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ビビりとモフモフ、冒険開始
定員オーバー(鍋)
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バーベキュー兼情報整理はつつがなく終了。
小屋の隣に即席で壁を設置し、小梅作猫脚バスタブを中に置いて、お風呂の用意をした。
今は、おかーさんとレナさん(仔猫)とウサちゃん、それから『お嬢様の御世話係』の名目でケイトさんが入っている。
貴族の人って、お風呂ではメイドさんや召し使いさんに、洗ってもらうんだと。
因みに、セレスティアさん+マルーティアさん&ドラゴンズ+ヤーナちゃん&ゲテモノ達が見張りに着いてるから、浴場に近付こうもんなら、三途の川を見ることになるよ!
実際、無謀にも挑んで、地面に埋まった奴が1人居るよ!
そんな中。
俺は再び、火の準備をして、寸胴鍋を用意した。
紫色のババロア、もといマンドラゴラ製のお豆腐を、美味しく料理するために。
原材料が大豆じゃないから、商品名は『ドラ腐』らしい。
「叔父さん、本当に今から作るの?そりゃあ、この世界に美味しいお豆腐レシピを、広めてくれるのは嬉しいけど。」
「勿論。成るべく早く、お豆腐食べたいもん。」
『未來くん、ステイ!明日にしましょう。』
「詩音、明日って今さ!」
『めっ、ですよ。もうお風呂に入って、寝る時間なんですから!』
「せめて、味噌汁だけでも。」
『ダーメーでーすー。とうっ!』
ちょ、鍋に入るのはやめて?!
「詩音…視覚的になんか、とってもアレな感じだから、出よ?」
『そうは問屋が卸しません。諦めるまで、居座りますとも。』
『しおちゃん、そのお鍋余裕あるですか?小梅も入ってみたいのです。』
「マジで?」
『スペース空いてますよ~♪』
『お邪魔するです♪』
なんてこった、小梅が入りたがるとか意外…
だと思ったけど、にゃんこって事考えれば、意外でもなかった。
「狭くないの~?」
『良い感じなのです♪』
「絶対やらねーけど、その鍋に塩ベースの鶏出汁と野菜とキノコと豆腐入れて、薪に火着けてやろーか。」
『脅しに成ってませんよ。』
「当たり前だろ、お前ら煮るくらいなら、俺が水被るわ。」
退いた退いた。
味噌汁だけにするってば。
麻婆豆腐は、明日にするから。
『と言うか、麻婆豆腐って、今ある材料で作れるんですね?』
「おう。味噌に粉唐辛子と粗微塵の唐辛子ぶっこめば豆板醤擬き、砂糖と酒突っ込めば甜麺醤擬きになる。」
『そうなんですか?!』
そうなんだよ。
お前やモフモフ達が居るから、豆板醤は出番無いかもだけど。
『辛いのです?』
「あんま、辛くしないように、調整するよ。」
……なんか視線を感じる。
そりゃ、鍋に向かって話しかけてたら、目立つか。
「なあ、あの子ずっと、鍋に向けてなんか喋ってんな。」
「あー…あの中に、可愛いラビが入ってたぜ。」
「さっき、キャットも入ってたぞ。出てほしいなら、ひっくり返せばいいのにな。」
その手があったか。
ありがとう、冒険者のお兄さん達。
「もう、ひっくり返すからなー。よいしょっ!」
くるっ♪とな。
『えいっ!』
『おっとっと…ふふ~落ちないのです♪』
「……そこまで?」
詩音はたぶん、鍋の下で翔んでる。
小梅は、落ちないように、砂で足場作ったな?
「もー、いい加減に…」
『いい加減にするのは、お前だ。』ぽんっ
ぽふっ
『お?』
「あ、お爺ちゃん。」
『コレでよし。』
『おおおっ?!』
え、えっ?!俺擬人化解いてないよ!?
なんで獣状態(仔犬サイズ)に成ってんの?!
