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第四章 罪業の魔術師
第36話 返還された殺し屋
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「以上がベルベスト様の……出生の秘密でございます」
話し終えたルディ。
瞳には涙を浮かべ、膝の上に置いた手を強く握っている。
「その赤子が俺だと?」
「左様でございます、ベルベスト様。貴方様はロデリック王国現国王の御子でございます」
「俺が国王の子だと?」
「左様でございます」
「馬鹿げた話だ」
「信じられないかもしれませんが、全て真実でございます」
ルディの瞳を観察するように凝視したが、嘘をついているようには見えない。
そもそも、こんな嘘をつく必要がない。
「当時の私は宮廷魔術師の一人でした。マリアーナ様は私の師匠でございます」
「そのマリアーナという女が、俺の母親だというのか?」
「左様でございます」
「なぜ貴様はロデリック王国ではなく、グレリリオ帝国にいる? ロデリック王国の宮廷魔術師じゃないのか?」
「国を出ました」
「なぜだ?」
「タスティがマリアーナ様を……あ、あ、暗殺したためです」
「暗殺だと?」
「左様でございます。暗殺者ギルドを使い、自らの手を汚さずに、マリアーナ様を……」
「それはいつだ?」
「ベルベスト様誕生から数日で……」
噛み締めた唇から血が滲むルディ。
今さら母親のことを聞かされても、俺には何の感情も湧かない。
「貴様が俺にかけた誓約を説明しろ」
「はい。私がベルベスト様に……」
「やめろ。ヴァンと呼べ。俺はベルベストではない」
「かしこまりました。私がヴァン様に施した誓約は『運命の誓約』と申します。死に直面しても絶対に死にません。ただし二つの力を消費します」
「二つの力? 力とはなんだ?」
「生まれ持った膨大な魔力と幸運です」
「幸運? つまり、俺の不運は貴様の誓約のせいというわけか」
「さ、左様でございます。生きてさえれば、いつか運命は開かれると考えておりました」
「皮肉だな。俺は常に死にたかった」
「そ! そ、そんな……。た、大変申しわけございません」
今さら過去のことを言っても仕方がないし、ルディに対して怒りはない。
時間は戻らないのだ。
苦悶の表情を浮かべているルディ
ルディの表情や仕草、そして声色などから判断しても嘘はない。
全て正直に話しているのだろう。
俺はルディの話を信じる気になった。
「俺に誓約をかけた後はどうしたんだ?」
「ある地方貴族に預けました。ヴァン様が十歳になったら引き取ることを告げ、十年間の生活費を渡しました。そして十年後、密かにヴァン様をお迎えに上がったのですが……。地方貴族はヴァン様を引き取った途端、凋落していたそうです。さらには六歳になった頃、山に捨てたと……。私は激昂し貴族を殺しました。それから二十五年間、ヴァン様を探し続けました。片時もヴァン様のことを忘れたことはございません」
ルディがソファーから下り、床に正座し平伏した。
そして、頭を床に擦りつける。
「ヴァン様、私めを殺してください」
「貴様を殺してどうなる? 時間は戻らんし過去は変わらん。それに俺は意味のない殺しはしない」
「で、ですが……」
「まずは俺にかかってる全ての誓約の状況を教えろ」
「かしこまりました」
「ソファーに座れ」
ルディがソファーに座り説明した。
◇◇◇
俺にかかっている最大の誓約が運命の誓約。
絶対に死なない代わりに、魔力と運を消費する。
おれの不運の元凶だ。
次に暗殺者ギルドがかけた血の誓約。
誓約相手に対し裏切り行為を行うと死ぬ。
これはエルザが上書きして、エルザが主となっている。
なお、運命の制約と血の制約が同時に発動した場合は、運命の制約が勝つ。
ただし、血の制約である心臓の痛みは発動するので、結局のところ死んだ方がましな程の苦しみが待っているそうだ。
◇◇◇
全ての状況を理解した。
「分かった。貴様を信じよう」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げるルディ。
「誓約は全て解けるのか?」
「はい、可能です。血の制約は上書きではなく、完全に解除できます」
「そうか。では運命の制約はどうだ?」
「これも解除可能です。……ですが」
「なんだ?」
「これまで死なずに済んだ反動が来ます」
「反動?」
「左様でございます。古い暗殺者はギルドの拷問訓練があったかと思いますが、それらも全て運命の誓約で死にませんでした」
「要点だけを言え」
「かしこまりました。本来は死を迎えたであろう事故、怪我、病気など含めて、全ての痛みが発生します」
「それを耐えたらどうなる?」
「体は元に戻ります」
