260 / 414
第十四章
第251話 ナタリーの愛
しおりを挟む
◇◇◇
リマとウィルがカル・ド・イスクと戦っている最中、その横でもう一つ激しい戦いが行われていた。
カル・ド・イスクの毒と咆哮によって操られ、死ぬまで戦う狂戦士《バーサーカー》と化したレイ。
それを止めるナタリー。
本気で戦う二人。
いや、ナタリーはレイの剣を受けるだけで、正確には攻撃を仕掛けていない。
最愛の娘に攻撃なんてできるわけがない。
ナタリーは何度もレイに呼びかけていた。
「レイ! 目を覚ませ! レイ!」
だが、レイは構わずナタリーを攻撃する。
その姿は、まるで怒り狂ったモンスターのようだ。
美しい顔は見る影もなく、獰猛な目をナタリーに向け、全ての剣撃を全力で繰り出していた。
「クッ! ペース配分も何もない。レイが壊れるぞ」
実際にレイの細い腕は、毛細血管が切れ血が滲んでいる。
レイの美しい剣技とかけ離れた激しく荒々しい剣撃。
人間は己の肉体を守るために、本能で力を抑えている。
だが、身体を守るという本能が欠如した今のレイの攻撃は、一撃一撃が人間の力を遥かに超えていた。
ナタリーはレイの攻撃を躱さず、全て剣で受けとめる。
避けるとレイの腕に大きな負担がかかるからだ。
剣で受けることで、その衝撃と負担を全て自分が肩代わりしていた。
「つ、強い!」
王国騎士団の一番隊隊長として最強を誇っていたナタリーですら、十五歳のレイの攻撃を受けるだけで精一杯だ。
それでもレイへの呼びかけをやめない。
「レイ! 目を覚ますんだ! レイ! 私だ! ナタリーだ!」
剣と剣が激しく火花を散らす。
レイの身体が壊れないように、優しく的確に衝撃を吸収する。
自分を犠牲にしてレイの身体を守る。
それはナタリーの愛だった。
だがそれも限界が近付いていた。
ナタリーの剣術をもってしても、理性を失くしたレイの全力攻撃を捌ききれない。
ナタリーの腕から血が吹き出す。
「もう少し、もう少しもってくれ!」
ナタリーほどの剣士になれば、自分の身体の限界を知っている。
限界が近いことを悟ったナタリー。
だが、レイは構わず攻撃を繰り出す。
「ぐうっ!」
腕から鈍い音が鳴り響き、ナタリーがうめき声を上げる。
全ての衝撃を負担していた右腕の骨がついに折れた。
「ぐううう!」
強烈な痛みが身体を貫く。
しかし、声を漏らしながらも、ナタリーは必死に歯を食いしばった。
レイの攻撃が止まないからだ。
むしろ激しさを増すレイの攻撃。
右腕に続き、踏ん張る右足首の骨も折れた。
気力ではどうにもならず、僅かに動きが鈍ってしまったナタリー。
その隙を見逃さず、レイはとどめとばかりに全力でナタリーの頭に剣を振り下ろす。
苦痛に顔を歪めながら、ナタリーはレイの剣を受け衝撃を全て吸収。
激しく火花が飛ぶ剣。
ナタリーはその直後、剣を手放し、レイを強く抱きしめた。
「レイ! 思い出せ! あいつがお前の両親を殺したカル・ド・イスクだ! 思い出すんだ!」
レイ渾身の一撃で、ナタリーは鎖骨や肋骨まで折れていた。
食いしばる歯が砕け、口から血が流れる。
それでも暴れるレイを押さえつけ、レイの耳元で叫ぶ。
「レイ! 思い出せ!」
「ググ……グ」
レイが暴れながらも声を漏す。
「レイ……レイ! 私の愛しいレイ!」
涙を流し叫ぶナタリー。
すると、徐々にレイの動きが弱まる。
「ナ、ナタ……リー……」
レイがナタリーの名を呼んだ。
「レイ! 相手はカル・ド・イスクだ! お前の両親を殺したカル・ド・イスクだ! 思い出せ!」
「カル・ド・イスク……」
レイが動きを止め、カル・ド・イスクを睨みつけた。