そして、なんでおとーさんは、俺を咥えてんの?
『ヨシュア、側に居たなら止めてやってくれ。ミライはまだ、1歳にも成っておらんのだぞ。』
「あー、そうだった…叔父さん本当なら、親にベッタリで、尻尾に遠慮無く飛び付いてくる時期かぁ。」
あ、はい…幼児らしく、夜は大人しくしてまーす。
俺の手から離れた鍋は、お父さんが、風属性魔法で支えてくれた。ありがとう。
『風呂が空くまで、此処で待つと良い。』
『おおう…』
俺まで、鍋へ入る事に成ろうとは。
……あー、良い感じに狭くて、ちょっと落ち着く。
『いらっしゃいです♪』
『いらっしゃい、未來くん♪』
『お邪魔しまーすw』
しゃーない、諦めて詩音と小梅を愛でよう。
何と言うか…体の表面を、おとーさんの魔力で、コーティングされてるみたいなんだよね。
擬人化どころか、仔犬サイズから変化できない。
『両手に華だぜ、イェーイw』
『ほわわ…ミライくんは温かいですねぇ。』
『お風呂みたいに、ポカポカなのです♪』
『金属製の鍋に、体温奪われそうだな…照日之業火使えば、もうちょい温かくなるけども。』
…そこまでは要らない?さいですか。
『……お前ら、それ楽しいか?』
『ラルフも入る?』
『心の底から遠慮する。』
『ですよねー。』
『ボクも、おなべ はいる!』
『ふむ…ヒナタが入るには、些か小さいのではないか?』
『はいるのー!』
『あー!ヒナタくん、お鍋に登ったら危ないよ!』
え、陽向入ろうとしてんの?!
『コラ、よせヒナタ。危ないぞ?』
「陽向くん。このお鍋、もういっぱいだよ~。」ヒョイッ
『やだー!はいるー!』ヤダヤダ
ヨッくんが捕まえてくれた。
でも、だいぶ暴れてんな…珍しい……第一次反抗期?
あっ
ゲシッ
『だっしゅつ!』
「わっ…!陽向くん、足強いねぇ。」
『お、おい、その角度は不味い…!』
ヨッくんの胴を蹴って、脱出しちゃった!
そのまま、鍋に向けてダイブ…!?
マテマテマテ!!無理がある無理がある!!
つか、顔面気をつけてぇええええ!!
ズボー
『……おぅ…』
『全員、怪我してないか?!』
『そこは大丈夫だぜ!』
『んー…んー…!すすまないの~!』
『はわわわわわっ?!大丈夫ですか、陽向くん?!』
『完全に、ひなくんがお鍋に、蓋をしてるです…。』
か、顔はどこにもぶっけて無いけど……毛がボリューミー過ぎて、入り口で詰まってる……。
『あはははははwwいやはやw見事に嵌まったなwwwwww』
『おとーさん!笑ってないで助けて!』
「凄い入り方したねぇ~。」
『言ってる場合か!どうするか…鳥の体じゃ、助けられないぞ…』
『もー、ヒナタくん暴れないでね?よいしょっ……!ぬ、抜けない…!』
『大丈夫?!えーと、えーと、お水入れたら浮くかな?!』
『水は駄目だ、シグレ!』
『それ、兄ちゃん達死んじゃう!!』
水は止めて!!俺が真っ先に死にそう!!
こうなりゃ、此方から押そう。
詩音を俺の背に登らせて、と。
『届くか?』
『バッチリです!』
『小梅は…』
『タイミング合わせて、砂で押し上げるです!』
『よし、頼む!せーのっ!』
ぐいっ ぐいっ ぐい~~~っ……スポンッ
『ひゃあっ!?』
『おー?』
『げっ…』
『にゃっ!! 』
『わぁっ?!』
ぐらぁ~…… ガシャーーーンッ!!