「俺は味覚を失っている。戻るのか?」
「はい。味覚も、欠損した体すらも戻ります。さらには魔力の器も復活します」
「分かった。誓約を解け」
「で、ですが、想像を絶する痛みが……」
「それで死んでも構わん。俺は自由を得る。味覚を戻す。それが俺の夢だ」
「ヴァン様の夢……。か、かしこまりました。誓約を解きます」
ルディが立ち上がった。
「お部屋を移動します。地下室へ行き、そこで解除します。この世の全ての苦しみを超えた激痛が発生します」
「構わん。誰も部屋に近づけるな」
「かしこまりました」
「それでは……解除を行います」
◇◇◇
地下室へ移動し、ルディが誓約解除を行う。
エルザが上書きした血の制約は簡単に解除完了。
さすがは千年に一人の天才だ。
そして自身がかけた運命の誓約解除に取りかかった。
「ヴァン様。どれほど時間がかかるか分かりません。ですが、必ず生きて、生きてください」
そう言い残しルディが部屋を出た。
「ぐ、ぐぐ。ぐう。ぐうううう」
まさに想像を絶する痛みがヴァンを襲う。
床に倒れるヴァン。
「ぐおおおおおおお」
数々の暗殺者が耐えられずに死んでいった拷問訓練の痛み。
当時でも失神するほどの痛みだったが、それを超えた部分がヴァンの体に返還された。
毒訓練の痛み、教官の折檻、人買いの暴力、親だと思っていた地方貴族の虐待。
「ぐおおおおおおおおおおおお」
三十五年間の痛みだ。
全身の骨が折れ、内蔵に衝撃が走る。
肌はただれ、爪は剥がれ、体中から血が流れ、体液が漏れる。
あまりの痛みに、白髪となった髪は全て抜け落ち、食いしばった歯は全て砕けた。
痛みの返還は一週間では終わらず、二週間後が経過。
そこで返還は終了した。
声すら出せず、床に倒れる一人の老人。
体を動かすことができず、そのまま死ぬと思われた。
だが痛みの返還が終わると、体の修復が始まる。
全ての傷が治っていく。
床に倒れたヴァンが光りに包まれた。
まさに祝福の光だ。
修復は二週間かけて行われた。
体の修復と同時に、巨大な器に三十五年分の魔力が注がれ始めた。
あまりに膨大な魔力は器を満たし溢れ出す。
溢れた魔力は偶然にも幸運に変換。
強烈な幸運によって奇跡が発生し、ヴァンの時間を戻し始める。
失われた時間がヴァンに与えられた。
それは十七年の時間。
十八歳の姿に戻っていたヴァン。
三十五歳だったヴァンの面影はない。
流れる黒髪。
切れ長の瞳に整った顔立ち。
長い手足に、鍛え抜かれた引き締まった体。
気品と美しさは、母親であるマリアーナと瓜二つだった。
◇◇◇
話し終えたルディ。
瞳には涙を浮かべ、膝の上に置いた手を強く握っている。
「その赤子が俺だと?」
「左様でございます、ベルベスト様。貴方様はロデリック王国現国王の御子でございます」
「俺が国王の子だと?」
「左様でございます」
「馬鹿げた話だ」
「信じられないかもしれませんが、全て真実でございます」
ルディの瞳を観察するように凝視したが、嘘をついているようには見えない。
そもそも、こんな嘘をつく必要がない。
「当時の私は宮廷魔術師の一人でした。マリアーナ様は私の師匠でございます」
「そのマリアーナという女が、俺の母親だというのか?」
「左様でございます」
「なぜ貴様はロデリック王国ではなく、グレリリオ帝国にいる? ロデリック王国の宮廷魔術師じゃないのか?」
「国を出ました」
「なぜだ?」
「タスティがマリアーナ様を……あ、あ、暗殺したためです」
「暗殺だと?」
「左様でございます。暗殺者ギルドを使い、自らの手を汚さずに、マリアーナ様を……」
「それはいつだ?」
「ベルベスト様誕生から数日で……」
噛み締めた唇から血が滲むルディ。
今さら母親のことを聞かされても、俺には何の感情も湧かない。
「貴様が俺にかけた誓約を説明しろ」
「はい。私がベルベスト様に……」
「やめろ。ヴァンと呼べ。俺はベルベストではない」
「かしこまりました。私がヴァン様に施した誓約は『運命の誓約』と申します。死に直面しても絶対に死にません。ただし二つの力を消費します」
「二つの力? 力とはなんだ?」
「生まれ持った膨大な魔力と幸運です」
「幸運? つまり、俺の不運は貴様の誓約のせいというわけか」
「さ、左様でございます。生きてさえれば、いつか運命は開かれると考えておりました」
「皮肉だな。俺は常に死にたかった」
「そ! そ、そんな……。た、大変申しわけございません」
今さら過去のことを言っても仕方がないし、ルディに対して怒りはない。
時間は戻らないのだ。
苦悶の表情を浮かべているルディ
ルディの表情や仕草、そして声色などから判断しても嘘はない。
全て正直に話しているのだろう。
俺はルディの話を信じる気になった。
「俺に誓約をかけた後はどうしたんだ?」
