問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

文字の大きさ
322 / 1,278
第三章  【王国史】

3-154 ナンブルとナイール8

しおりを挟む









ナイールとナンブルは一緒になったことを切っ掛けにより一層。村のために尽くしていった。
今までは、生物、気候、精霊、魔法、体制、武術などについて研究や実績を重ねてきた。




それ以降は、ある特定の技能者にその研究結果を村の住民へと広げていった。



ただ、その中には信用できないものが習得してしまうと村の秩序を乱してしまう恐れがあるという理由から、研究結果のフィードバックはゾンデルと三代目村長であるサイロンに確認してからでなければ伝えてはいけないということになっていた。





それでも、村人にとっては教育体制が整ってきたことにより、生活環境が大いに変化した。



気候や地理を把握することで、自然災害による損害が激減した。
武術や魔法を体系化して訓練することで、術者や術自体のレベルアップが図られていった。

そこからレベル分けを行うことで、チームで行う任務や狩の危険度が安定して支持や成果を出すことができた。






精霊は人間のように契約まではできなかったが、地域の情報や気候環境において手助けしてくれるよい協力者となってくれた。





ナンブルはゾンデルと協力し、部隊を構成したり防衛や村内の争いごとを収めたりと、選抜されたエルフたちを訓練し技能の向上における訓練や知識を与えることに従事していた。










一方ナイールは、お腹も大きくなり動くことも億劫になるくらいの体型になっていた。




そのため、今までのような研究や業務はできなくなり一線から外されていた。
ナンブルは大丈夫ではないかと伝えたのだが、祖父になるサイロンが”万が一のことがあってはならん!?”と、ナイールにおとなしくするように命じたのだった。




そのためナイール、は小さな子供に知識を与える仕事をしていた。
全て一人では難しいため、ナルメルに頼んでサポートをしてもらいながら行っていた。






実はこの時も、一悶着起きていた。





サイロンが、教える対象の子供は村長が決めた家の子供だけにするといったのだ。
それを聞いたナイールは顔を真っ赤にして、父親のところへ向かって抗議した。




”どんな子でも知る権利はある、子供に差別をするとは何事かなの!!”

……と。








サイロンの言い分は、やはり村の秩序を守るためというものだった。


変な子が知識を付け、将来的に村の存続に関わるような計画や行動を起こさないためにも対象者は選択しなければならないといった。



だが、ナイールも引き下がらなかった。
どんな家の子供でも、優秀なものが生まれてくる可能性は十分にある。
それは、村の将来のためにもなるのだと、サイロンに対して強く主張しお互い折れることはなかった。





結局この問題は疲れて帰宅したナンブルが仲裁し、村長が指定しない家の子は授業を聞きたいと言った子供だけ対象にし、”教材は渡さない”、”個別の質問は許さない”など制約をつけて自主学習という聴講スタイルで勉強をするならよいのではと提案をした。


不利な立場と選択者の差別化も図られているということで、サイロンはナンブルの案を了承した。
ナイールはナンブルのその提案も不満だったが、二人だけがわかるナンブルの企み顔を見てその場は収めた。







だが、ナイールはそんな約束を守ることはなかった。







ナイールの授業はとても人気があった。
子供に付いてきた親も真剣になって聞くほど、わかりやすく覚えやすい言葉と方法で教えてくれていた。

ナイールは、やる気を出させることにも長けていた。
個人やグループを作り競わせ、飽きさせないようにも工夫していた。
理解した者は、していない者に教え、逆にわからない時はどんな相手でも気軽に聞けるような雰囲気を作る。
そして、できないものを決して見下したりはしない……



この経験がその後の村で協力して何かを行なっていく際に、とても良い成果を生んでいることが後日の調査でわかった。







そして、ある日……







「先生!先生のお腹からいつ出てくるんですか!」


「うーん……もうそろそろだけど、少しなはずなんだけどね」

「ほんと、見てるだけで辛そうなんだけど……ナイール、本当に大丈夫なの?」






椅子から立ち上がろうとしたナイールを、背中から支えて気遣うナルメル。






「よいっ……しょっと。うーん、そうねぇ。身体を見てくれる婆様たちは、そろそろって事しかわからないみたいだし」



そのため、今はナルメルがナイールに殆ど付き添って面倒を見ている。
何かあった時にも、即座に対応できるためでもあった。






その日から更に日付が経過し、そろそろ母子ともに危険な状態だという。
過去にはどうにもならずに、そのまま見送ってしまうことも何度かあった。




このエルフの村では外科的な医学は存在しない、自分やお腹の中の子が頑張ってくれるしか方法はない。

そのため周りができることとすれば、魔法と祈りとお呪いだけが頼りだった。
万が一、それらが通じないとなれば”運がなかった”の一言でで片付けられてしまうだろう。



このような状態になる数日前まで、ナイールは子供たちに教えていた。




そのことがサイロンの耳に入り、サイロンは激怒して再びナイールを部屋の中に閉じ込めてしまった。





しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...