『へぶぅっ?!』
『きゃーっ?!』
『派手に飛び出たな?!怪我してないか!?』
「あちゃー…」
『ミライ。顔から落ちたが、大丈夫か?』
『……割りと痛い…』
詩音が頭から行きそうだったから、咄嗟に庇ったら俺が顔面から落ちる事態に……いやまあ、良いんだけどさ。
───────
──────
─────
「全くもうっ!子供達は仕方ないとして、ヨシュアにディアドルフ様まで居て、どうしてこうなるのですか!!」
『ほひょほは、ひっひゃいひへ、へいひょーふゆほほはほふ。』
「だからって、あんな状況放置する?いよいよ、ボケてきた?それとも、頭蓋骨の内側で、ガーデニングでもしてんの?」
おとーさん、本日2度目のムニムニの刑である。
今回は、おかーさんとマクベス兄ちゃんのタッグだ。
うん、兄ちゃんの笑顔が恐ろしい。軽く寒気する。
そうだよね。
おとーさんが動いてくれてれば、少なくとも、ガシャーンは回避できたよね。
「マクベス伯父さーん…頭痛いー…」
「デイヴィーとタイマンで、ステゴロバトルできる奴が、何言ってんの。」
「シャベルで撲るのは、流石に止めて欲しいよ~…。」
「仕方ないでしょ。俺の素の攻撃力じゃ、ダメージ入らないんだから。」
は?デイヴィー兄ちゃんと、ステゴロバトル?
待って、ヨッくんヤバくね?
尚、俺達はお説教の光景を眺めつつ、お風呂でトルテアさんにお世話されてるなう。
具体的には、一体ずつシャンプーしてもらったり、魔方陣でお湯の温度管理してくれたり。
因みに、俺達がガシャーンした時は、ベッドメイキングしてくれてたから、気付けなかったらしい。
[あー……気持ちよくて寝そう…]
「それは良うございました。」
『私もですぅ…でも、まだ寝ちゃいけませんよ~…』
『ひなくんの、ステータス確認してないのですぅ…。』
『ふわぁ…レナには悪いが…先に見るか……?』
『それが良いかもねぇ~。』
『ボクも眠いし…レナちゃんには、明日改めて見せてあげようよ。』
『よし、陽向ステータス見せて。』
『むにゃむにゃ……ふぁ~……しゅてーたしゅう…』
半分寝てっけど、コレで出るのか?
あ、出た。どれどれ……
☆☆☆☆☆
【ステータス】
名前 ヒナタ(陽向)
年齢 0歳1ヶ月
性別 ♂
種族 フーリー・デイドリームシープ Lv 1
状態 健康
HP 1000
MP 550
攻撃力 680
防御力 1200
魔攻力 180
魔防力 1050
魔回力 260
運 99999
称号:未來の家族,詩音の家族,創造神の寵愛,お仕え羊,夢路の片道案内人,純真無垢,信じる強さ,最高品質(羊毛)
ユニークスキル:春眠不覚暁
スキル:強睡眠付与,ナイトメアウール,ラックメアウール,夢食,白昼夢,ホーンアタック,回転タックル,モコモコボール,転がる,隠密,認識阻害,隠蔽,加温,保温,綿毛集めEX,羊毛紙作り,帯電,幻影看破,不思議梱包,毒気抜き
耐性:病気無効,毒無効,睡眠無効,温度変化遮断,物理大耐性,精神異常耐性
☆☆☆☆☆
防御型に成ってきてるか…?
このまま育てば、詩音の防衛を完全に丸投げ…は無理か。
ゴースト,アンデッド来たら詰むから。
数値的にも、まだ俺の方が1桁上だし。
自衛可能なデバフサポーター、ってとこだね。
『お、毛が最高品質らしいぞ。』
『白昼夢って、どんなスキルでしょう?』
『攻撃スキル増えたね!』
『モコモコボールって何だろ~?』
『梱包が、不思議梱包に成ってるです。』
『物理耐性が凄いな。魔法を使われなければ、殆ど無傷で戦えそうだ。』
んじゃ、気になったやつをポチっと。
『スキル 白昼夢』
幻影,幻惑の上位版。
視覚,聴覚,嗅覚,触覚に作用し、現実との境界が非常に判りにくい、質量のある幻をフィールドに設置する。
幻による物理的な攻撃が可能。
物理攻撃ができる、現実と見分けつきにくい幻って……え、本体捕まらなきゃ、最強じゃね?
しかも設置型?!コレ、対策必須の、チートスキルじゃねーか!
後でどんなもんか、見せてもらおう!
次は…ポチッとな。
『スキル モコモコボール』
良質で膨大な量の毛を持つモンスターのスキル。
キュッと丸まることで、完全な球型になる。
球の表面は毛でモコモコしており、打撃を受けると衝撃を吸収する。
使用中、転がる際の移動速度1.5倍+転がる攻撃スキルの威力2倍。
おお…またスゲーのが……。
どこまで耐久上がるんだろ?
元々の物理耐性もあるし、詩音の拳なら完全ガードできそうだ。
俺が殴るのは流石に怖いけど、後でラルフに実験してもらえないかな。
んでもって、次をポチッと。
『スキル 不思議梱包』
10センチ四方以上の『何かを包める物(紙,綿毛,布等)』さえあれば、物理法則を完全に無視して、あらゆる物を思い通りの形に梱包できる。
『……陽向、一気にチート化してねぇ?』
『ちーと?』
『あらゆる物、です?…総長さんの鬼斬玉、梱包したら手榴弾にできるのです。』
『俺のドラゴ・ストリームも包めるなら、発動時間が短縮できて助かるな。』
『難なら、熱湯を綿毛で包んで投げれば、盗賊さんなんかは逃げ出すのではないでしょうか?』
『雨って包めるのかなぁ~?』
『あー、雨包めたら、シグレちゃん何処でも雷爆できるもんね!』
『皆、エグい事思い付くなぁ……』
…後で魔法幾つか、包んでもらおっか。
小屋の隣に即席で壁を設置し、小梅作猫脚バスタブを中に置いて、お風呂の用意をした。
今は、おかーさんとレナさん(仔猫)とウサちゃん、それから『お嬢様の御世話係』の名目でケイトさんが入っている。
貴族の人って、お風呂ではメイドさんや召し使いさんに、洗ってもらうんだと。
因みに、セレスティアさん+マルーティアさん&ドラゴンズ+ヤーナちゃん&ゲテモノ達が見張りに着いてるから、浴場に近付こうもんなら、三途の川を見ることになるよ!
実際、無謀にも挑んで、地面に埋まった奴が1人居るよ!
そんな中。
俺は再び、火の準備をして、寸胴鍋を用意した。
紫色のババロア、もといマンドラゴラ製のお豆腐を、美味しく料理するために。
原材料が大豆じゃないから、商品名は『ドラ腐』らしい。
「叔父さん、本当に今から作るの?そりゃあ、この世界に美味しいお豆腐レシピを、広めてくれるのは嬉しいけど。」
「勿論。成るべく早く、お豆腐食べたいもん。」
『未來くん、ステイ!明日にしましょう。』
「詩音、明日って今さ!」
『めっ、ですよ。もうお風呂に入って、寝る時間なんですから!』
「せめて、味噌汁だけでも。」
『ダーメーでーすー。とうっ!』
ちょ、鍋に入るのはやめて?!