「ある地方貴族に預けました。ヴァン様が十歳になったら引き取ることを告げ、十年間の生活費を渡しました。そして十年後、密かにヴァン様をお迎えに上がったのですが……。地方貴族はヴァン様を引き取った途端、凋落していたそうです。さらには六歳になった頃、山に捨てたと……。私は激昂し貴族を殺しました。それから二十五年間、ヴァン様を探し続けました。片時もヴァン様のことを忘れたことはございません」
ルディがソファーから下り、床に正座し平伏した。
そして、頭を床に擦りつける。
「ヴァン様、私めを殺してください」
「貴様を殺してどうなる? 時間は戻らんし過去は変わらん。それに俺は意味のない殺しはしない」
「で、ですが……」
「まずは俺にかかってる全ての誓約の状況を教えろ」
「かしこまりました」
「ソファーに座れ」
ルディがソファーに座り説明した。
◇◇◇
俺にかかっている最大の誓約が運命の誓約。
絶対に死なない代わりに、魔力と運を消費する。
おれの不運の元凶だ。
次に暗殺者ギルドがかけた血の誓約。
誓約相手に対し裏切り行為を行うと死ぬ。
これはエルザが上書きして、エルザが主となっている。
なお、運命の制約と血の制約が同時に発動した場合は、運命の制約が勝つ。
ただし、血の制約である心臓の痛みは発動するので、結局のところ死んだ方がましな程の苦しみが待っているそうだ。
◇◇◇
全ての状況を理解した。
「分かった。貴様を信じよう」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げるルディ。
「誓約は全て解けるのか?」
「はい、可能です。血の制約は上書きではなく、完全に解除できます」
「そうか。では運命の制約はどうだ?」
「これも解除可能です。……ですが」
「なんだ?」
「これまで死なずに済んだ反動が来ます」
「反動?」
「左様でございます。古い暗殺者はギルドの拷問訓練があったかと思いますが、それらも全て運命の誓約で死にませんでした」
「要点だけを言え」
「かしこまりました。本来は死を迎えたであろう事故、怪我、病気など含めて、全ての痛みが発生します」
「それを耐えたらどうなる?」
「体は元に戻ります」
「俺は味覚を失っている。戻るのか?」
「はい。味覚も、欠損した体すらも戻ります。さらには魔力の器も復活します」
「分かった。誓約を解け」
「で、ですが、想像を絶する痛みが……」
「それで死んでも構わん。俺は自由を得る。味覚を戻す。それが俺の夢だ」
「ヴァン様の夢……。か、かしこまりました。誓約を解きます」
ルディが立ち上がった。
「お部屋を移動します。地下室へ行き、そこで解除します。この世の全ての苦しみを超えた激痛が発生します」
「構わん。誰も部屋に近づけるな」
「かしこまりました」
「それでは……解除を行います」
◇◇◇
地下室へ移動し、ルディが誓約解除を行う。
エルザが上書きした血の制約は簡単に解除完了。
さすがは千年に一人の天才だ。
そして自身がかけた運命の誓約解除に取りかかった。
「ヴァン様。どれほど時間がかかるか分かりません。ですが、必ず生きて、生きてください」
そう言い残しルディが部屋を出た。
「ぐ、ぐぐ。ぐう。ぐうううう」
まさに想像を絶する痛みがヴァンを襲う。
床に倒れるヴァン。
「ぐおおおおおおお」
数々の暗殺者が耐えられずに死んでいった拷問訓練の痛み。
当時でも失神するほどの痛みだったが、それを超えた部分がヴァンの体に返還された。
毒訓練の痛み、教官の折檻、人買いの暴力、親だと思っていた地方貴族の虐待。
「ぐおおおおおおおおおおおお」
三十五年間の痛みだ。
全身の骨が折れ、内蔵に衝撃が走る。
肌はただれ、爪は剥がれ、体中から血が流れ、体液が漏れる。
あまりの痛みに、白髪となった髪は全て抜け落ち、食いしばった歯は全て砕けた。
痛みの返還は一週間では終わらず、二週間後が経過。
そこで返還は終了した。
声すら出せず、床に倒れる一人の老人。
体を動かすことができず、そのまま死ぬと思われた。
だが痛みの返還が終わると、体の修復が始まる。
全ての傷が治っていく。
床に倒れたヴァンが光りに包まれた。
まさに祝福の光だ。
修復は二週間かけて行われた。
体の修復と同時に、巨大な器に三十五年分の魔力が注がれ始めた。
あまりに膨大な魔力は器を満たし溢れ出す。
溢れた魔力は偶然にも幸運に変換。
強烈な幸運によって奇跡が発生し、ヴァンの時間を戻し始める。
失われた時間がヴァンに与えられた。
それは十七年の時間。
十八歳の姿に戻っていたヴァン。
三十五歳だったヴァンの面影はない。
流れる黒髪。
切れ長の瞳に整った顔立ち。
長い手足に、鍛え抜かれた引き締まった体。
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