「あいつ……が……両親……仇」
「そうだ! お前の全てを奪った元凶だ!」
「お父さん……お母さん……仇」
レイは苦悶の表情を浮かべている。
「グ……ググ」
「レイ! 思い出せ!」
「……仇」
ナタリーの強い呼びかけに応じたレイは、カル・ド・イスクへ視線を向けた。
◇◇◇
カル・ド・イスクが吐く冷気の塊を避けたアタシは、ウィルと共に猛攻を仕掛けていた。
ナタリーとレイを邪魔させない目的もある。
ナタリーは絶対にレイを救う。
毒を用いた呪いのような狂戦士なんて、本物の愛には敵わないはずだ。
カル・ド・イスクは完全に手詰まりとなっていた。
切り札の冷気の塊を避けられ、アタシとウィルの攻撃を浴びる。
あとはレイを正気に戻すだけだ。
「リマ! レイとナタリーが!」
ウィルが叫んだのでナタリーの様子を横目でうかがうと、ナタリーはレイを抱きしめていた。
「よし! いいぞナタリー!」
アタシは歓喜の声を上げた。
全て作戦通りだ。
そして、この先の展開も当然想定している。
カル・ド・イスクはレイを支配下に置くため、必ずもう一度狂戦士の咆哮を上げるだろう。
超高音の咆哮を上げる際、大きな隙が生まれる。
その瞬間がカル・ド・イスクの最後だ。
アタシとウィルでとどめを刺し、断末魔を上げさせ、レイの狂戦士を完全に解く。
予想通りカル・ド・イスクが大きく口を開け、空気を大きく吸い込む。
咆哮を上げるつもりだ。
「ウィル! 来るぞ!」
「分かってるよ!」
リマとウィルがカル・ド・イスクと戦っている最中、その横でもう一つ激しい戦いが行われていた。
カル・ド・イスクの毒と咆哮によって操られ、死ぬまで戦う狂戦士《バーサーカー》と化したレイ。
それを止めるナタリー。
本気で戦う二人。
いや、ナタリーはレイの剣を受けるだけで、正確には攻撃を仕掛けていない。
最愛の娘に攻撃なんてできるわけがない。
ナタリーは何度もレイに呼びかけていた。
「レイ! 目を覚ませ! レイ!」
だが、レイは構わずナタリーを攻撃する。
その姿は、まるで怒り狂ったモンスターのようだ。
美しい顔は見る影もなく、獰猛な目をナタリーに向け、全ての剣撃を全力で繰り出していた。
「クッ! ペース配分も何もない。レイが壊れるぞ」
実際にレイの細い腕は、毛細血管が切れ血が滲んでいる。
レイの美しい剣技とかけ離れた激しく荒々しい剣撃。
人間は己の肉体を守るために、本能で力を抑えている。
だが、身体を守るという本能が欠如した今のレイの攻撃は、一撃一撃が人間の力を遥かに超えていた。
ナタリーはレイの攻撃を躱さず、全て剣で受けとめる。
避けるとレイの腕に大きな負担がかかるからだ。
剣で受けることで、その衝撃と負担を全て自分が肩代わりしていた。
「つ、強い!」
王国騎士団の一番隊隊長として最強を誇っていたナタリーですら、十五歳のレイの攻撃を受けるだけで精一杯だ。
それでもレイへの呼びかけをやめない。
「レイ! 目を覚ますんだ! レイ! 私だ! ナタリーだ!」
剣と剣が激しく火花を散らす。
レイの身体が壊れないように、優しく的確に衝撃を吸収する。
自分を犠牲にしてレイの身体を守る。
それはナタリーの愛だった。
だがそれも限界が近付いていた。
ナタリーの剣術をもってしても、理性を失くしたレイの全力攻撃を捌ききれない。
ナタリーの腕から血が吹き出す。
「もう少し、もう少しもってくれ!」
ナタリーほどの剣士になれば、自分の身体の限界を知っている。
限界が近いことを悟ったナタリー。
だが、レイは構わず攻撃を繰り出す。
「ぐうっ!」