「詩音…視覚的になんか、とってもアレな感じだから、出よ?」
『そうは問屋が卸しません。諦めるまで、居座りますとも。』
『しおちゃん、そのお鍋余裕あるですか?小梅も入ってみたいのです。』
「マジで?」
『スペース空いてますよ~♪』
『お邪魔するです♪』
なんてこった、小梅が入りたがるとか意外…
だと思ったけど、にゃんこって事考えれば、意外でもなかった。
「狭くないの~?」
『良い感じなのです♪』
「絶対やらねーけど、その鍋に塩ベースの鶏出汁と野菜とキノコと豆腐入れて、薪に火着けてやろーか。」
『脅しに成ってませんよ。』
「当たり前だろ、お前ら煮るくらいなら、俺が水被るわ。」
退いた退いた。
味噌汁だけにするってば。
麻婆豆腐は、明日にするから。
『と言うか、麻婆豆腐って、今ある材料で作れるんですね?』
「おう。味噌に粉唐辛子と粗微塵の唐辛子ぶっこめば豆板醤擬き、砂糖と酒突っ込めば甜麺醤擬きになる。」
『そうなんですか?!』
そうなんだよ。
お前やモフモフ達が居るから、豆板醤は出番無いかもだけど。
『辛いのです?』
「あんま、辛くしないように、調整するよ。」
……なんか視線を感じる。
そりゃ、鍋に向かって話しかけてたら、目立つか。
「なあ、あの子ずっと、鍋に向けてなんか喋ってんな。」
「あー…あの中に、可愛いラビが入ってたぜ。」
「さっき、キャットも入ってたぞ。出てほしいなら、ひっくり返せばいいのにな。」
その手があったか。
ありがとう、冒険者のお兄さん達。
「もう、ひっくり返すからなー。よいしょっ!」
くるっ♪とな。
『えいっ!』
『おっとっと…ふふ~落ちないのです♪』
「……そこまで?」
詩音はたぶん、鍋の下で翔んでる。
小梅は、落ちないように、砂で足場作ったな?
「もー、いい加減に…」
『いい加減にするのは、お前だ。』ぽんっ
ぽふっ
『お?』
「あ、お爺ちゃん。」
『コレでよし。』
『おおおっ?!』
え、えっ?!俺擬人化解いてないよ!?
なんで獣状態(仔犬サイズ)に成ってんの?!
そして、なんでおとーさんは、俺を咥えてんの?
『ヨシュア、側に居たなら止めてやってくれ。ミライはまだ、1歳にも成っておらんのだぞ。』
「あー、そうだった…叔父さん本当なら、親にベッタリで、尻尾に遠慮無く飛び付いてくる時期かぁ。」
あ、はい…幼児らしく、夜は大人しくしてまーす。
俺の手から離れた鍋は、お父さんが、風属性魔法で支えてくれた。ありがとう。
『風呂が空くまで、此処で待つと良い。』
『おおう…』
俺まで、鍋へ入る事に成ろうとは。
……あー、良い感じに狭くて、ちょっと落ち着く。
『いらっしゃいです♪』
『いらっしゃい、未來くん♪』
『お邪魔しまーすw』
しゃーない、諦めて詩音と小梅を愛でよう。
何と言うか…体の表面を、おとーさんの魔力で、コーティングされてるみたいなんだよね。
擬人化どころか、仔犬サイズから変化できない。
『両手に華だぜ、イェーイw』
『ほわわ…ミライくんは温かいですねぇ。』
『お風呂みたいに、ポカポカなのです♪』
『金属製の鍋に、体温奪われそうだな…照日之業火使えば、もうちょい温かくなるけども。』
…そこまでは要らない?さいですか。
『……お前ら、それ楽しいか?』
『ラルフも入る?』
『心の底から遠慮する。』
『ですよねー。』
『ボクも、おなべ はいる!』
『ふむ…ヒナタが入るには、些か小さいのではないか?』
『はいるのー!』
『あー!ヒナタくん、お鍋に登ったら危ないよ!』
え、陽向入ろうとしてんの?!
『コラ、よせヒナタ。危ないぞ?』
「陽向くん。このお鍋、もういっぱいだよ~。」ヒョイッ
『やだー!はいるー!』ヤダヤダ
ヨッくんが捕まえてくれた。
でも、だいぶ暴れてんな…珍しい……第一次反抗期?
あっ
ゲシッ
『だっしゅつ!』
「わっ…!陽向くん、足強いねぇ。」
『お、おい、その角度は不味い…!』
ヨッくんの胴を蹴って、脱出しちゃった!
そのまま、鍋に向けてダイブ…!?
マテマテマテ!!無理がある無理がある!!
つか、顔面気をつけてぇええええ!!
ズボー
『……おぅ…』
『全員、怪我してないか?!』
『そこは大丈夫だぜ!』
『んー…んー…!すすまないの~!』
『はわわわわわっ?!大丈夫ですか、陽向くん?!』
『完全に、ひなくんがお鍋に、蓋をしてるです…。』
か、顔はどこにもぶっけて無いけど……毛がボリューミー過ぎて、入り口で詰まってる……。
『あはははははwwいやはやw見事に嵌まったなwwwwww』
『おとーさん!笑ってないで助けて!』
「凄い入り方したねぇ~。」
『言ってる場合か!どうするか…鳥の体じゃ、助けられないぞ…』
『もー、ヒナタくん暴れないでね?よいしょっ……!ぬ、抜けない…!』
『大丈夫?!えーと、えーと、お水入れたら浮くかな?!』
『水は駄目だ、シグレ!』
『それ、兄ちゃん達死んじゃう!!』
水は止めて!!俺が真っ先に死にそう!!
こうなりゃ、此方から押そう。
詩音を俺の背に登らせて、と。
『届くか?』
『バッチリです!』
『小梅は…』
『タイミング合わせて、砂で押し上げるです!』
『よし、頼む!せーのっ!』
ぐいっ ぐいっ ぐい~~~っ……スポンッ
『ひゃあっ!?』
『おー?』
『げっ…』
『にゃっ!! 』
『わぁっ?!』
ぐらぁ~…… ガシャーーーンッ!!
『へぶぅっ?!』
『きゃーっ?!』
『派手に飛び出たな?!怪我してないか!?』
「あちゃー…」
『ミライ。顔から落ちたが、大丈夫か?』
『……割りと痛い…』
詩音が頭から行きそうだったから、咄嗟に庇ったら俺が顔面から落ちる事態に……いやまあ、良いんだけどさ。
───────
──────
─────
「全くもうっ!子供達は仕方ないとして、ヨシュアにディアドルフ様まで居て、どうしてこうなるのですか!!」
『ほひょほは、ひっひゃいひへ、へいひょーふゆほほはほふ。』
「だからって、あんな状況放置する?いよいよ、ボケてきた?それとも、頭蓋骨の内側で、ガーデニングでもしてんの?」
おとーさん、本日2度目のムニムニの刑である。
今回は、おかーさんとマクベス兄ちゃんのタッグだ。
うん、兄ちゃんの笑顔が恐ろしい。軽く寒気する。
そうだよね。
おとーさんが動いてくれてれば、少なくとも、ガシャーンは回避できたよね。
「マクベス伯父さーん…頭痛いー…」
「デイヴィーとタイマンで、ステゴロバトルできる奴が、何言ってんの。」
「シャベルで撲るのは、流石に止めて欲しいよ~…。」
「仕方ないでしょ。俺の素の攻撃力じゃ、ダメージ入らないんだから。」
は?デイヴィー兄ちゃんと、ステゴロバトル?
待って、ヨッくんヤバくね?
尚、俺達はお説教の光景を眺めつつ、お風呂でトルテアさんにお世話されてるなう。
具体的には、一体ずつシャンプーしてもらったり、魔方陣でお湯の温度管理してくれたり。
因みに、俺達がガシャーンした時は、ベッドメイキングしてくれてたから、気付けなかったらしい。
[あー……気持ちよくて寝そう…]
「それは良うございました。」
『私もですぅ…でも、まだ寝ちゃいけませんよ~…』
『ひなくんの、ステータス確認してないのですぅ…。』
『ふわぁ…レナには悪いが…先に見るか……?』
『それが良いかもねぇ~。』
『ボクも眠いし…レナちゃんには、明日改めて見せてあげようよ。』
『よし、陽向ステータス見せて。』
『むにゃむにゃ……ふぁ~……しゅてーたしゅう…』
半分寝てっけど、コレで出るのか?
