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第九十五話(木ノ下歌の休日)
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多忙であるうちの姉は、ご存知の通り休日何かほとんどない。いや、無いに等しい。一ヶ月に一回あれば御の字って感じだ。
様々な番組に引っ張りだこの国民的スターは大半の時間を芸能活動に捧げていて、チャンネルを回しても回しても画面に映りこんで来やがるんだ。水嶋歌姫を嫌いって思ってる視聴者は、いずれ白旗をあげてテレビの電源を落とすだろう。
でもまあ、視聴率女王とか呼ばれて老若男女幅広い世代から愛されている人気者の歌姉には対岸の火事。そんな心配は皆無と断言できる。
憎たらしいことに、猫を被っている姉の本性が明るみに出るエックスデーは一向に訪れる兆しが無い。
ーーさあて、そろそろ起こしに行くとするか。
気は進まないが、指定された時刻に起こせと昨日頼まれて…………いや、命令されていたからな。
その通りにしないと後で文句を言われるのは十二分に理解している。
歌姉がオフの場合、俺は決まってわがままな姉の身の回りを世話する健気な弟君と化すのだ。
「日影、何ぼさっとしてるの?間抜け顔晒してないでさっさと着替えさせて」
「くっ……間抜け顔とは失礼な」
眠くてだるくて面倒とはいえ、うら若い乙女が弟に着替えの手伝いをさせるのはいかがなものだろうか。
一見簡単そうに思える作業だが、これがとにかく脱がせたり履かせたりといちいち手間がかかる。
毎度毎度で目のやり場に困るこっちの身になって考えてみて欲しい。
「献身的にお姉ちゃんのお世話をするのは弟君の責務よ」
「そんな甲斐甲斐しい弟は世界中探しても俺だけだろうな。いい加減、着替えくらい一人でして欲しいんだが?」
「その台詞、お姉ちゃんの下着姿をまじまじと凝視してくるえっちな弟君の本心とは思えないわね」
今更言うまでもないが、うちの姉はわがままな点を除けば、それはそれは文句なしの綺麗な見た目をしている。
水嶋歌姫として名を馳せる彼女のあられもない姿が拝めるのは弟だけの特権かもな。艶かしい下着姿は文字通り眼福と明言出来るし、それに加えて何とも言えないような柔肌の感触も楽しめる。あわよくば、手が滑ったとか見え見えの冗談をかまして胸に触れてみたりするのも可能だろう。女の子に靴下を履かせるのって中々ドキドキするんだよな。ニーハイソックスだと尚更に。女の子の太ももはどうしてこんなにもエロいのか……俺は一体何を解説しているんだ。
まあ、とどのつまり……何が言いたいかと言うと、世間のファン達が愛して止まない歌ちゃんは、黙ってさえいればめちゃくちゃ魅力的ってことだ。弟の立場から見てもその事実は揺らがない。
この気持ちは何だろう。
例えてみるなら、好きな女の子をいじめたくなる小学生の男児ってところが相応しい。
お前は未来の世界の着せ替え人形かと罵ってやりたい。
「日影がどーしても嫌だって言うなら、次回からは慈愛ちゃんに手伝ってもらうけど?」
不覚にも慈愛ちゃんが歌姉の服を一枚ずつ脱がせていくシーンを想像しちまった。女の子が女の子の服を着替えさせるのって何か百合百合しい。姉と妹の禁断の愛。悪くない組み合わせだ。しかも二人とも器量が抜群の美少女とくれば、そっち系の趣味がある奴にはまさしくご褒美じゃないか。
「いやいや……それは流石に慈愛ちゃんがかわいそーだろ……ただでさえ慈愛ちゃんは食事の準備とか洗濯とか色々とお手伝いをしてくれている出来た妹なのに。歌姉の着替えはこれからも俺が担当するぜ……勿論、不本意にだけどな」
「煮え切らない解答ね。やりたいのかやりたくないのかどっちなの?」
「うたちゃんのお着替えお手伝いとか最高っす!我儘言ってすいませんしたっ!!」
悔しいが美少女の前に男は無力。
否定してやりたいのは山々だったが、つい本音が飛び出しちまった。姉が相手とはいえ、女の子が科を作る姿には興奮するものだ。
「やっぱりそういう目でお姉ちゃんを見てたのね。こんなことお願いしておいて何だけど、うたちゃんとか呼ぶな。気持ち悪い」