腕から鈍い音が鳴り響き、ナタリーがうめき声を上げる。
全ての衝撃を負担していた右腕の骨がついに折れた。
「ぐううう!」
強烈な痛みが身体を貫く。
しかし、声を漏らしながらも、ナタリーは必死に歯を食いしばった。
レイの攻撃が止まないからだ。
むしろ激しさを増すレイの攻撃。
右腕に続き、踏ん張る右足首の骨も折れた。
気力ではどうにもならず、僅かに動きが鈍ってしまったナタリー。
その隙を見逃さず、レイはとどめとばかりに全力でナタリーの頭に剣を振り下ろす。
苦痛に顔を歪めながら、ナタリーはレイの剣を受け衝撃を全て吸収。
激しく火花が飛ぶ剣。
ナタリーはその直後、剣を手放し、レイを強く抱きしめた。
「レイ! 思い出せ! あいつがお前の両親を殺したカル・ド・イスクだ! 思い出すんだ!」
レイ渾身の一撃で、ナタリーは鎖骨や肋骨まで折れていた。
食いしばる歯が砕け、口から血が流れる。
それでも暴れるレイを押さえつけ、レイの耳元で叫ぶ。
「レイ! 思い出せ!」
「ググ……グ」
レイが暴れながらも声を漏す。
「レイ……レイ! 私の愛しいレイ!」
涙を流し叫ぶナタリー。
すると、徐々にレイの動きが弱まる。
「ナ、ナタ……リー……」
レイがナタリーの名を呼んだ。
「レイ! 相手はカル・ド・イスクだ! お前の両親を殺したカル・ド・イスクだ! 思い出せ!」
「カル・ド・イスク……」
レイが動きを止め、カル・ド・イスクを睨みつけた。
「あいつ……が……両親……仇」
「そうだ! お前の全てを奪った元凶だ!」
「お父さん……お母さん……仇」
レイは苦悶の表情を浮かべている。
「グ……ググ」
「レイ! 思い出せ!」
「……仇」
ナタリーの強い呼びかけに応じたレイは、カル・ド・イスクへ視線を向けた。
◇◇◇
カル・ド・イスクが吐く冷気の塊を避けたアタシは、ウィルと共に猛攻を仕掛けていた。
ナタリーとレイを邪魔させない目的もある。
ナタリーは絶対にレイを救う。
毒を用いた呪いのような狂戦士なんて、本物の愛には敵わないはずだ。
カル・ド・イスクは完全に手詰まりとなっていた。
切り札の冷気の塊を避けられ、アタシとウィルの攻撃を浴びる。
あとはレイを正気に戻すだけだ。
「リマ! レイとナタリーが!」
ウィルが叫んだのでナタリーの様子を横目でうかがうと、ナタリーはレイを抱きしめていた。
「よし! いいぞナタリー!」
アタシは歓喜の声を上げた。
全て作戦通りだ。
そして、この先の展開も当然想定している。
カル・ド・イスクはレイを支配下に置くため、必ずもう一度狂戦士の咆哮を上げるだろう。
超高音の咆哮を上げる際、大きな隙が生まれる。
その瞬間がカル・ド・イスクの最後だ。
アタシとウィルでとどめを刺し、断末魔を上げさせ、レイの狂戦士を完全に解く。
予想通りカル・ド・イスクが大きく口を開け、空気を大きく吸い込む。
咆哮を上げるつもりだ。
「ウィル! 来るぞ!」
「分かってるよ!」
24
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~
軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。
そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。
クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。
一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる