねぇ。レディの心配までしてくれてるのかしら?」
「馬鹿か! そんな訳あるか! 貴様はここで俺様が始末してやる!」
「わぁー、怖い。また泣いちゃおっかなぁ? きゃははっ!」
「ふざけやがって! このクソガキがっ!」
健人は上空で繰り広げられる蘇芳とレディとの闘いをただ見ていることしか出来ず、自分は今何が出来るのかを考えなければならない状況に陥る。
「こうしちゃいられない。この間にクリスタルの解析をしなくちゃ。ナビ、夏希に連絡取れる?」
『通信障害継続中であるため、通信及び救援信号の発信は出来ません』
「そんな……。じゃぁ、とりあえずクリスタルの解析を。ナビ、解析出来る?」
健人は二人の闘いによる二次被害を避けながら、クリスタルの前へ向かい、ナビにクリスタルの解析をお願いする。
『解析依頼受諾。クリスタルに触れてください』
「えっ! クリスタルに触れても大丈夫なの?」
『眩暈や嘔気の副作用の発現が六十五パーセント予測されますが、対象物に接触しない限り、解析出来ません』
「あー、もう分かった。蘇芳が足止めしてくれてる間に、意地でもやらなきゃ。なるべく早くお願い」
『解析中はその場を離れることが出来ないため、持続的なシールド展開が推奨されます。また解析にはパンドラを利用します。危険値になった場合は強制終了します。よろしいですか?』
「よろしいです! 早く!」
『――解析開始します』
健人は意を決して、クリスタルに触れた。触れた瞬間、酩酊状態に似たような症状が一時的に襲ってきた。健人は我慢しながら、ナビの指示に従い、持続シールドの展開を施す。そして、ホログラムモニターを表示させ、パンドラの残量や蘇芳のバイタル、クリスタルの解析率などをモニタリングした。
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