「釣れないな、歌姉。お互いちっちゃな頃は「かげくん」「うたちゃん」と呼びあった仲じゃないか」
「そんな微笑ましい時期があたしにもあったのね。思い出したくない黒歴史断トツ1位」
「おままごとに何度も付き合わされたよな。それも、某アニメの春日部出身5歳児並みの頻繁さで。何を血迷ったのか、うたちゃんは唐突においしゃさんごっこをしようと口にして、徐にかげくんのズボンに手を伸ばしーー」
「勝手に捏造すんな。おままごにしたって誇張し過ぎ。一ヶ月に一回するかしないかそれくらいだった筈でしょ」
あの頃のうたちゃんは可愛かったなぁとしみじみと思う。俺が本音を漏らすと、歌姉は「今だって十分に可愛いでしょ」と強気な態度を崩さない。本当のことゆえに手前味噌な台詞に反論が出来なかった。
着替えの次は寝癖だらけの髪を櫛で梳かしてやって、それから食事の準備だ。
「それ全部ファンレターか?人気者に届く量はえげつないな」
「あたしを応援してくれている人がこれだけいるんだって証拠ね」
「もしかして、それ全てに返事するつもりか?」
「人気があるのは有難いことじゃない。手紙一つ一つがあたしの為に貴重な時間を割いて認めてくれたとても思いのこもった手紙なの。返事を返すのは至極当然でしょ」
主演に抜擢されたドラマの台本を読んだり、ファンから送られてきた手紙の返事を書いたり、休日といえど歌姉はいつも忙しなく精力的に活動している。そこに新曲の振り付けや曲の練習を含めたら遊んでられる時間はほとんどない。デスクに山積みになっている手紙はざっと4桁はある。その一つ一つに手を付けていたら一日何てあっという間に過ぎてしまうだろう。
俺だって鬼じゃない。
多忙で体を壊したり倒れたりしないか心配になる時は勿論ある。
だからこそ、少しばかりの我儘は許容してやろうと最近は考えるようになった。
「なんなら返事書くの手伝おうか?」
「かげく……まちがえた。今の無し。気持ちは嬉しいけれど、日影が返事書いたら、それはもう別人が書いた手紙になっちゃうでしょ。こればっかりは手伝って貰うわけにはいかないの。でも、ちょっとだけ嬉しかった……ありがとね」
その呼び方やっぱいいな。
思わず『かげくん』って言っちゃいそうになって顔を赤らめる歌姉がすげぇ可愛い。
いつもと違ってしおらしい態度なのがまた男心をくすぐる。
……あ、あれ、可笑しいな。
俺、もしかして……歌姉に恋しちゃってる?
「かげくんとか呼ばれるとちょっと照れるわ。甘美な響きだな」
「な、なによ……そのニヤけた顔は……日影が昔のこと思い出させるような話題持ち出すから間違えちゃったのっ。気持ち悪いからこっちみないで」
「気持ち悪いか。まあ、今日の歌姉はいつもと違って可愛いからな。どれだけ罵倒されても我慢できるわ」
「今日のが余計ね。今日に限らず水嶋歌姫はいつも可愛いのよ。お姉ちゃんが容姿端麗で日影も誇らしいでしょ」
「まあな」
「日影、デビュー当時から応援してくれてたものね。ファン一号を公言して、あたしが無名の時からずうっと。お姉ちゃん相手に可愛いとか言って、すっかりほの字になっちゃってた」
「小さかった頃の俺にとって、身近な異性と言えば歌姉。性の対象も歌姉しかいなかったからな」
「自慢気に言うな。変態」
これほどまでに楽しく馬鹿話を交わしたのはいつ以来だろうか。
いつしか歌姉は俺と距離を取り、いつの間にか接し方と呼び方を変えた。
きっかけとなった理由はよくわかっていない。
今では弟を奴隷のように扱う酷い姉にも、弟を可愛がり甘やかしてくれていた時期が確かにあったんだよな。
それこそ、弟が虐められて泣いているところなんか見掛けた日には、相手が誰とか関係なく敵討ちに出向いたり。
結果は散々で目も当てられなかったが、それでも嬉しかった。
返り討ちにされて泣きながら帰って来る歌姉を何度みたことか……。
「姉に甘えられるのは弟の特権だろ」
「甘え過ぎなのが問題何だけどね」
まだ小さな頃……小学校低学年くらいだったかな。
『うたちゃんは僕が守る』何て微笑ましい台詞を口にしていたのを思い出した。
こんな告白染みたこと言うくらいだから、きっと姉のことが大好きだったんだろう。仰々しいことを得意げに宣言しておきながら、長年に渡って色々とサポートを受けている自分が恥ずかしい。
歌姉が昔と比べて多少なりとも素っ気ない態度を取るようなった理由が何となくわかった気がする。
飽く迄予想でしかないが、俺に愛想を尽かしたってのが最も有力だろう。
様々な番組に引っ張りだこの国民的スターは大半の時間を芸能活動に捧げていて、チャンネルを回しても回しても画面に映りこんで来やがるんだ。水嶋歌姫を嫌いって思ってる視聴者は、いずれ白旗をあげてテレビの電源を落とすだろう。
でもまあ、視聴率女王とか呼ばれて老若男女幅広い世代から愛されている人気者の歌姉には対岸の火事。そんな心配は皆無と断言できる。
憎たらしいことに、猫を被っている姉の本性が明るみに出るエックスデーは一向に訪れる兆しが無い。
ーーさあて、そろそろ起こしに行くとするか。
気は進まないが、指定された時刻に起こせと昨日頼まれて…………いや、命令されていたからな。
その通りにしないと後で文句を言われるのは十二分に理解している。
歌姉がオフの場合、俺は決まってわがままな姉の身の回りを世話する健気な弟君と化すのだ。
「日影、何ぼさっとしてるの?間抜け顔晒してないでさっさと着替えさせて」
「くっ……間抜け顔とは失礼な」
眠くてだるくて面倒とはいえ、うら若い乙女が弟に着替えの手伝いをさせるのはいかがなものだろうか。
一見簡単そうに思える作業だが、これがとにかく脱がせたり履かせたりといちいち手間がかかる。
毎度毎度で目のやり場に困るこっちの身になって考えてみて欲しい。
「献身的にお姉ちゃんのお世話をするのは弟君の責務よ」
「そんな甲斐甲斐しい弟は世界中探しても俺だけだろうな。いい加減、着替えくらい一人でして欲しいんだが?」
「その台詞、お姉ちゃんの下着姿をまじまじと凝視してくるえっちな弟君の本心とは思えないわね」
今更言うまでもないが、うちの姉はわがままな点を除けば、それはそれは文句なしの綺麗な見た目をしている。
水嶋歌姫として名を馳せる彼女のあられもない姿が拝めるのは弟だけの特権かもな。艶かしい下着姿は文字通り眼福と明言出来るし、それに加えて何とも言えないような柔肌の感触も楽しめる。あわよくば、手が滑ったとか見え見えの冗談をかまして胸に触れてみたりするのも可能だろう。女の子に靴下を履かせるのって中々ドキドキするんだよな。ニーハイソックスだと尚更に。女の子の太ももはどうしてこんなにもエロいのか……俺は一体何を解説しているんだ。
まあ、とどのつまり……何が言いたいかと言うと、世間のファン達が愛して止まない歌ちゃんは、黙ってさえいればめちゃくちゃ魅力的ってことだ。弟の立場から見てもその事実は揺らがない。
この気持ちは何だろう。
例えてみるなら、好きな女の子をいじめたくなる小学生の男児ってところが相応しい。
お前は未来の世界の着せ替え人形かと罵ってやりたい。
「日影がどーしても嫌だって言うなら、次回からは慈愛ちゃんに手伝ってもらうけど?」
不覚にも慈愛ちゃんが歌姉の服を一枚ずつ脱がせていくシーンを想像しちまった。女の子が女の子の服を着替えさせるのって何か百合百合しい。姉と妹の禁断の愛。悪くない組み合わせだ。しかも二人とも器量が抜群の美少女とくれば、そっち系の趣味がある奴にはまさしくご褒美じゃないか。
「いやいや……それは流石に慈愛ちゃんがかわいそーだろ……ただでさえ慈愛ちゃんは食事の準備とか洗濯とか色々とお手伝いをしてくれている出来た妹なのに。歌姉の着替えはこれからも俺が担当するぜ……勿論、不本意にだけどな」
「煮え切らない解答ね。やりたいのかやりたくないのかどっちなの?」
「うたちゃんのお着替えお手伝いとか最高っす!我儘言ってすいませんしたっ!!」
悔しいが美少女の前に男は無力。
否定してやりたいのは山々だったが、つい本音が飛び出しちまった。姉が相手とはいえ、女の子が科を作る姿には興奮するものだ。
「やっぱりそういう目でお姉ちゃんを見てたのね。こんなことお願いしておいて何だけど、うたちゃんとか呼ぶな。気持ち悪い」
「釣れないな、歌姉。お互いちっちゃな頃は「かげくん」「うたちゃん」と呼びあった仲じゃないか」
「そんな微笑ましい時期があたしにもあったのね。思い出したくない黒歴史断トツ1位」
「おままごとに何度も付き合わされたよな。それも、某アニメの春日部出身5歳児並みの頻繁さで。何を血迷ったのか、うたちゃんは唐突においしゃさんごっこをしようと口にして、徐にかげくんのズボンに手を伸ばしーー」
「勝手に捏造すんな。おままごにしたって誇張し過ぎ。一ヶ月に一回するかしないかそれくらいだった筈でしょ」
あの頃のうたちゃんは可愛かったなぁとしみじみと思う。俺が本音を漏らすと、歌姉は「今だって十分に可愛いでしょ」と強気な態度を崩さない。本当のことゆえに手前味噌な台詞に反論が出来なかった。
着替えの次は寝癖だらけの髪を櫛で梳かしてやって、それから食事の準備だ。
「それ全部ファンレターか?人気者に届く量はえげつないな」
「あたしを応援してくれている人がこれだけいるんだって証拠ね」
「もしかして、それ全てに返事するつもりか?」
「人気があるのは有難いことじゃない。手紙一つ一つがあたしの為に貴重な時間を割いて認めてくれたとても思いのこもった手紙なの。返事を返すのは至極当然でしょ」
主演に抜擢されたドラマの台本を読んだり、ファンから送られてきた手紙の返事を書いたり、休日といえど歌姉はいつも忙しなく精力的に活動している。そこに新曲の振り付けや曲の練習を含めたら遊んでられる時間はほとんどない。デスクに山積みになっている手紙はざっと4桁はある。その一つ一つに手を付けていたら一日何てあっという間に過ぎてしまうだろう。
俺だって鬼じゃない。
多忙で体を壊したり倒れたりしないか心配になる時は勿論ある。
だからこそ、少しばかりの我儘は許容してやろうと最近は考えるようになった。
「なんなら返事書くの手伝おうか?」
「かげく……まちがえた。今の無し。気持ちは嬉しいけれど、日影が返事書いたら、それはもう別人が書いた手紙になっちゃうでしょ。こればっかりは手伝って貰うわけにはいかないの。でも、ちょっとだけ嬉しかった……ありがとね」
その呼び方やっぱいいな。
思わず『かげくん』って言っちゃいそうになって顔を赤らめる歌姉がすげぇ可愛い。
いつもと違ってしおらしい態度なのがまた男心をくすぐる。
……あ、あれ、可笑しいな。
俺、もしかして……歌姉に恋しちゃってる?
「かげくんとか呼ばれるとちょっと照れるわ。甘美な響きだな」
「な、なによ……そのニヤけた顔は……日影が昔のこと思い出させるような話題持ち出すから間違えちゃったのっ。気持ち悪いからこっちみないで」
「気持ち悪いか。まあ、今日の歌姉はいつもと違って可愛いからな。どれだけ罵倒されても我慢できるわ」
「今日のが余計ね。今日に限らず水嶋歌姫はいつも可愛いのよ。お姉ちゃんが容姿端麗で日影も誇らしいでしょ」
「まあな」
「日影、デビュー当時から応援してくれてたものね。ファン一号を公言して、あたしが無名の時からずうっと。お姉ちゃん相手に可愛いとか言って、すっかりほの字になっちゃってた」
「小さかった頃の俺にとって、身近な異性と言えば歌姉。性の対象も歌姉しかいなかったからな」
「自慢気に言うな。変態」
これほどまでに楽しく馬鹿話を交わしたのはいつ以来だろうか。
いつしか歌姉は俺と距離を取り、いつの間にか接し方と呼び方を変えた。
きっかけとなった理由はよくわかっていない。
今では弟を奴隷のように扱う酷い姉にも、弟を可愛がり甘やかしてくれていた時期が確かにあったんだよな。
それこそ、弟が虐められて泣いているところなんか見掛けた日には、相手が誰とか関係なく敵討ちに出向いたり。
結果は散々で目も当てられなかったが、それでも嬉しかった。
返り討ちにされて泣きながら帰って来る歌姉を何度みたことか……。
「姉に甘えられるのは弟の特権だろ」
「甘え過ぎなのが問題何だけどね」
まだ小さな頃……小学校低学年くらいだったかな。
『うたちゃんは僕が守る』何て微笑ましい台詞を口にしていたのを思い出した。
こんな告白染みたこと言うくらいだから、きっと姉のことが大好きだったんだろう。仰々しいことを得意げに宣言しておきながら、長年に渡って色々とサポートを受けている自分が恥ずかしい。
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