ある日の出来事

届け僕の思い

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はるかかなたへ

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手が冷える。 
 凍えるようなそんな朝だった。 
僕は何気なく乾ききった白い空を見上げる。
そこにはなにも映らない。
そっとため息をついた。いつも変わらぬ交差点の前で赤が青く変わるのを待つだけ、だけど今日は少し違った。
いつもは向かい側にいるはずの朝早くから散歩しているおばあちゃんの姿がない。
信号が青に変わった。僕は歩き出す、一歩踏み出すと僕の視界には白く靄のかかったようなものが見えて来る。
これは一体…訳の分からぬままそれでも僕は止まらなかった。きっと止まりたくなかったのだと思う。
このまま何処かへ行ってしまいたい。
この心が僕の体を止めようとしなかった。
再び視界は開けて来る。 
歩いていたはずの僕はなぜか横になっている。
いつしか人の声も聞こえて来るようになり耳元で誰かが大声で叫んでいた。動くこともできない出来るのは…空を見つめることだけ。でも不思議と嫌では無い。空が青く見えるのだ。   
僕は生きていた。確かに生きていたんだ。
やがて何もかもが遠くなる。全てが遠くなる。
これでいい。

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