あ、出た。どれどれ……
☆☆☆☆☆
【ステータス】
名前 ヒナタ(陽向)
年齢 0歳1ヶ月
性別 ♂
種族 フーリー・デイドリームシープ Lv 1
状態 健康
HP 1000
MP 550
攻撃力 680
防御力 1200
魔攻力 180
魔防力 1050
魔回力 260
運 99999
称号:未來の家族,詩音の家族,創造神の寵愛,お仕え羊,夢路の片道案内人,純真無垢,信じる強さ,最高品質(羊毛)
ユニークスキル:春眠不覚暁
スキル:強睡眠付与,ナイトメアウール,ラックメアウール,夢食,白昼夢,ホーンアタック,回転タックル,モコモコボール,転がる,隠密,認識阻害,隠蔽,加温,保温,綿毛集めEX,羊毛紙作り,帯電,幻影看破,不思議梱包,毒気抜き
耐性:病気無効,毒無効,睡眠無効,温度変化遮断,物理大耐性,精神異常耐性
☆☆☆☆☆
防御型に成ってきてるか…?
このまま育てば、詩音の防衛を完全に丸投げ…は無理か。
ゴースト,アンデッド来たら詰むから。
数値的にも、まだ俺の方が1桁上だし。
自衛可能なデバフサポーター、ってとこだね。
『お、毛が最高品質らしいぞ。』
『白昼夢って、どんなスキルでしょう?』
『攻撃スキル増えたね!』
『モコモコボールって何だろ~?』
『梱包が、不思議梱包に成ってるです。』
『物理耐性が凄いな。魔法を使われなければ、殆ど無傷で戦えそうだ。』
んじゃ、気になったやつをポチっと。
『スキル 白昼夢』
幻影,幻惑の上位版。
視覚,聴覚,嗅覚,触覚に作用し、現実との境界が非常に判りにくい、質量のある幻をフィールドに設置する。
幻による物理的な攻撃が可能。
物理攻撃ができる、現実と見分けつきにくい幻って……え、本体捕まらなきゃ、最強じゃね?
しかも設置型?!コレ、対策必須の、チートスキルじゃねーか!
後でどんなもんか、見せてもらおう!
次は…ポチッとな。
『スキル モコモコボール』
良質で膨大な量の毛を持つモンスターのスキル。
キュッと丸まることで、完全な球型になる。
球の表面は毛でモコモコしており、打撃を受けると衝撃を吸収する。
使用中、転がる際の移動速度1.5倍+転がる攻撃スキルの威力2倍。
おお…またスゲーのが……。
どこまで耐久上がるんだろ?
元々の物理耐性もあるし、詩音の拳なら完全ガードできそうだ。
俺が殴るのは流石に怖いけど、後でラルフに実験してもらえないかな。
んでもって、次をポチッと。
『スキル 不思議梱包』
10センチ四方以上の『何かを包める物(紙,綿毛,布等)』さえあれば、物理法則を完全に無視して、あらゆる物を思い通りの形に梱包できる。
『……陽向、一気にチート化してねぇ?』
『ちーと?』
『あらゆる物、です?…総長さんの鬼斬玉、梱包したら手榴弾にできるのです。』
『俺のドラゴ・ストリームも包めるなら、発動時間が短縮できて助かるな。』
『難なら、熱湯を綿毛で包んで投げれば、盗賊さんなんかは逃げ出すのではないでしょうか?』
『雨って包めるのかなぁ~?』
『あー、雨包めたら、シグレちゃん何処でも雷爆できるもんね!』
『皆、エグい事思い付くなぁ……』
…後で魔法幾つか、包んでもらおっか。
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